[管理番号:7572]
性別:女性
年齢:46歳
病名:乳癌
症状:
6月に乳癌の診断を受けてから参考にさせて頂いています。
左乳癌 (外側上部にしこり。
エコー上 1.3??1.1??0.8の大きさ)で8月(上旬)日オペ予定です。
術前の造影剤MRIではリンパ節転移はなさそうです。
主治医は温存でもいける見解で、全摘を強く勧める状態でもないとのことで、部分切除を実施、術中に断端評価し2回断端評価してもまだ癌がある場合は全摘に移行。
腋窩リンパ節も術中検査。
転移2mm以上なら腋窩郭清術という手術同意書を用意してありましたが、基本温存か全摘かは患者さんの意思を優先するとのことで、それを聞いて私が迷いだしたため、術式は保留になっています。
私が迷っているのは局所再発のリスクです。
大きさも1amより小さければ迷わず温存を選択すると思いますが、今回、検診をまじめに受けていたにもかかわらず、自分で見つけてしかもすでに大きさは1amを超えてしまっているので再発リスクも高いのではないかと心配です。
ただ全摘でも全くないわけではないから、だったら温存で放射線をした方が実は再発率は低いのではないかとも思っています。
これに関してはネットでも色々な見解があって悩んでいます。
あと一つ気になるのは、数日前に乳頭からほんの少し出血がありました。
ティッシュに点状につく程度です。
主治医に言ったら、だとすると外側上部のしこりから乳管をそってその分泌物が出てきているということで、切除範囲が乳頭ギリギリまでになるかもしれないと言われました。
その時はそうかと思っただけでしたが、乳頭は取らなくてもいいのか??という疑問が生じてきて、乳頭も取らなければならないなら全摘と変わらないと思ったのです。
あと主治医に聞かれたのは家族歴で、母が乳癌を13年前に患っています。
ほかに血縁者で乳癌はいませんが、姉がいて、ここ数年乳癌検診受けていないので分かりません。
もし遺伝性が考えられる乳癌ならば再発率という点では高いかもしれないと。
田澤先生はどのようにお考えになるのか選択の参考として質問させて頂
きたくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
物事はシンプルに考えましょう。
1.温存術後の乳房内再発は術後照射をしても10年で5%程度はある。 それに対して全摘での局所再発は「限りなくゼロ」です。
2.MRIで(拡がりが)限局していれば温存可能、あとは「温存乳房内再発のリスク」と「乳房を残したいという願い」が(自分にとって)「どちらが上なのか?」それで決まります。
3.乳頭分泌は(癌が、乳管と連続しているので、あっても何ら不自然ではなく)「乳頭に直接浸潤とは無関係=乳頭を切除する必要なし」
「温存で放射線をした方が実は再発率は低いのではないか」
⇒誤り。(上記)
「切除範囲が乳頭ギリギリまでになるかもしれない」
⇒全くの誤った理解(上記)
「母が乳癌」「遺伝性が考えられる乳癌ならば再発率という点では高いかもしれないと。」
⇒これも「見当違い」
(10年前とは全く異なり)親兄弟が乳癌などという患者さんは「山のように」いらっしゃいます。
一昔前ならば「遺伝かも?」と疑うべきとは思いますが、(乳癌が増加した現在では)その程度では「遺伝性?」などとは(私は)全く思いません。
「田澤先生はどのようにお考えになるのか」
⇒お判りですね?
物事はシンプルなものです。
術式に関しては、ご本人が「乳房内再発のリスクと乳房を残したい意思」どちらに重きをおくのか? で決めましょう。(「遺伝性?」とか「乳頭浸潤?」などは全く無関係)
質問者様から 【結果2 】
温存を選択しました
性別:女性
年齢:46歳
病名:左乳癌
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]
再発のリスクを考えたら乳房がなくなるくらいと思って全摘に心が傾きましたが、現実味を帯びてきたらやはり残したいという気持ちがまた強くなり、再度主治医に相談。私の場合は全摘でも放射線が追加になるかもしれない場所に乳癌があることなど色々アドバイス頂き、先生も放射線に通えるならば温存まず勧めるとのことで、温存を選択することにしました。
<Q&A結果>