[管理番号:7157]
性別:女性
年齢:49歳
病名:浸潤性乳管がん
症状:乳頭分泌物・しこりなし
はじめまして。
乳がんの告知を受けてから、こちらで勉強させていただいております。
当初、わからないことだらけだったのですが、この場があったおかげで多くの迷いがなくなりました。
本当にありがとうございます。
本日、病理の結果説明があったのですが、今後の治療方針について悩むところがあり、ぜひ、ご相談させていただきたく存じます。
浸潤径が想定よりも大きく、主治医からは年齢も考えて抗がん剤を勧められました。
自身のサブタイプがルミナールAであることは確認済みです。
確かに、浸潤径からリスクがそう低くないという認識はありますが、効果が見込めない抗がん剤治療をするのも意味がないような気がします。
主治医には、上記理由から抗がん剤治療は気が進まないということを伝えてあり、主治医も、リスクを理解しているようなので意思を尊重すると言ってくれました。
そこで、質問させていただきます。
①抗がん剤治療は必要ないという判断は間違っていないでしょうか。
②主治医からはタモキシフェン単独を勧められましたが、49歳という年齢ではあるものの閉経前(定期的に月経あり)であること、浸潤径が大きいことからリュープリンを希望し、主治医にも了解いただきました。
この判断は間違っていないでしょうか。
【これまでの経緯】
●2018年9月下旬
血性の分泌物あり(濃い血の色)。
翌々日に近くの乳腺クリニックを受診。
マンモグラフィーとエコーの検査を受け、エコーにのみ最大径1.8cmの腫瘍が見つかる。
分泌物を採取し細胞診に出してもらい、造影剤MRIの予約を入れる。
●2018年10月上旬
造影剤MRI検査を受ける。
●2018年10月中旬
細胞診の結果はクラス2。
MRIの結果、血流動態から悪性が疑われる。
ばね式の組織診(3カ所)を受ける。
●2018年10月下旬
組織診の結果、がん細胞は見つからなかったので経過観察と言われる。
さすがに不安だったため、良性でもいいので手術を受けられる病院を紹介してほしいと言い、乳腺外科で有名な近くの病院に紹介状を書いてもらう。
●2018年11月中旬
紹介していただいた病院に行き、外科的生検・マンモトーム・経過観察の3択を与えられ、マンモトームを希望する。
クリニックからの標本も再度確認してもらったが、がん細胞を認められなかった。
●2018年12月上旬
マンモトーム検査の結果、がんの告知を受ける。
●2019年1月中旬
右乳房全摘手術を受ける。
同時再建せず。
●2019年2月上旬
病理の結果が出たので説明を受け、今後の治療方法を相談をする。
【術前】
診断名:浸潤性乳管がん
ER:80%陽性・PGR:70%陽性
HER2:陰性
Ki-67 8%
【術後】
診断名:浸潤性乳管がん
ER:陽性・PGR陽性
HER2:陰性
Ki-67 測定なし
悪性度 1
腫瘍径 75mm
浸潤径 40mm
波及度 脂肪
センチネルリンパ節 陰性
断端 陰性
ly1・v0
ノルバデックス(20mg)は、明日の朝から開始、リュープリンは恐らく1か月後のノルバデックスの影響を血液検査で確認してからの投与(6カ月製剤と聞いています)になると思われます。
私にとって、この選択が大きく間違っていないのか不安があります。
何卒、よろしくお願い申し上げます。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「①抗がん剤治療は必要ないという判断は間違っていないでしょうか。」
→その通り。
「この判断は間違っていないでしょうか。」
→当院なら…
タモキシフェン単独です。
質問者様から 【結果2 術後の治療方法について】
性別:女性
年齢:49歳
病名:浸潤性乳管がん
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]
先日は、早速のご回答ありがとうございました。
抗がん剤治療について「その通り」とのご回答をいただき、ほっとしております。
ホルモン療法につきましても、貴院ならタモキシフェン単独というご回答をいただき、ありがとうございました。
結果から先に申し上げますと、タモキシフェン単独となりました。
最初は、田澤先生のタモキシフェン単独とのご回答をいただいたのを受け、2回目の質問として1週間後に、田澤先生がそのようにご判断される理由をお伺いして参考にさせていただき、私自身も考えが変わるようなら、改めて主治医に相談するつもりでおりました。
その間、私なりにタモキシフェン単独とリュープリンをプラスすることについて、再度、考えておこうと思い、田澤先生にお返事をいただいてから、自分なりに下記のようにいろいろと考えてみました。
①定期的に月経があるとはいえ49歳であること。
②浸潤径は4cmでも、リンパ節転移はなくⅡaであること。
③浸潤径4cmに対して腫瘍径が7.5cm、手術の約1カ月前までしこりに触れなかったこと。
ところが本日、病院に行き診察室に呼ばれると、そこの乳がんセンターを率いておられるトップのドクターがおられたのです。今まで入院中、手術前後に様子を見に来てくださったことあったのですが、その先生の診察は初めてで驚いたものの、いい機会だと思い、ホルモン療法について相談をさせていただきました。
本来であれば、田澤先生のお考えを聞かせていただいてからのほうが心強かったのですが、いずれにしても先生のご判断は変わらないわけですし、私さえ納得していれば、タモキシフェン単独のお願いをさせていただいてもいいのかなと考えたからです。
その先生には「やれることはやったほうがいい」「副作用は幾らでも対策ができる」等々、わりと強めに言われましたが、私の考えを伝えさせていただき、最終的には「わかりました」と言っていただきました。
正直、本当によかったのか若干の不安はありましたが、先生も最後におかしそうに笑いながら「実際のところ(リュープリンを)しても、しなくても、あなたの運命が大きく変わることはないと思うよ」と言ってくださったので、今は、これでよかったのだと思っています。
しっかりと自分の判断で決められたことで、今後、どういう結果になっても後悔なく受け入れられると思います。
田澤先生がつくってくださったこの場がなければ、最初の抗がん剤を勧められた時点から、今とは違った結論を選んでいた、もしくはホルモン療法のみを選択していても、不安でいっぱいだったと思います。
田澤先生には、心から感謝申し上げます。
ありがとうございました。
<Q&A結果>