[管理番号:6917]
性別:女性
年齢:44歳
病名:
症状:乳頭分泌 多孔性 腫瘤
いつもHPを拝見させていただいています。
お忙しいところ申し訳ありませんがよろしくお願いします。
多孔性ですが1つより茶色の分泌があります。
拡大している乳管の中に5mmほどの腫瘤があると言われています。
現在MRIの結果待ちですが、心配でたまりません。
MRIではっきりしたことがわからなかった場合、生検えお受けた方がいいんでしょうか?主治医は乳管切除してみないとはっきりしたことはわからないと仰っていました。
本当にそうなのでしょうか?
またそこの病院は乳管造影を行なっていません。
行なっている病院に転院すべきでしょうか?
どうぞよろしくお願いします
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
物事はシンプルに考えましょう。
MRIに診断的意味はありません。(MRIはただの画像診断であり、質的診断としては超音波と大差ありません)
と、いうことで(MRIの結果がどうあれ)、質問者の選択肢は2つあります。
1.(エコーで写る)その5mmの腫瘍「だけ」を「針生検で診断する」
2.(分泌している)乳管を「手術的に摘出して診断する」
★分泌のある乳管には(その5mmの腫瘍だけでなく)「(もっと小さい)複数の腫瘍が存在している可能性があります。(実際に手術すると「複数存在する」方が寧ろ、多数派です)
その意味では2が理想的だとは思いますが、その手術(乳管腺葉区域切除)を乳管造影ができない医師に任せるのは無謀です。
ご参考に。
質問者様から 【質問2 乳管内乳頭腫の疑い】
性別:女性
年齢:44歳
病名:乳管内乳頭腫の疑い
症状:血性分泌 腫瘍
先日はお忙しい中、返信を頂きありがとうございました。
自分がお聞きたかったことをうまくお伺いできていなかった点があり申し訳ありませんが再度質問させて頂きます。
9月下旬に、生理二週間前ほどでかなり胸が張っている感じがして乳首に触れると乳管より分泌があるのを見つけ、翌日乳腺外科に行きました。
それ以前より透明の分泌は何年も前からありました。
子供の卒乳は6年ほど前です。
診察後、乳腺の拡大が見られその中に5mmの腫瘍があることから、乳管内乳頭腫であるか、もしくは、癌の可能性があると言われました。
その病院に紹介状を書いてもらい、がんに特化された病院に転院しました。
先生の他の方への回答などから、多孔性である場合は心配することはないというお言葉を元に転院後の先生に多孔性であるということをお話ししましたが、ただ乳腺の中に怪しい影がある。
MRIを撮ってそのあと乳管腺葉区域切除に進む予定です。
とだけ言われました。
前回にも質問させて頂いた通り乳管造影も行われていない病院で不安になっています。
①多孔性であっても乳腺に腫瘍がある場合は心配しなければいけませんか?
左側から透明の分泌 一か所 右側から透明・茶色の分泌 各一か所ずつ
②乳管造影を行っている病院が関西では見つけることができません。
乳管内視鏡検査ならば行っている病院を見つけることができました。
乳管内視鏡検査は乳管造影の検査に代わる検査でしょうか?もしくは他の検査であっても乳管造影の検査の代わりになるような検査はあるのでしょうか?
③多孔性であるが腫瘍がある場合も乳管造影を行い乳管腺葉区域切除をすべきでしょうか。
先日の返答の際、先生が複数の腫瘍が存在している場合が多いとありましたが、それから癌が発生する可能性があるということでしょうか?
度々本当に申し訳ありませんが、宜しくお願いします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「①多孔性であっても乳腺に腫瘍がある場合は心配しなければいけませんか?」
→厳密に言うと以下の2つの可能性があります。
1.たまたま「乳管内病変が原因である分泌(右茶色)」と「どうでもいい分泌(左右1か所ずつ透明)」が併存しているケース
2.今回の(エコーで見える)腫瘍は「分泌とは無関係」で「全て(左右透明と右茶色)の分泌」がどうでもいい分泌である」ケース
★つまり、その(エコーで見える)腫瘍が分泌が原因なのかは「乳管造影しないと解らない」わけです。(乳管造影して、その所見と部位が「エコーで見える腫瘍と一致」するかどうか確認するわけです)
「乳管内視鏡検査は乳管造影の検査に代わる検査でしょうか?」
→違います。
乳管内視鏡は「一部しか見れない」ので病変(乳管)全体を評価することはできない(基本的に、一番大きなしこりしか確認できません)
「もしくは他の検査であっても乳管造影の検査の代わりになるような検査はあるのでしょうか?」
→ありません。
「③多孔性であるが腫瘍がある場合も乳管造影を行い乳管腺葉区域切除をすべきでしょうか。」
→①の回答に書いたように…
結果として1であれば、乳管腺葉区域切除の適応となるのです。(1なのか2なのかは乳管造影しなくては解りません)
「先日の返答の際、先生が複数の腫瘍が存在している場合が多いとありましたが、それから癌が発生する可能性があるということでしょうか?」
→乳管内乳頭腫は「それ自体」は良性ですが、その腫瘍が存在している乳管には「現在もしくは将来」同様の増殖性病変(乳管内乳頭腫もしくは癌)ができやすいことが解っています。(現在多発していなくても、将来的には「同じ乳管に多発する可能性がある」ということです)