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ステレオガイド下マンモトーム生検が中止になりました

[管理番号:5498]
性別:女性
年齢:36歳
はじめまして。
お世話になります。
今年8月に市の検診ではじめてマンモグラィーを受け、石灰化カテゴリー3で要精密検査になりました
市の病院で再検査を進めたところ、
(触診、エコー、細胞診(検体不適合))
ステレオガイド下マンモトーム生検を受けることになりました。
担当の先生は胸が薄いのと、石灰化の位置の問題で中止になる可能性があるかもしれないとのこと。
(石灰化は上3分の一ぐらいに派手に沢山ある感じで具体的にどこを狙っているのかはわかりませんでした。)
そして当日、やはり中止になりました。
挟んでみてやはり胸の厚みが確保できない。
命の危険性はないが皮膚を損傷するかもしれない。
胸の厚みは3cmギリギリぐらい
吸引、回転する際に皮膚を引きこむ?えぐる?かもやってみたら出来るかもしれないが…
とのことでした。
先生が自信のないような感じに見えたのと、
皮膚の損傷というのがどの程度なのかが
全く想像つかず中止になりました。
最悪皮膚損傷があったとしても、技術的に不信感を抱いてしまったのでその結果を信じきることが出来ないというのもあります。
①田澤先生が今まで行われた
ステレオガイド下マンモトーム生検で
そのような皮膚損傷などはありましたでしょうか?
②田澤先生は、石灰化を枠内に収めるため胸が薄い場合は生食で持ち上げる、というような手法も取られていますが
それを今回のようなケースでも適用することによって、
安全に検査を進めることが出来るのでしょうか?
これが悪性のものでも経過観察したからといって取り返しのつかないことになることはない、
ということで経過観察を勧められています。
次回は2ヶ月後(初回マンモグラフィからは3カ月)ということなのですが
そんな期間で何か変わるようなことはないと思うのですが…
なにか気になる所があるのではと勘繰ってしまいます。
私としては待っている時間が苦痛で仕方なく、
これが悪性ならば積極的に早期で見つけて欲しいと思っています。
遠方なのですが、田澤先生にステレオガイド下マンモトーム生検をしていただくことは可能でしょうか?
混んでいること、緊急度が高くないのは承知の上で、
田澤先生の確定診断を受けたいと強く願っております。
その場合どのようにすればよろしいでしょうか?
ご教示いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
結論から言うと、ご本人の理解は正しい。
診断手技(細胞診、バネ式針生検、超音波ガイド下マンモトーム生検、ステレオガイド下マンモトーム生検、外科的生検)もいろいろあるわけですが、ステレオガイド下マンモトーム生検(ST-MMT)がその中で一番難しい手技ではありませんが、(寧ろ、細胞診の方が差が出ます)
ただ、ST-MMTは(経験の無い医師が)「最も避けたがる手技」であることは間違いありません。
 ♯つい先日も患者さんから(前の病院の医師が)「ST-MMTは、血腫ができて、手術の際に大変だったから、もうやりたくないんだ。だからあなたの石灰化もST-MMTはしない方がいい」と言われたと聞きました。
  まー、この程度なわけです。
  
質問者は『今週のコラム 77回目 針は「枠」にしか刺せないのです。
『今週のコラム 78回目 この間、何回も引っ張られたりして大変な思いをした患者さんですが、得られたのも(我々ではなく)「患者さんの勝利」なのです。』を読んでいるようなので、詳しくは省きますが…
「担当の先生は胸が薄いのと、石灰化の位置の問題で中止になる可能性があるかもしれない」
⇒確かに、これは(診療行為が契約である以上)当然、事前に言うべきですが…
 私が必ず付け加えるセリフは「でも、マンモで写っている以上、(大変かもしれないけど)かつて取れなかった石灰化はない」です。
 実際に私はST-MMTを10年以上やっていて(数年前に1300超えたところからカウントしていませんが…)2000は超えていると思っていますが、石灰化が取れなかったのは2例(しかも器械が途中で故障しました)でした。
 
 1.位置に関しては   結局「マンモで写っていた」わけですから、(マンモに写る程度には)引っ張り出せていたわけです。
             石灰化はマンモで発見されるわけですから、「マンモで写っている=最低限の位置までは引っ張り出せる」ということなのです。(難易度には、差はありますが)
 2.厚さに関して    今まで実に様々な厚さの方がいらっしゃいました。(実に1cmを切る人も…  )
             当然、その場合には「厚みを出す」必要がありますが、上記コラムのやり方を使えば大丈夫です。
 ☆1,2どちらかだと比較的簡単に克服できるのですが、この1と2を併せ持った難関症例が上記コラム78回目の症例だったのです。
「挟んでみてやはり胸の厚みが確保できない。」
⇒この時点で中止を考えている事自体、(申し訳ありませんが)経験値の不足を感じます。
 「比較的容易な症例しか行ってこなかった」という(その医師の)経験が見え隠れします。
「胸の厚みは3cmギリギリぐらい」
⇒この数字だけをみると、「普通」にしか思えませんが…
 そもそも「それ以上の厚みの症例しか、やってこなかったの?」と疑問になります。
「①田澤先生が今まで行われたステレオガイド下マンモトーム生検でそのような皮膚損傷などはありましたでしょうか?」
⇒皮膚損傷って??
 そもそも(ST-MMTに限らず)針の検査は必ず皮膚に(針が通る)傷がつきます。
 それ以上のことはありません。
「今回のようなケースでも適用することによって、安全に検査を進めることが出来るのでしょうか?」
⇒実際に画像を見ないと「どの程度奥にあるのか?」解らないところがありますが…
 厚みだけなら、全く問題ないように「数字上」想像します。
「次回は2ヶ月後(初回マンモグラフィからは3カ月)ということ」
⇒全く無意味。
 「そんな期間で変わるようなことはないと思う」と言う通りです。
「混んでいること、緊急度が高くないのは承知の上で、田澤先生の確定診断を受けたいと強く願っております。」「その場合どのようにすればよろしいでしょうか?」
⇒確かにST-MMTは混んでいますが…
 秘書メールしてください。(無意味な経過観察よりは、数百倍いいと思います。)

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