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ガンのしこりの成長

[管理番号:5765]
性別:女性
年齢:42歳
現在、画像検査で乳がんの疑い濃厚で針生検などを控えています。
たた、皮膚近くにあるしこりがさらに硬く、皮膚に赤みも出てきて、しこり部分の影も容易に発見出来るようになっています。
ガンの成長が早いのでは、と不安です。
今年10月に硬いしこりを見つけて11月初めに近くの産婦人科に行きました。
マンモグラフィなどの設備がないとの事で、総合病院の乳腺科の予約と紹介状をもらいました。
先週ようやく予約日が来て、マンモとエコー、視触診をしてもらいました。
結果は、さらに詳しい検査が必要で、来週造影剤を使ってのCTと局所麻酔をしての針生検が予定されています。
先生に「悪いものの可能性が高いでしょうか」と訊ねると「可能性は高い」とのお答えでした。
結果は12月の2週目に聞きにいきます。
出来れば家族の方も一緒に、と言われています。
しこりですが、肌に近いところにあり、前かがみになると少し影ができていました。
2年前まで授乳していましたが、よくしこりになってマッサージなどしていた右胸にあります。
断乳後たびたびしこりに気がついても、またあるな、くらいに思っていました。
昨年1月と今年3月にそれぞれ別病院で乳がん検診(マンモ)を受けています。
昨年は両石灰化・高濃度乳腺で経過観察(年1回の検診をおすすめします)で、今年は異常なしでした。
安心していて、いつから硬いしこりが出来ていたのかわかりません。
しこりが成長していると感じたり、肌に赤みが出てきたのはガンが進行しているからでしょうか?
ただ気にして触ったり意識しているせいでしょうか?
検査を待っている間に手遅れになったりしませんか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「しこりが成長していると感じたり、肌に赤みが出てきたのはガンが進行しているからでしょうか?」
⇒癌とは、(一般論として)進行性であることに議論の余地はありません。
 ただし、質問者の場合には「進行が(通常より)著しい」というよりは「皮膚に近いから、そのように感じ易い」ようです。
「気にして触ったり意識しているせいでしょうか?」
⇒「触る(もしくは、マッサージする)」のは、絶対に止めましょう。
「検査を待っている間に手遅れになったりしませんか?」
⇒それはありません。
 主治医は「そのこと」も十分に考慮に入れて、検査日程を組むからです。(本当に「これはヤバい!」と思ったら、何とかする筈なのです)
 主治医を信じましょう。
 
 

 

質問者様から 【質問2 しこりと乳房内の広がり】

性別:女性
年齢:42歳
田澤先生、こんにちは。
前回の質問では、お忙しい中とても早く回答を頂いて、独りで悩んでいた不安な気持ちが軽くなりました。
このような場を設けて頂いて本当にありがとうございます。
先日、造影CTと針生検の結果が出ました。
右浸潤性乳管ガン
しこりの大きさ1.9cm
乳房内に広がりがありいくつか腫瘍を形成している
他臓器への遠隔転移なし
腋のリンパ節への転移は、細胞診では陰性でしたが、造影CTの画像からは「いくつかあってもおかしくない」そうです。
ER +2%
PgR ++5%
HER2 –
悪性度 グレート3
ki67は調べていない
ステージ1のルミナルbタイプ
年明け5日に乳房切除術とセンチネルリンパ節生検の予定です。
術後は、抗がん剤3~6ヶ月・ホルモン治療5年~10年・場合によって放射線もありうる。
と言われました。
告知当日はステージが低かった事にホッとしていたのですが、家に戻ると色々不安になってきてしまいました。
田澤先生にまた質問させてください。
しこりは1.9cmですが、乳房内に広がりがあるため乳房切除術。
という理解で良いですか?
それほど乳房内に広がりがあるのに、ステージは1なのでしょうか?
今年3月に別病院で受けたマンモについて、「しこりがちょうど乳腺高濃度の部分に出来ているため小さいと見つけにくい。
その後9ヶ月の間に急速に大きくなってきた可能性は十分ある」と言われました。
その話とグレード3ということにすごく不安を感じます。
検査結果が出た時点で1番早い手術枠を仮予約してくれていたようで主治医には感謝していますが、あまり時間の余裕がないガンだからでは?と思って怖いです。
今では硬いしこり以外にも小さいしこりにいくつか触れます。
新たなしこりについて、主治医には「1~2週間ではどうこうなりませんよ」(つまり気にしすぎ)と言われましたが…
仮に進行がとても早い乳がんだとして、2週間で目に見えて大きくなったり転移が広がる、ということは考えられますか?
ホルモン治療が効きにくいタイプのようで不安です。
手術で目に見える腫瘍を取ってしまってからは、どのように抗がん剤の種類を決めたり効果を調べるのでしょうか?
主治医に、根治できますか?と質問したところ「根治目指して治療していきましょう」ということでした。
医師ははっきり「根治できます」とは言わないものですか?
長々とすみません。
よろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
早期癌の患者さんに(ルーティン?として)CTを撮ることは間違いです。
もう少し(被爆の事を頭にいれて)「本当に必要か?」と考えるべきです。(質問者に言う話ではありませんが)
「腋のリンパ節への転移は、細胞診では陰性でしたが、造影CTの画像からは「いくつかあってもおかしくない」そうです。」
⇒何だ、そりゃ??(正直な感想)
 自分がおこなった「腋窩細胞診に信頼を置いていない」ということ??(だったら、最初から細胞診するのは「無駄」だから止めましょう)これも質問者へのコメントではありません。
「 しこりは1.9cmですが、乳房内に広がりがあるため乳房切除術。という理解で良いですか?」
⇒そのようです。
 術式(全摘か温存か?)は純粋に「乳腺内の病変の拡がり」で判断します。
「それほど乳房内に広がりがあるのに、ステージは1なのでしょうか?」
⇒(しこりの1.9cm)以外は「非浸潤癌の拡がりを想定」しているのでしょう(あくまでも浸潤径でステージは決まります)
「グレード3ということにすごく不安を感じます。」
⇒グレード3はどうでもいいことです(あくまでも参考程度)
「仮に進行がとても早い乳がんだとして」
⇒??
 そもそも、この前提に無理があります。(冷静になりましょう)
「2週間で目に見えて大きくなったり転移が広がる、ということは考えられますか?」
⇒考え過ぎです。
 2週間は決して長い「待ち」ではありません。
「どのように抗がん剤の種類を決めたり」
⇒薬剤には「適応」があります。
 術前術後に使用できる薬剤は「アンスラサイクリン」と「タキサン」しかないのです。
 通常は「TC」を用いることになるでしょう。
「効果を調べるのでしょうか?」
⇒「再発予防に効果判定」など(そもそも)存在しません。
 
  ☆再発予防効果が「期待できる」から、「それを信じて」行う。ただそれだけなのです。