[管理番号:7081]
性別:女性
年齢:45歳
病名:乳がん
症状:
田澤先生、初めまして。
よろしくお願い致します。
12月(下旬)日にステージ1の乳がんと言われ、ショックと不安で本日まで過ごしてまいりました。
30歳から毎年検診を受け、両胸に多数の嚢胞、線維腺腫があり今回右胸の線維腺腫が大きくなり乳がんと診断されました。
12月(中旬)日に日帰り、局所麻酔でシコリのみの摘出手術を受けましたが、その際にあくまでも良性、悪性と疑いもせず、美容上よくないから取るからと。
あなたが取りたくなら取らなくてもいいよ。
と言われましが、私は見た目よりガンではないかと心配なので摘出をしてもらいました。
傷痕も小さくリンパの転移の検査もしていないと思います。
どのような手術になるなどの説明はありませんでした。
12月(下旬)日にガンと診断がでましたが、タイプがわからないから今は何もできない、シコリは綺麗に取れてるから、ステージは1今後は放射線治療でいいと思うと言われました。
摘出した際のシコリは3センチ弱あったような気がしますがなぜステージ1なのか、タイプもわからないのに治療法までその場で言えるのか、
あまりにも適当ではないかと不安でなりません。
質問させて下さい。
1.シコリのみの摘出手術を受け、間もなく一ヶ月になりまが、ガンが取りきれず散らばったり転移はしないのか?今後追加手術は必要になるのでしょうか?
2.摘出手術をした所が硬くシコリのようになっていて、キズから乳首にかけてズキズキと痛く皮膚も過敏になっていて下着が触れただけでもビリビリ痛みます。
その旨を相談した所、手術が原因ではない、診察してもロキソニンしか出せないと言われました。
手術が原因ではないのならこの痛みはいったいなんでしょうか?
ガン治療には前向きに頑張ろうと思っておりますが、原因不明の痛み、
ガン宣告をされて放ったらかしの状態で精神的にも弱くなってしまいました。
タイプの結果が出るまでこのまま放置でも大丈夫でしょうか?
田澤先生のご意見をお聞かせ下さい。
よろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「1.シコリのみの摘出手術を受け、間もなく一ヶ月になりまが、ガンが取りきれず散らばったり転移はしないのか?今後追加手術は必要になるのでしょうか?」
→病理結果次第ですが(マージンなど)
ただ、大原則はあくまでも(良性腫瘍としての)「局麻下、外科的生検」なのだから「再手術が安全」であることは間違いありません。
「手術が原因ではないのならこの痛みはいったいなんでしょうか?」
→術後の瘢痕や痛みだとは思います。
ただ、鎮痛剤で対応という意味ではその通りです。
「タイプの結果が出るまでこのまま放置でも大丈夫でしょうか?」
→サブタイプがでるまで待っても大差はないとは思いますが…
そもそもの(サブタイプ以外の)「癌であると診断された病理結果」は貰っていますか?
★再手術すべきか(上記コメントどおり)にはサブタイプは無関係なのですから。
質問者様から 【質問2 今後の治療】
性別:女性
年齢:45歳
病名:乳がん
症状:
先日はご回答いただき有り難うございました。
病理検査の結果が出ましたのでよろしくお願い致します。
トリプルネガティブ ステージ1
手術法 BP 23×20×13ミリ 腫瘍数 単発 大きさ 浸潤部20×20ミリ 乳管内進展 なし グレード 3 pT pt1c 浸潤範囲 g 浸潤様式 INFa 脈管侵襲 Ly0 v0 断端 negative リンパ節 郭清なし 腫瘍部標本 浸潤部1A~3J
すべて comments 大型異常上皮からなり壊死を伴った大型の充実性胞巣を密に作っている。
との結果でした。
良性腫瘍と言われシコリのみの摘出手術から病理検査までしていただいた病院から、自宅近くの病院に転院をし診察していただいたところ、リンパ節の転移もないし、大きめに手術をしてあるから再手術は必要なくこのまま温存で抗ガン剤治療と放射線治療で十分ではないかとのことでした。
来週(下旬)日、(下旬)日に全身の広がりと今後の資料となるCT、MRIを撮り、腫瘍内科の医師と面談の予定です。
私としては、センチネル生検もしていませんし、トリプルネガティブで少しでも再発を避けたいので再手術で全摘希望でした。
田澤のご意見をお聞かせ下さい。
この検査結果でしたら田澤先生はどのような診断をされますか?
再手術は必要ありませんか?
もし再手術するには一ヶ月待ちになるそうです。
転院先の医師の言うとおり、このまま温存をし、少しでも早く抗ガン剤治療を始めた方がよろしいですか?
トリプルネガティブだけに再発、転移を考えると手術はとても重要な事と思っております。
よろしくお願い致します。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「私としては、センチネル生検もしていませんし、トリプルネガティブで少しでも再発を避けたいので再手術で全摘希望でした。」
「田澤のご意見をお聞かせ下さい。」
→それが標準治療であり、患者さん本人がそれを希望するのであれば、それを医師側が否定することはあってはいけないことです。(全摘か再温存かは患者さんの選択ですが)
「再手術は必要ありませんか?」
→「必要かどうか?」は誰にも解らないことです。(ただし、「絶対にそうしないと駄目」というわけではなさそうですが…)
再手術が「標準治療」だということは間違いありません。(センチネルリンパ節生検も含めて)
「転院先の医師の言うとおり、このまま温存をし、少しでも早く抗ガン剤治療を始めた方がよろしいですか?」
→違います。
標準治療は再手術です。
抗がん剤はあくまでも「術後補助療法」です。(急ぐ必要はありません)
質問者様から 【質問3 抗ガン剤治療】
性別:女性
年齢:45歳
病名:
症状:
前回の質問の際に(先生)の文字が消えてしまっていたようで大変失礼致しました。
検査結果が出ましたので田澤先生のご意見をお聞かせ下さい。
転院先でのMRI、CTの結果、転移などはなく異常なしとの事でした。
外科的生検をした周辺の痛みがとれず、右脇リンパの腫れなども気になっていたので安心したのですが、最初の病院で検査したプレパラートを
再検査してもらったところ、がんの広がりが乳腺→脂肪までと変わり、
断端は(-)ですが近い所1ミリと診断が変わりました。
この結果はあまり気にする事ではないとの事で、やはり再手術の必要はなく、できるだけ早く抗ガン剤治療をするべきとのお話しでした。
今後の抗ガン剤治療の副作用の事も考えて30分以内で通える病院に転院を勧められました。
(片道1時間半かかります)
抗ガン剤はファルモルビシン+エンドキサン、ドタキセルorパクリタキセルの予定です。
副作用は個人差があるが万が一の事を考えた方がよいと言われ、それほど強い副作用があるのであれば実家の近くで受けたほうがよいのではないかとも思っております。
しかし、新たに転院先を探すことにより、診察もかなり先になりいつまでも治療ができない状態になるもの不安でなりません。
そして、外科的生検だけの手術で、今後局所再発、転移などを考えると、このまま再手術をせず抗ガン剤と放射線治療で本当によいのか…と先に進めずどうしたらよいかわかりません。
田澤先生でしたらどのような判断、治療をされますか。
やはり、副作用の事も考えて近い所を探すべきでしょうか。
実家は○○県です。
田澤先生の前勤務先である、東北大学病院、公済病院はかなり混んでいると聞いておりますが、紹介状を持参しても診察~治療開始までかなり延びてしまうのでしょうか。
(両親はどちらかで診ていただいたほうがよいのではないかと言っておりました)
できることなら田澤先生に診察していただきたいです。
診察を受け、必要ならば手術もしていただき、その後の治療もお願いしたいのですが、江戸川病院までは片道2時間位かかってしまいます。
抗ガン剤の副作用の件も含めやはり通院は無理でしょうか。
いつも同じような質問で申し訳ありません。
宜しくお願い致します。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
私の回答には何ら変更はありません。
(再手術を希望しているのに)「それを突っぱねて、抗がん剤を急ぐ理由」が、私には全く理解できない。
「必要ならば手術もしていただき」
→前回、回答したとおり、それ(再手術が必要なのかどうか?)は診察して判明することではないのです。
あくまでも、標準療法なのだから「質問者自身が希望すれば、(医師側が)反対すべきことではない」のです。
「その後の治療もお願いしたいのですが、江戸川病院までは片道2時間位かかってしまいます。」
「抗ガン剤の副作用の件も含めやはり通院は無理でしょうか。」
→昔から多い質問で、何回か今週のコラムでも取り上げています。