[管理番号:7724]
性別:女性
年齢:39歳
病名:乳癌
症状:
乳がん告知後に治療を始めてから、こちらを知り読ませていただいています。
妊娠中だった2月に左胸にしこりをみつけ産婦人科でエコーをしてもらったところ大きな腫瘍が複数ありました。
3月初旬に出産し、すぐに乳腺外科で診察してもらいました。
初めは葉状腫瘍だろうと思われていたようですが超音波検査で腋窩に肥大があり1番大きな腫瘍だけ細胞診したところ乳がんとわかりました。
エストロゲン受容体8%
プロゲステロンとHER2はマイナス
ki67-95%
トリプルネガテイブと診断されました。
腫瘍は44ミリ、43ミリ、26ミリ、18ミリでした。
腋窩は23ミリ、31ミリでした。
T3N1M0
このタイプには抗がん剤がよく効くから小さくして取ろう術前化学療法をして手術をすることになりました。
主治医からの提案に手術はありませんでしたし、術前抗がん剤のデメリットは説明されていませんでした。
EC4回はとてもよく効いている実感がありましたがドセタキセルになってから(3回打っています)胸に痛みを感じ心配になり自分で触診しているうちに大きくなっているような感じがしました。
その間、主治医は触診もエコーもしなかったこともあり、念のため自分で産婦人科に行きエコーをしてもらい途中経過を診てもらっていました。
不安があり予約外でしたが診察してもらおうと病院へ行くと主治医は1週間休みで無理を言って他の乳腺の先生に診察してもらったところ現在の腫瘍の大きさは23ミリ、14.5ミリ、13ミリになり腋窩のシコリは見えなくなっているそうです。
抗がん剤で小さくなっているがトリプルネガティブで増殖率が非常に高いこと、ドセタキセルの効き目が薄いことから緊急に手術をしたほうがいいが術前検査で他に転移していたら手術はできないとも言われました。
とても厳しく厄介なタイプで時間を無駄にはできないし、すでに微小転移をしているから術後も抗がん剤を6ヶ月して、その後は全摘部分とリンパの部分に放射線治療をしますとのことでした。
ただ手術で抗がん剤を打てない間に遠隔転移をする可能性が心配だと言われ現実を突きつけられたようです。
そこで質問なのですが
①3ヶ月前にCTとアイソトープで遠隔転移はありませんでしたがECが効いていても遠隔転移している可能性は高いのでしょうか。
②もし手術が出来たとして、術後の回復の間に遠隔転移してしまう可能性は高いのでしょうか。
③増殖率が非常に高いトリプルネガティブで複数の腫瘍がある場合の再発率はどのくらいでしょうか。
④すでに微小転移していると断言されましたがこのままでは確実に遠隔転移を起こすとのことでしょうか。
⑤エストロゲン8%ではホルモン療法は無意味でしょうか。
今のうちに出来ることは全部したいと思っています。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「術前検査で他に転移していたら手術はできない」
⇒そんな可能性があるのであれば…
それを言わずに「術前抗がん剤ありき」で治療を開始したことに大いに疑問があります。
「すでに微小転移をしている」
⇒ここでいう「微小転移」とは「全身に見えない癌細胞が回っている」という意味ですか?(全く根拠がありません)
「術後も抗がん剤を6ヶ月」
⇒誤り。
標準治療は「anthracycline + taxanes 6か月」であり、(術前にanthracyclineをしているのだから)術後は残りのtaxane(3か月)となります。
「手術で抗がん剤を打てない間に遠隔転移をする可能性が心配」
⇒?
手術の翌週に抗がん剤すればいいだけです。(それだと1週間程度しか遅れとなりません)
★まさか、術後は1か月は抗がん剤していけないとでも思っている??
「①3ヶ月前にCTとアイソトープで遠隔転移はありませんでしたがECが効いていても遠隔転移している可能性は高いのでしょうか。」
⇒ありません。
もしも、そんな可能性があったら…
術前抗がん剤は非常に危険な治療ということになり、それについて「きっちりと」
お話ししておかなくてはいけなかったでしょう。(化学療法前に)
「②もし手術が出来たとして、術後の回復の間に遠隔転移してしまう可能性は高いのでしょうか。」
⇒手術後の「回復」など必要ありません。
翌週から抗がん剤を開始すればいいのです。(回復に時間がかかるような手術は、手術とは言えません)
「③増殖率が非常に高いトリプルネガティブで複数の腫瘍がある場合の再発率はどのくらいでしょうか。」
⇒考えすぎ。
普通にステージで考えましょう。
「④すでに微小転移していると断言されました」
⇒全く根拠がない!
忘れて構いません。
「エストロゲン8%ではホルモン療法は無意味でしょうか。」
⇒(抗がん剤終了後には)行うべきです。