[管理番号:7633]
性別:女性
年齢:46歳
病名:再発乳がん
症状:
初めまして。
宜しくお願い致します。
【これまでの経過】
・2016年11月、両側乳がんの診断。
マンモ、エコー、生検、CT、骨シンチの診断では
左:3cm大の腫瘍、リンパ節転移2個、ルミナールB、ステージ2B
右:2.5cm大の腫瘍、リンパ節転移無し、ルミナールA、ステージ2A
・2017年1月より術前抗がん剤
FEC3回、DOC3回
・2017年6月、両胸全摘および左リンパ節レベル2郭清。
左:乳房内腫瘍消失。
リンパ節1個にがん細胞残存。
トリプルネガティブ、ki67:90%
右:7mm大の腫瘍。
ルミナールA、ki67:10%
・2017年7月よりタモキシフェン服用。
・2017年8月より左腋窩・胸壁・鎖骨に放射線治療25回。
・2018年7月、定期健診CTにて異常なしとの診断。
・2019年2月、左鎖骨下及び腋窩リンパ節に再発。
エコー、CT、骨シンチの診断では
鎖骨下は大きめのものが沢山、左腋窩に1個、胸骨付近には微小なものが沢山。
具体的な大きさは示されず。
遠隔転移無し。
・2月、BRCA1変異確認、リムパーザを半量にて服用開始。
・5月、CTにて腫瘍縮小を確認。
・6月、リムパーザを全量にて服用開始。
・8月、エコーにて鎖骨下→5mm程度、腋窩→リンパ節がわずかに腫れている程度、胸骨付近→消失との診断。
【質問】
1)今回の再発箇所は前回放射線照射箇所のため抗がん剤治療のみとなりました。
放射線治療自体が再発の原因と考えられますか?
2)今後の治療はどうするのが最善でしょうか?リムパーザが効かなくなれば他の抗がん剤に変更と思いますが、このまま腫瘍が消えた場合、それで治療終了なのでしょうか。
3)リムパーザで腫瘍が消えたとしても、BRCA1変異がある限り再発を繰り返すのでしょうか。
その場合次回はリムパーザは使えないのでしょうか。
4)今回の再発は首の付け根が痛みを持ち大きく腫れ上がったことから判明しました。
タモキシフェン服用中の診察は血液検査のみで、腫瘍マーカーの上昇がなく見過ごされていたと思われます。
今後、主治医に診察ごとのエコーを要求するのは「当然の権利」でしょうか。
「モンスターペイシェント」でしょうか。
主治医は乳腺外科専門クリニックで、CTや点滴抗がん剤、手術、放射線治療は紹介の大型病院で行い、手術のみ主治医が各病院に出向いてメインで執刀するスタイルです。
ですので主治医の執刀数も診察数もかなり多いはずなのですが、田澤先生と比較すると不安を覚えることが多く、今後主治医に何をお願いするべきか、転院するべきか(但し地方で病院も少ない)悩んでいます。
助言頂けましたら幸いです。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「1)今回の再発箇所は前回放射線照射箇所のため抗がん剤治療のみ」
「放射線治療自体が再発の原因と考えられますか?」
⇒放射線が再発の原因など、全くナンセンスな考えです。
問題点を探すとすれば…
そもそも術前抗がん剤が必要だったのか?
術前抗がん剤をしたことで「本来郭清すべき」リンパ節が取り残された可能性は否定しきれないと思います。
それを補うために放射線をかけたが、(放射線では)抑えきれなかったようです。
「2)今後の治療はどうするのが最善でしょうか?リムパーザが効かなくなれば他の抗がん剤に変更と思いますが、このまま腫瘍が消えた場合、それで治療終了なのでしょうか。」
⇒腋窩~鎖骨下は手術できるのでは?(今なら)
そして「胸骨傍」には放射線かけられるのでは?(前回照射野に入っていない可能性はあります)
「3)リムパーザで腫瘍が消えたとしても、BRCA1変異がある限り再発を繰り返すのでしょうか。」
⇒「BRCA1変異がある限り再発を繰り返す」というのは何か勘違いしているようです。
「BRCA変異があったから再発した」ということではありません。(BRCA変異があっても、なくても再発リスクはあるのです)
「その場合次回はリムパーザは使えないのでしょうか。」
⇒効果が無くなれば(薬剤に耐性ができたということ)・
別の薬剤へ変更することになります。
「今後、主治医に診察ごとのエコーを要求するのは「当然の権利」でしょうか。」
⇒是非、そうしてもらいましょう。