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モンドール病と癌の合併率について

[管理番号:7745]
性別:女性
年齢:38歳
病名:
症状:左脇から乳首上辺りの紐状しこりあり、痛いです

左脇から鎖骨下部分が痛くコリコリがあり、熱っぽくて倦怠感もあります。

紐状の突っ張りの線上に米粒弱のしこりがあります。

乳腺クリニックに行ったのですが、エコーで静脈炎と言われました。

米粒弱のしこりはエコーではわからないといわれました。

マンモグラフィもすすめられたのですが、当日は断ってエコーのみをしていただきました。

ネットで調べたら、こんな記事を見つけました。

「乳癌との関連性は2.4~12.7%の乳癌との合併率があり、比較的高いと報告されています。
その乳癌の特徴は腫瘤が小さい割に腋窩リンパ節転移が多く、癌の占拠部位は索状物の先端に認められ、転移陽性例では索状物は腋窩に向かって伸びています。モンドール病の診断の際は必ず乳がん検診をお受けになる必要があります。」

とても不安になっています。

この記事の内容は、乳ガンとの合併率が比較的高いとなっていますが、本当ですか?
エコーのみで異常なかったので安心していましたが、マンモグラフィもするべきでしょうか?

また、マンモグラフィは放射線が逆効果もあると聞き不安なので、マンモグラフィの代わりに、乳mri検査でも代用できるのでしょうか?
行ける範囲に自費で3万円程で乳癌MRI検査が
できるという病院がありました。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

症状は明らかにモンドールです。(その乳腺外科医の診断は正しい)
一応、その原因として乳癌がないかを確認するのは鉄則ですが、実際に(それで)乳癌が発見されることは非常に稀です。(ほぼ皆無)

〇今回のように「超音波で何もなければOK」
 モンドールは(自然に)1~2か月で消褪します。
 ご安心を。

「この記事の内容は、乳ガンとの合併率が比較的高いとなっていますが、本当ですか? 」
⇒誤り。

 実際にモンドールは「かなりの数」診ていますが、全く乳がんと関係ありませんでした。

「エコーのみで異常なかったので安心していましたが、マンモグラフィもするべきでしょうか?」
⇒不要。
 エコーで見えないものがマンモで見えることはありません。

「乳mri検査でも代用できるのでしょうか?」
⇒エコーで何も無かったのだから、まったく不要です。

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

エコーにうつらないのに、マンモグラフィにうつる癌はありますか?
性別:女性
年齢:38歳
病名:モンドール病
症状:脇から乳首上に紐状しこりと米粒程のコリコリ、おさえると痛い

先日はありがとうございました。

とても安心しました!

先生の言うとおり、今二週間経ちますが
痛みはだいぶ軽くなっています。

抑えるとまだ痛く突っ張っていますが。

「エコーで見えないものがマンモで見えることはありません。」
とありましたが、石灰化のがんの場合はエコーにうつらないと聞きました。

石灰化のがんは初期だとエコーにうつらない、ということでしょうか?
でも、38才なのでマンモグラフィをしても全体的に白くうつると考えると、初期の石灰化のがんはわからない可能性が高いですか?
エコーでも確認できる程のものでないとマンモグラフィでもわからないということでしょうか?

そう考えると、エコーで確認できるがんができてしまった時点では結構進行しているのでしょうか。

乳の痛みや、乳腺のコリコリが気になり、過去にマンモグラフィを20代で2回、30代前半で2回、35才授乳中に1回、全部で5回くらいをしたのですが、ほとんどが白っぽくうつっていて異常ありませんでした。

でも、マンモグラフィを若い時から毎年受けていると逆に癌を誘発するという記事を読み受けすぎた事に後悔しました。

それで今回のマンモグラフィを断って帰宅したのですが、本当にこれで良かったのか不安になってしまって。

再度の質問、申し訳ありません。

宜しくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

メール読みました。
現代人がしばしば陥りやすい「過ちのループ」に陥っています。

1.モンドールの原因として「癌」が潜んでいることがある。(極めて稀ですが)
2.乳癌の増殖過程で石灰化を起こすcaseがあり、その初期ではマンモでしか映らない(「石灰化の癌」という表現には賛成しません)
3.しかし乳癌の殆どは石灰化を起こさないので、早期乳癌の殆どはマンモでは映らずエコーでしか映らない

Case.1 石灰化を起こす場合(少数派)
①癌が乳管内に発生し、それが乳管内を増殖する過程で(内部の癌細胞が一部壊死を起こし)結果として石灰化が生じる
②やがて、それは増大し「しこり」を形成する。

Case.2 石灰化を起こさない場合(大多数)
③小さなシコリ
④やがて大きく増大

上記の中で(エコーでは解らないが)マンモでしか解らない状態は①だけです。
(③はエコーでしか解らず、②④はどちらでも解ります)
①の状態でモンドールを起こすことは「絶対に」無いのです。

★つまり、モンドールの原因となるような癌が潜んでいたら、それはエコーで解るのです。
 別々の知識を(安易に)組み合わせると、「過ちのループ」に陥ってしまします。
(ご用心を)