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Her2 陽性 治療方針について

[管理番号:6703]
性別:女性
年齢:62歳

いつも大変参考にさせていただきだいています。
ありがとうこざいます。

母62歳の乳がんについて質問させてください。

以下経過です。

・3月下旬 自分の触診で右胸にしこりを確認。

・4/(上旬) 人間ドッグを受けているクリニックにて、MRIと生検実施。
MRIでは長径2.6センチ、リンパ節転移無いだろう、とのこと。
クリニックでの手術ができない癌だと言われたため大学病院に紹介状を書いてもらう。

・4/(中旬) 大学病院受診。

右乳房AB領域 浸潤性乳管癌(微小乳頭がん)、ステージ2A、ホルモン
陰性 HER2陽性、Ki67 58% 腫瘍径2センチ前後
術前化学療法を行い、その後手術、ハーセプチンを勧められる。
(医師からの説明 – 術前化学療法のメリット:再発時に薬の効果等、情報が多いということ)
手術は全摘を希望しました。

娘結節2個あり。

左胸にもしこりがあるが前年以前に生検にて良性とのことで様子をみる。

術前化学療法は車で1時間以上かかる大学病院ではなく、近場の病院に転院するようにすすめられ、紹介状を書いてもらう。

・4/(下旬) PET検査 4/(下旬)検査結果報告 転移なし。

この後、術前化学療法をする病院の初診まで、GWを挟み、ただただ待たされていました。
母はしこりが大きくなることを感じながら不安で仕方なかったと思います。

・5/(上旬) 化学療法をうける病院にて初診、5/11血液検査 CEA13、腫瘍の大きさ2.5cm
手術先行を選ばなかったことが本当に良かったのか、治療をすぐ始められなかったことを悔やみ、不安な日々を過ごしていました。

・5/(中旬) AC療法開始 血液検査にてCEA13と高値だったため、主治医は手術先行でなくて良かった、全身に回ってしまっているかもしれない癌を打てるので、早く化学療法を始められてよかったと言われました。

CEAが高いため化学療法で良かったと言われても、正直喜べませんでした(初動が遅く転院続きだったため転移したのでは?決して早く治療が始められたとの実感はなく不安で仕方ありませんでした)

現在AC療法4回終了し、パクリキタセル12回+ハーセプチン4回(3週に一回)の1回目終了済です。

AC療法の効果を見るため、8/6画像判断としてPET-CT、MRI、心電図を行いました。

以下、PET-CT結果です。

明らかな転移を疑う異常集積なし。

同時施工のCTにて肺に転移疑う像なし。

胆嚢結石あり。

以下、MRI結果です。

右乳腺B領域の腫瘤はやや縮小。
2.5x1.7x2.3cm大→1.8×1.4×1.4cm大
腫瘤の周囲に径6mmまでの娘結節 疑い2か所は大きな変化なし。

明らかな乳管内進展なし。

左乳腺AC領域の径11mmの小腫瘤もやや縮小

実は6月頃から右胸下が痛く背中も痛いため骨転移だと母は確信し落ち込んでいましたが、今回胆管結石と分かり、これが原因だったのかと腑に落ちました。
(転移に関して母は楽観はしていませんが。)

気にしていたCEAですが、
5/(中旬) 13 → 7/(下旬) 7.5 → 8/(中旬) 11
まだ高値で推移しておりますが、あまり気にするなと言われています。

CA15-3は、
5/(上旬) 8.5 → 8/(中旬)診察時には検査中、とでておりわからないが、変化ないでしょう、と言われました。

その他指摘事項として、HbA1c が毎回 6~7とやや高めでした。

術後はハーセプチン9ヶ月の予定です。

以下、質問です。

1. AC療法は十分な効果があったと思われますか?

2. HER2陽性のため今後の治療が本番と言われています。
どのように治療効果を判定してもらうのが良いでしょうか。
過去のQ&Aでパクリ6回後の評価、と目にしたのですが、母にも当てはまりますか。

3. もし、パクリ、ハーセプチンが効かない場合はすぐに手術に切り替えた方が良いでしょうか。
それにはどれくらい休薬期間が必要ですか。

4. 胆管結石は既に痛みがあるため、発作が起こるのでは、と不安です。

右胸全摘時11月頃に胆嚢摘出も視野に入れるべきでしょうか。
またはそれより早く何らかの処置をしておくべきでしょうか。

5. 左胸のしこりは化学療法で小さくなったということは、悪性の可能性もあるということだと思っていますが、今後どのような検査をするのがよいでしょうか。
(主治医は今の所は経過観察と言っています。)

6. 娘結節というものはなぜできたものでしょうか。
親?腫瘍と同じ性質なのでしょうか。
今回のAC療法では縮小がみられなかったため悪性ではない可能性またはACが効かなかった?こともあるのでしょうか。

7. CEAが高値で推移しているのは、転移以外の原因が考えられますか。

8. 転院に時間を要し治療選択も本当にこれで良かったのか、と今でも悔やまれることはいくつもあります。
ただ、希望を持ち治療に励んでもらいたいと思いますが、田澤先生はこの微小乳頭がん、her2陽性、ki67
58%、腫瘍の大きさ等からしても現在の治療方針で希望を持っても良いと思われますか。
(どの病院の医師も聞かない限りあまり詳しく説明をしてくれず、大丈夫、というのみです。
あまり良いタイプの癌ではないとは思いますが、今しっかり治療するべきことはしておき、前向きになりたいところです。)

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

まず第1日コメントしなくてはならないのは、私は「小さくして温存」以外の目的で(無駄に)術前化学療法をすることに賛成はしないということです。
その点、それらの医師達と考え方が異なるので、私の意見は参考程度とした方がいいかもしれません。

「1. AC療法は十分な効果があったと思われますか?」
→?
 何のための効果?
 全摘するのであれば、腫瘍が縮小したからといっても(手術には)何ら影響(効果)はありません。

 本来「化学療法は、予後改善=再発予防のために行うもの」です。
 その意味では、(抗がん剤を行ったら)「目に見える腫瘍は小さくなって当たり前」なので、それが「予後改善にどの程度、影響があるのか?」は未知数です。

「どのように治療効果を判定してもらうのが良いでしょうか。」
→術前抗がん剤の最大の問題は(抗がん剤が効果が無い時に)「手術不能に追い込まれる(局所の増大により)」リスクです。

 そのためには、3週間に1回程度は主治医自らエコーしてもらい、「悪くはなっていない=抗がん剤を安全に継続できる」ことを確認してもらいましょう。

「もし、パクリ、ハーセプチンが効かない場合はすぐに手術に切り替えた方が良いでしょうか。」
→勿論(上記通りです)

「それにはどれくらい休薬期間が必要ですか。」
→単純に考えましょう。

 抗がん剤の投与間隔は「体が抗がん剤が(再び)可能となるまでに回復するまでの間隔」なのです。
 つまり3週に1回の抗がん剤ならば、(最後の抗がん剤から)3週間以上空けるように、毎週投与のパクリタキセルからは1週間以上空ければいいのです。

「右胸全摘時11月頃に胆嚢摘出も視野に入れるべきでしょうか。」
→癌の治療が優先です。
 ただし発作や強い炎症が起きたら、その限りではありません。

「左胸のしこりは化学療法で小さくなったということは、悪性の可能性もあるということだと思っていますが、今後どのような検査をするのがよいでしょうか。」
→当然、組織検査すべきです。

「娘結節というものはなぜできたものでしょうか。親?腫瘍と同じ性質なのでしょうか。」
→乳管内を腫瘍細胞が進展して、その部位に「しこりを形成」したのです。
 当然、同じ性質です。

「CEAが高値で推移しているのは、転移以外の原因が考えられますか。」
→画像で転移所見がないのだから、(転移ではない)「高CEA血症(もともと、CEAが高い人はいます。 喫煙者だと10位はよくあることです。非喫煙者にも「受動喫煙も含めて」もともとCEAが高い人はいます)」の可能性が高そうです。
 ただし、CEAは乳癌以外(特に胃がん、大腸がんや肺がん)でも上昇するので、「消化管の精査(胃カメラや大腸カメラ)」で確認すべきでしょう。

「微小乳頭がん、her2陽性、ki67 58%、腫瘍の大きさ等からしても現在の治療方針で希望を持っても良いと思われますか。」
→(術前化学療法という治療方針には賛成しませんが) あくまでも早期乳癌なのだから普通に治療「手術+抗HER2療法」すればいいのです。

「あまり良いタイプの癌ではないとは思います」
→まず、この認識を改めることが必要です。

 単純に「HER2陽性」だから、「抗HER2療法が有効」なので(術前にしろ、術後にしろ)「抗HER2療法を行う」べきなのです。
 物事はシンプルに考えましょう。

 
 

 

質問者様から 【質問2 Her2陽性 治療方針について】

性別:女性
年齢:母親の年齢62歳
病名:乳がん
症状:Her2陽性 術前化学療法後、手術待ち

田澤先生こんにちは。

右側乳がんHER2陽性で術前化学療法を終えた母について再質問です。

全摘か温存か等で悩んでおりアドバイスをいただけますと幸いです。

AC療法後、パクリキタセル週一x12回とハーセプチン療法3週に一度x4回終了しました。

こちらのサイトに早く出会っていれば術前抗がん剤を選ばなかったのですが・・・抗がん剤・ハーセプチンが効いてくれたようで一先ずは安心しております。

術前化学療法にて、右胸MRIでは瘢痕が確認できる程度、PETでも光ってなかったようです。

また、前回も質問させていただいた左胸のしこりですが、AC療法後に縮小していたため、針生検をしてもらいました。

結果悪い物はなかった、との説明を受けたのですが、パクリ終了後の左胸MRIでは『11ミリの小腫瘤も縮小し造影効果がほとんど認められなかった』という結果でした。

主治医は、左のしこりは悪い物ではないだろうけど、取り除いて、左右温存し、同時に左右放射線治療をしてはどうか、と提案しています。

当初、母は放射線治療は面倒ですし、胸に未練はなく全摘希望(にもかかわらず、術前化学療法を勧められるまま行ってしまいましたが…)でした。

ここにきて、まさか左のしこりも怪しいのでとってしまい、悪性と確定していないのに左にも放射線治療をする提案にとまどっています。

質問です。

1.左乳房のしこりを切除し病理検査すべきだとは思っていますが、針生検では悪性とならなくても抗がん剤で縮小するということは癌細胞があるということでほぼ間違いないのでしょうか。

2.左胸放射線治療は今の時点で行うことを決めなければならないのでしょうか。

3.左乳房も乳がんの場合、右とは違う性質のこともありますか?
その場合、ホルモン治療の追加も可能性として考えておいた方が良いでしょうか。

4.元々は全摘希望でしたし、いっそのこと両側全摘という選択肢は無謀でしょうか?

5.CEAは2くらいで落ち着いています。
当初10から13で推移していたため高CEA血症かも?とご教示いただきましたが、ただ単によく反応していただけ、と考えてよいでしょうか。
高いことで色々不安になりましたが、低値になっても他の人よりも転移しやすいのでは?と不安になります。

6.(手術先行ではないため参考程度にとおっしゃるかもしれませんが)
田澤先生ならどのような治療方針をされますか。

よろしくお願いします。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「主治医は、左のしこりは悪い物ではないだろうけど、取り除いて、左右温存し、同時に左右放射線治療をしてはどうか、と提案」
→?
 問題外。
 「悪いものではない」のであれば、(癌にしか適応がない)放射線は適応はありません。(しこりを摘出することは構いませんが)
 それよりも、問題なのは、その(大学病院の医師が行った)「針生検の結果が信頼できるのか?」ということでしょう。(針生検の結果に自信を持っていない「実は癌では?」と自分自身疑っているようにも感じます)

「悪性と確定していないのに左にも放射線治療をする提案にとまどっています。」
→上記コメントどおり。

「針生検では悪性とならなくても抗がん剤で縮小するということは、癌細胞があるということでほぼ間違いないのでしょうか。」
→馬鹿げている(失礼しました)

 (本当は癌なのに)「針生検で外してしまう」ような医療は行ってはいけません。
(組織診は100%でなくてはならないのです)

「2.左胸放射線治療は今の時点で行うことを決めなければならないのでしょうか。」
→違います。

「3.左乳房も乳がんの場合」
→針生検で「乳癌ではなかった」のだから、余計なことを考えるのは止めましょう。

「4.元々は全摘希望でしたし、いっそのこと両側全摘という選択肢は無謀でしょうか?」
→「癌という診断」もついていないのに考えることではありません。

「田澤先生ならどのような治療方針をされますか。」
→左のことですか?

 私は、自分自身が行った組織診の結果を疑うことはありません。(つまり、良性ならば治療は不要です)