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トリプルネガテイブ

[管理番号:251]
性別:女性
年齢:53歳
胸のしこりと痛みで、3月上旬に診察を受け、
2週間後に、乳がんあること、
さらに1週間後、トリプルネガティブ、ステージⅡと診断されました。
 
数年間、超音波検査を定期に続けており、昨年7月に
変化なしで、次回は今年5月の予定でした。
 
大きくなるスピードも速いらしく、大きさは2センチ大で、1週間後から、化学療法を予定しています。
主治医から、セカンドオピニオンを受けるなら、化学療法の間に行くことを勧められています。
 
痛みがあることや、トリプルネガティブは、治療が難しいようで不安です。
また、数日前より、空咳や、背中の痛みもあります。
転移があるかは、検査の予約に空きがないため3週間後にCTの予定ですが、大丈夫でしょうか。
(2015年4月の質問)
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 「トリプルネガティブ乳がん、ステージⅡ」と診断されたとの事
 毎年「超音波検診」を受けていて(昨年7月に変化なし?異常なしではなく、変化なしというのは前から何かはあったのでしょうか?)
 (8カ月前OKだったのに)急に「2センチ大」の腫瘍では、お気持ちお察しします。

状況の確認

 ステージⅡの中身はどうなのでしょうか?
 腫瘍が「2センチ大」との記載から、以下の何れかに当たる筈ですが、それぞれにより若干異なります。

  1. 腫瘍が2センチ以下、(画像上)リンパ節転移疑い⇒ステージⅡA
  2. 腫瘍が2センチを超える、(画像上)リンパ節転移無⇒ステージⅡA
  3. 腫瘍が2センチを超える、(画像上)リンパ節転移疑い⇒ステージⅡB

 

回答

「痛みがあることや、トリプルネガティブは、治療が難しいようで不安」
⇒トリプルネガティブは(治療の際にターゲットである)「ホルモン感受性」や「HER2遺伝子の増幅」が無いために通常の化学療法を行うこととなります。
 「化学療法の感受性があるタイプ」も多いので、(術前の化学療法が著効し)「手術前に(顕微鏡で見ても)腫瘍が消失」した場合(病理学的完全寛解と表現します)予後がいい事も解っていますので、まずは化学療法を頑張ってください。
 
※ただ、注意点としては「術前化学療法が効かない場合」は、迅速に「化学療法中止及び、手術への移行」を選択することになります。
 その意味で「術前化学療法は、気が抜けない」ものであることは留意が必要です。
 
「数日前より、空咳や、背中の痛みもあります。転移があるかは、検査の予約に空きがないため3週間後にCTの予定」
⇒それは大丈夫です。転移による症状ではありません。
 「痛み止め」など(必要なら)処方してもらいましょう。
 (私の経験から)ステージⅡ位の乳癌で、「遠隔転移」の可能性は殆どありません。
 CTで確認しておくべきではありますが、まず心配ありません。
 
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号とさせていただきました。
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管理番号:624「手術と抗がん剤について」