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妊娠後期しこり

[管理番号:7396]
性別:女性
年齢:39歳
病名:浸潤性乳癌
症状:

はじめまして。

よろしくお願いします。

妊娠後期(35週頃)に胸のしこりに気づき産科の先生に相談しエコーで診てもらったところ血流のある大きなしこりだとわかりました。

その後38週で出産し、産後の入院中から外出許可をもらい乳腺外科で診断してもらっていました。

突然の大きなしこりで初めは葉状腫瘍だろうと言われましたが超音波検査で脇が肥大していたため生検したところ乳癌だと診断されました。

浸潤性乳癌 分裂像score2、核グレード3
cT3,N1,ER:J-Score2,PgR:J-Score0,HER2:Score0,MIB-1:95%,NG3

トリプルネガティブ、Ki67:95%で増殖率が高いが抗癌剤が効きやすいと言われ、自分でも告知までの約2ヶ月で大きくなっていることを実感していたので1日でも早く治療を始めたいと思い告知の3日後から抗癌剤の点滴を始めました。

まずは腫瘍を小さくしてから手術の予定です。

内容はECを3週毎4回とドセタキセルを3週毎4回。

現在はEC3回目が終わったところです。

CTとR Iの検査で遠隔転移はありませんでしたが同側腋窩リンパ節に転移がありました。

放射線治療は温存ならあるが全摘ならしないとのこと。

まだどちらになるか決まっていませんが、小さい子供達(3歳、3ヶ月)のために元気で長生きしたいので、できる治療は全てやりたいと思っています。

先生ならば、どのような治療方針になりますか?
ER:J-Score2というのはホルモン治療は無意味ですか?

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

術前抗がん剤には賛成しませんが…(もしも抗がん剤が効かないと手術不能となるリスクがあるため、現段階で手術可能であれば、そのリスクを考えて手術先行とすべき)
EC3回終了しているようですが、「小さくなっていますか?」(ご自分でわかりますね?)
★小さくなっている実感があれば、一安心ですが、(そうでないなら)漫然と術前抗がん剤をして後悔しないようにしてください。

「先生ならば、どのような治療方針になりますか?」
→手術+抗がん剤です。(抗がん剤は術前でなければ、術後に必要)

 放射線の適応となるケースは以下の2つ
 1.(術前抗がん剤が奏功して)温存手術となった場合
 2.(術前抗がん剤の前の状況で)画像上腋窩リンパ節転移が4個以上疑われる場合

 
「放射線治療は温存ならあるが全摘ならしないとのこと。」という医師のコメントか
らは、2ではない(画像上リンパ節転移は3個以内)ようですね。

 
 

 

質問者様から 【質問2 妊娠後期しこり】

性別:女性
年齢:39歳
病名:浸潤性乳管癌
症状:

先日は、お忙しいところ回答ありがとうございました。

私のしこりは2ヶ月の間にどんどん大きくなり、抗がん剤を始める前は
胸の表面をそっと触るとボコボコとわかるようなものでした。

ECで胸のしこりも脇のしこりも自分で触ってもわからなくなっていますが、脇と胸に違和感を感じることがあります。

診断時、先生から「小さくなった?」と聞かれますが、触診をされないため少し不安があります。

今までは大きなしこりだったので小さくなっていくのもわかりやすかったのですが、この後ドセタキセルになり、もし薬が効かなかったときに自分で感じられるか不安もあります。

手術を先 にお願いする場合は、どのタイミングが良いのでしょうか。

そして再発の可能性ですが、温存手術+放射線治療の場合と全摘手術の場合は、どちらが再発の可能性が高いでしょうか。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「ECで胸のしこりも脇のしこりも自分で触ってもわからなくなっています」
→それは幸いです。(手術不能となるリスクは回避されています)

「脇と胸に違和感」
→これは「正常乳腺」と「腋窩の正常副乳」のホルモン刺激症状です。(抗がん剤による卵巣毒性でホルモン分泌が不安定となるから)を感じることがあります。(腋窩リンパ節が痛くなることはありません)

「手術を先にお願いする場合は、どのタイミングが良いのでしょうか。」
→EC4回後でいいのでは?(いつでもいいのですが)

「そして再発の可能性ですが、温存手術+放射線治療の場合と全摘手術の場合は、どちらが再発の可能性が高いでしょうか。」
→再発は…

 局所再発と全身遠隔転移再発に分けて考えないと、迷路にはまり込むだけなので注意しましょう。

 局所再発は…
  温存では(放射線をかけても)10年で5%程度はあるが、全摘ではない。
 全身遠隔転移再発は…
  温存でも全摘でも一緒。