[管理番号:7592]
性別:女性
年齢:61歳
病名:乳癌
症状:
田澤先生
当方フランス在住でパリの病院に通院中、61歳女性です。
ご多忙のところ恐縮ですがご回答いただきたく、どうぞよろしくお願いいたします。
2005年 当時47歳
左胸全摘出
浸潤性乳管癌 リンパ転移なし
部分摘出手術で1.5センチほどの腫瘍摘出、その周りに複数散らばりがあった為、全摘出。
その後タモキシフェン5年服用
2018年1月 当時60歳
右胸にしこり発見
針生検の検査結果では陰性
「陰性だが一応取っておいた方が良い」と言うことで、しこりだけ部分麻酔手術で取る。
1週間後取ったしこりが悪性の物と判明+断端陽性
2018年3月
右胸全摘出 リンパ転移なし
Invasive ductal adenocarcicoma 7mmX6mm
GRADE2
Anisocaryosa 2
Architecture 3
Mitosis 1
RE:positif+++
RP:positif
Ki67: 5%
TIL:10%
CERB2:positif1
PT1bR1 切り取った皮膚生検は正常
その後無治療
2019年6月
胸の MRIを撮った際、右胸に初発と同じ位置に(傷跡の裏) 5mmのしこりがある事に気づく
針生検の結果 癌細胞
PETスキャン結果 正常 転移無し
局所再発と言うことで部分手術
最終病理結果
Invasive ductal carcicoma (NST)
5mmX4mm
Grade2
Anisocaryosa 2
Architecture 3
Mitosis 1
RE:100%
RP:85%
Ki67: 5%
TIL:10%
Cerb2: 陰性
Her2: 陰性 (針生検では+2になりFISHで陰性)
PT1a
来月8月から放射線治療開始予定
その後、ホルモン治療フェマーラ予定
①そこで最初にお伺いしたいのは、
昨年の1回目の手術は、最初から良性との判断で腫瘍のみを取り出す部分麻酔の簡単な手術をした後、結果が悪性でしたので全摘手術、その際、皮膚側を切り取ったのが1cmX0.5cmだけだったのは不十分だったのではと思っていますがいかがでしょうか。
再発後の再手術では、6cm切り取っております。
②あともう一つお伺いしたいのは、
フランスの担当医は、小さな局所再発でもホルモン治療はやる、との事ですが、今回のような小さな局所再発の場合、田澤先生のいくつかのご回答のように、1回目の手術の取り残しと考えホルモン治療は必ずしも必要ではないのではないかと思うのですが、いかがお考えでしょうか。
ご意見を伺いたいと存じます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「①そこで最初にお伺いしたいのは、昨年の1回目の手術は、最初から良性との判断で腫瘍のみを取り出す部分麻酔の簡単な手術をした後、結果が悪性でしたので全摘手術、その際、皮膚側を切り取ったのが1cmX0.5cmだけだったのは不十分だったのではと思っていますがいかがでしょうか。」
⇒結果論として…
「取り残しがあった」わけだから、その通りだと思います。
「1回目の手術の取り残しと考えホルモン治療は必ずしも必要ではないのではないかと思うのですが、いかがお考えでしょうか。」
⇒それでいいのですが…
そもそも初回手術後にホルモン療法しなかった理由は「小さいから」でしょうか?
「局所再発だから」という理由でホルモン療法は不要と思いますが、(そもそも)初回手術後にホルモン療法の適応があるので「この機会にホルモン療法をしておく」
という考え方はありです。