［管理番号:7244］
性別:女性
年齢:55歳
病名:
症状:

よろしくお願いします。

右乳房浸潤性小葉乳がん、全摘手術を2月（上旬）日に受けました。
55歳女性です。

病理検査の結果は以下の通りでした。

●癌の大きさは105×60㎜(以下原文まま:広く全領域に広がり、しかも明確なmassを作る傾向に乏しく、腺内に非連続的にisolate した大小の浸潤癌が多発して見られる像を呈しています。
癌は脂肪組織から皮膚の真皮下層まで進展しています。 )
●nuclear grade２
●ステージはＴ3
●右センチネルリンパ転移なし、リンパ郭清行わず
●他臓器への転移なし
●原文まま:背景の乳房には繊維増生があり、duct ectasia、apocrine
metaplasiaなど軽いmastopathy像をみます。

●ホルモンレセプター
ER陽性、PGR境界域
●her2蛋白スコア１＋(過剰発現なし)
●ki67の陽性率約７%

提案された治療は
●主治医からは抗癌剤TC療法(3週×4回)と終了後のホルモン療法を勧められています。
TC療法は効かないタイプもある。
効くかどうかは分からないが、今できることは全てした方がいいと思うとの理由です。

先生に4点おたずねします。

◯無駄なダメージを身体には与えたくないのですが、毎年検診を受けていたにもかかわらず、10cmと癌が想像以上に大きかったことにショックを受けております。
オンコタイプdxは提案されなかったのですが、遺伝子検査よりも癌の大きさからしてTC療法をすぐに行った方が良いでしょうか？先生ならどのような治療計画を提案なさいますか？

◯遺伝子検査を受ければTC療法以外の抗癌剤療法の有効性についても判明するのでしょうか？その場合はそちらを行った方が良いのでしょうか？

◯遺伝子検査をせずにホルモン療法だけを行うことについてはどうお考えでしょうか？

◯先生でしたら、放射線治療は提案なさいますか？

お忙しいのにお手数をお掛けしますが、よろしくお願いいたします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

まず最初に…
私が（その主治医と）全く異なる治療方針となっても「でも、主治医が…」みたいな
再質問はしないように気をつけてください。

「毎年検診を受けていたにもかかわらず、10cmと癌が想像以上に大きかったことにショック」
→私はその画像を見ていませんが…

　病理コメント「明確なmassを作る傾向に乏しく、腺内に非連続的に」から推測すると、画像では捉えにくかったことが容易に想像できます。（しばしばある話です）

「先生ならどのような治療計画を提案なさいますか？」
→ホルモン療法単独です。（一秒も迷いなく）

「◯遺伝子検査を受ければTC療法以外の抗癌剤療法の有効性についても判明するのでしょうか？」
→シンプルに…
　化学療法（ＴＣを含む）の上乗せがあるのかどうか？だけです。

「その場合はそちらを行った方が良いのでしょうか？」
→Ｋｉ６７＝７％であれば…

　常識的に「ルミナールＡ＝ｌｏｗ　ｒｉｓｋ＝化学療法による上乗せ無」だと思うので、遺伝子検査（ＯｎｃｏｔｙｐｅＤＸ）するまでもない。と思います。

「◯遺伝子検査をせずにホルモン療法だけを行うことについてはどうお考えでしょうか？」
→それが「普通」です。

「◯先生でしたら、放射線治療は提案なさいますか？」
→しません。（全摘後の放射線治療の適応は「リンパ節転移４個以上」です）

質問者様から　【質問２　ルミナルA ホルモン陽性度によるホルモン治療の奏功度について】

性別:女性
年齢:55歳
病名:右乳房小葉癌
症状:

先日はお忙しい中、質問に答えていただきありがとうございました。

「ルミナルAで抗癌剤治療は必要ですか？」という管理番号 ７２４４を質問した者です。
オンコタイプdxをするまでもなく、抗癌剤治療は必要ないと迅速な解答をいただけたことは心強く、抗癌剤治療は行わない方向で主治医ともう一度相談しようと思い、昨日来週の面談をお願いしてきました。

本当は先日の質問でお尋ねすればよかったのに、貴重なお時間を頂くこと、貴重な質問枠をもう一度使用させて頂くこと、申し訳ありません。

よろしくおねがいします。

●先日のデータのERホルモン陽性度は10パーセントでした。
ERホルモンレセプター陽性度が高いほど、ホルモン治療が奏功する、と読んだことがあります。
これは陽性度が低ければそれだけホルモン治療の効果が
上がりにくい、ということでしょうか？私のようにERもPGR(境界域)も低い場合でも、ホルモン治療の効果があると考えてよろしいのでしょうか？

●主治医の「小葉癌は、ずっと後になって思ってもみなかったところで
ポンと再発することがある。
どこかに隠れているのでしょうね。
だから
抗癌剤をしておいた方がいい。」という言葉が気になります。
癌細胞は、骨髄の中に身を潜めているのではないかという記事を読んだことがあります。
ホルモン治療が効く場合は、もし「どこかに隠れている」癌細胞にも効果があると考えてよろしいのでしょうか？

お忙しい中、ありがとうございます。
よろしくお願いします。

田澤先生から　【回答２】

こんにちは。田澤です。

「ホルモン治療の効果があると考えてよろしいのでしょうか？」
→その通り。

「ホルモン治療が効く場合は、もし「どこかに隠れている」癌細胞にも効果があると考えてよろしいのでしょうか？」
→その通り。

私が（その主治医と）全く異なる治療方針となっても「でも、主治医が…」みたいな再質問はしないように気をつけてください。
★上記、再確認を。