[管理番号:5973]
性別:女性
年齢:34歳
田澤先生、はじめまして、よろしくお願いします。
左胸のしこりに気付き受診。
初診のエコーで1.5センチ、2週間後のMRI で1.8センチでしたが、更に2週間後に受けた全摘手術の後の病理では結果的に3センチでした。
また術前の画像診断ではリンパ節転移は無かったので、センチネルをしたところ陽性だった為、リンパ節郭清を行ったそうなのですがレベル1のみしか採っていないのです。
1/8なのでセンチネルのみ転移があった状態です。
本当はレベル2まで採るのでは?と思っています。
レベル1に転移は無いがレベル2には転移している、という可能性はあるものなのでしょうか?
サブタイプがER、PgR共に90%以上、HER2 3+のトリプルポジティブです。
術後科学療法としてEC 4回、アブラキサン4回+ハーセプチン、ハーセプチン1年?、ホルモン療法と言われました。
現在EC は投薬が始まっています。
ブログ等を見てもトリポジでアブラキサンの人が見つからないのですが、治療方法としてはいかがなものなのでしょうか?先生でしたらどの様な薬剤を使用しますか?
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「初診のエコーで1.5センチ、2週間後のMRI で1.8センチでしたが、更に2週間後に受けた全摘手術の後の病理では結果的に3センチ」
⇒質問者は、「腫瘍の成長?」と捉えている節がありますが…
それは1000%違います。
事実は
1.エコーとMRIでの大きさが違うのは「寧ろ当然(稀に一致することもありますが、100%一致するとしたら、そもそもMRIを撮影する意味が無いと思いませんか?)」です。 MRIの拡がり診断では通常(エコーで見えない)拡がりが写るのです。(そのためにMRIを撮影するわけですから)
2.(手術)病理とMRIの大きさが違うのも「無理そ当然(稀に一致する事もあることは上記と同様)」だから、「(部分切除する場合には)2cmマージンをつける」のです。 画像診断通りなら「マージンは要らない」そうですよね??
「レベル1に転移は無いがレベル2には転移している、という可能性はあるものなのでしょうか?」
⇒ありません。
「アブラキサンの人が見つからないのですが、治療方法としてはいかがなものなのでしょうか?」
⇒(ネットで)添付文章をよく読んでください。
『「補助化学療法における有効性及び安全性は確立されていない」とされているのに、(paclitaxelやdocetaxelと同じ感覚で)アブラキサンを使用することは「誤り」』です。
「先生でしたらどの様な薬剤を使用しますか?」
⇒普通のタキサン(paclitaxelもしくはdocetaxel)です。