[管理番号:333]
性別:女性
年齢:47歳
とても心配なので助けてください。
半月くらい前に、「そろそろ乳がん検診受けなくちゃなあ」と、自己触診していた時、昨年までは触れなかった右胸の乳頭から右上のしこりに気づきました。
まるいというよりは、表面が滑らかで、ペタッとしており、コロコロ動く感じがありました。
心配だったので、毎年、乳がん検診を受けている病院の予約を取り、見てもらいました。
以前より、のう胞を指摘されてはいましたが、カテゴリー1で(のう胞があるとカテゴリーは2のように思うのですが…)、異常なしの診断でした。しこりは、のう胞がある位置と同じです。
先生は、「やっぱりあるね。90%は良性だと思うけれど、一度、細胞診をしておこう」と言われ、穿刺吸引細胞診を行いました。
カテゴリーもマンモグラフィーで3、エコーで2~3になっていました。
エコー下での細胞穿刺の際、のう胞だと液が出ると思うのですが、先生からは、液が出たとか、そういうことは言われませんでした。
ということは、のう胞ではなく、年齢の事もあり、やはり、乳がんの可能性が高いのではないか…と不安でたまりません。
大きさは1.2cmだそうです。
触ると痛みがあります。
この2~3か月、ホルモンのバランスが崩れ始めていて、生理の周期が早くなっています。
もともと、生理前に乳腺が張る方ですが、また最近、痛みを感じるようになっています。
結果は1週間後ですが、とても不安です。
良性の場合、この年齢で、急に大きくなる事はあるのでしょうか?
教えてください。
よろしくお願いします。
田澤先生からの回答
おはようございます。
やや限られた情報ですが、私なりに考えてみます。
大事なことは(担当医によっては)『曖昧な診療』となるところを(患者さん自らが意思を持って)『きちんとした診療をしてもらう』姿勢だと思います。
回答
「昨年までは触れなかった右胸の乳頭から右上のしこり」
「以前より、のう胞を指摘 しこりは、のう胞がある位置と同じ」
「やっぱりあるね。90%は良性だと思うけれど、一度、細胞診をしておこう」
「先生からは、液が出たとか、そういうことは言われません」
「大きさは1.2cmだそうです。触ると痛み」
⇒これらの情報から紐解くと…
「以前から『嚢胞と思われていた』が、急に触知できるようになった」
⇒大きくなった?硬くなった?(ただ、1.2cmではそれ程大きくはない)
「やっぱりあるね。90%は良性だと思うけれど」
⇒この様子からは「今まで『嚢胞だと診断していたのに、もしかして癌?』というような緊迫感はない」ようです。
「先生からは、液が出たとか、そういうことは言われません」
⇒(液で無いとすれば)
- 細胞 : この場合は「嚢胞内腫瘍」もしくは「線維腺腫」が疑われます。
- 濃縮した内容物 : 「嚢胞の中身が濃縮」し「ドロドロ」となった状態:これは「濃縮嚢胞」と呼ばれ「嚢胞」の一種です。
- 粘液 : 粘液瘤様腫瘍、粘液癌など
まとめると…
「以前から嚢胞(と思われていたもの)があった」
「担当医の態度からはエコー像に不整はない:少なくとも通常の乳癌ではありえない」
注意すべきは「嚢胞内腫瘍」「粘液瘤様腫瘍」「粘液癌」となるでしょう。(確率は高くはありません)
また、「触ると痛み」があり、「2~3か月、ホルモンのバランスが崩れ始めていて」となると、「女性ホルモン分泌の不順に伴う」(痛みを伴う)「炎症性の腫瘤:嚢胞の一種ですが…」の可能性もあります。
この場合には「どろっとした炎症性の液体」が採取されます。
◎細胞診結果待ちの状況ですが、以上の内容を踏まえて「診断をきっちりとして」もらいましょう。
あいまいに「良く解らないけど、悪性じゃないと思うよ。じゃ、3カ月ね」みたいな無責任な(私に言わせれば)『ふざけた』診療とならないようにしましょう。
きちんとした診断
『良性』なら(自信をもって)『経過観察は不要』
『良性と断定できない』」なら(確定診断のための)『針生検の提示』(無論、良性の可能性が高い場合には、患者さん希望で経過観察でもいいのですが…)