[管理番号:6358]
性別:女性
年齢:36歳
こんにちは。
私は2年前に非浸潤ガンが見つかり、温存手術、リンパ転移なしにて放射線治療をし、現在無治療となっています。
先日術部側のまだ硬い部分の皮膚にできもの(にきびのような皮膚表面にあるようなもの)ができ、
局所再発が心配になりました。
そこでこちらのQ&Aを色々見させていただき、
皮膚再発をどうとらえていいのか、自己検診にて注意するべき点がわからなくなり、
無駄な心配を増やさない為にも正しい知識を先生にご教授頂きたく投稿致しました。
過去のQ&Aを見る限り、皮膚再発の種類は2種類あるのかと思っています。
ひとつは手術時に乳腺が取り残され、そこからガンが大きくなり浸潤し、しこりが皮膚上からも触れられる大きさになる。
この場合、皮膚上ではおできや粉瘤のようなもの。
(これより小さくても触知しますか?)
もうひとつは皮膚上に直接浸潤?、これは赤く湿疹やにきびのようなものがぽつぽつできる。
この場合、赤くないものや硬くないものは気にしない?これも取り残しなのか、または新たな再発なのか?
どちらも硬い。
この理解であっているのでしょうか?それともこの2つは同じものですか?
また私のような非浸潤、温存後の自己検診では、皮膚に直接浸潤するとはあまり考えられないのではと思っています。
その場合はニキビのようなできものは気にせず、おできのようなサイズのもののみ気にするべきでしょうか?
それとも両方きにとめておくべきでしょうか?
また温存後の術部はまだ術後数年のため、触感も硬く脂肪もまだあまり戻っていません。
その時にしこりが見つかる場合、脂肪が少ないので皮膚上にでやすく、自己検診で見つかりやすいのでしょうか?
精神的にも少し落ち着いてきたと思っていたところ、まだ少しの変化で大きく動揺してしまいます。
信頼している先生から正確な知識をみにつけていきたいです。
宜しくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「この理解であっているのでしょうか?それともこの2つは同じものですか?」
⇒質問者が言おうとしているのは、おそらく「胸壁再発」と「皮膚再発」の違いのことなのでしょう。
1.胸壁再発
質問者の言う様に「手術時に乳腺が取り残され、そこからガンが大きくなり浸潤し、しこりが皮膚上からも触れられる大きさになる」ものです。
これは「皮膚再発」ではなく「胸壁再発」と言います。
この場合は「皮膚に複数現れる」ことはなく、通常『単発』であり、しかも(皮膚表面にできるというのではなく)あくまでも(そもそも)皮膚の裏側にできたものが、成長して皮膚表面にあらわれるため、(皮膚というより)『皮下に根っこ』がある
2.皮膚再発
これは、(胸壁再発とは異なり)取り残した癌が皮膚面に出てくるのであはなく、
『もともと皮下のリンパ管?内に拡がっていた癌細胞』が、出てくるので、通常(単発ではなく)『複数』となるのです。
これが質問者のいう「皮膚上に直接浸潤?、これは赤く湿疹やにきびのようなものがぽつぽつできる。」ものです。
典型的な例としては
初診時に皮膚に広範囲に拡がった(赤みや浮腫)状況⇒「術前抗がん剤」をして(皮膚の赤みが取れたので)手術ををした場合。
もともと「皮下リンパ管に広範囲に拡がっていた癌細胞」が(大部分は術前抗がん剤で消失して肉眼的には無くなったように見えても)皮下に生き残っていたものが、(術前抗がん剤などによる抑性効果が切れた時に)出現するものです。
「また私のような非浸潤、温存後の自己検診では、皮膚に直接浸潤するとはあまり考えられない」
「その場合はニキビのようなできものは気にせず、おできのようなサイズのもののみ気にするべきでしょうか?」
⇒その通りです。
上記1は(手術によっては)可能性はありますが、上記2の可能性はありません。
(非浸潤癌なのに、最初から皮膚に潜んでいることは無い筈だからです)
「脂肪が少ないので皮膚上にでやすく、自己検診で見つかりやすいのでしょうか?」
⇒その通りです。