[管理番号:5068]
性別:女性
年齢:58歳
田澤先生
先生の真摯なご回答と情熱に頭がさがる想いと共に、いつも勉強させていただいております。
58歳主婦
10年前にDCIS (1.9mm x 0.9mm)にて乳房全摘出。
全摘の理由はコスメ
上の理由。
センチネルBxネガティブ。
化学療法とホルモン療法施行。
先日対側乳房にしこり、エコーとマンモで腫瘍径5mm、腋のエコーネガティブ。
ガイド下コアバイオプシーの結果、IDC、グレード1、トリプルネガティブ。
全て同施設。
質問
1)10年前に術後補助療法を施行したのに、何故反対側にまた出来たのでしょうか?
2)グレード1でトリプルネガティブという結果をどう解釈したらよいか?
3) 病院からは細胞不均一性腫瘍(Heterogeneous tumor)の可能性指摘あり。
これは何でしょうか?
4) 手術までにすべき事をご教授願いたい。
よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
私が勘違いしているのか?
初回手術がDCISなのに「化学療法とホルモン療法施行」とありますが勘違いですよね??
○DCISでは化学療法の適応はそもそも全く無いし、(更に)全摘ならば根治なのに「術後治療をしている事自体不自然」です。
「1)10年前に術後補助療法を施行したのに、何故反対側にまた出来たのでしょうか?」
⇒質問者は勘違いしています。
術後補助療法(この場合は、どう考えても不適切ですが)は「対側予防」のためにやるわけでは決してありません。
「2)グレード1でトリプルネガティブという結果をどう解釈したらよいか?」
⇒トリプルネガティブを悪者扱いしていますか??
事実はトリプルネガティブは「ER-, PgR-, HER2-]という3項目だけを共有する「種々雑多な集団(大人しい乳癌もあれば、そうでないものもある)」です。
「3) 病院からは細胞不均一性腫瘍(Heterogeneous tumor)の可能性指摘あり。これは何でしょうか?」
⇒画像所見からそのようにコメントしているのでしょう(詳細不明)
「4) 手術までにすべき事をご教授願いたい。」
⇒拡がり診断をして(それに応じた)手術です。
5mmで他のことを考えることは全く無意味です。
質問者様から 【質問2】
Triple Negative
性別:女性
年齢:59
田澤先生
再質問 前回のタイトル Triple Negative
[管理番号:5068]
先ず前回の質問で、数多くの誤情報があった事ご報告いたします。
その為に先生の貴重なお時間を無駄にしてしまい、大変申し訳ございませんでした。
訂正)10年前の左側病変ですが、DCISではなく浸潤性乳がん(1.9cm
x 0.9cm)の間違いでした。
全摘後、化学療法・ホルモン療法を行いました。
本題)
前回質問後、今年8月に右側全摘手術を受け、病理の結果は浸潤性乳がん、組織型:乳管癌、大きさ:最大腫瘍径7mm、リンパ転移なし、
Essential Triple Negative (ER: 5% positive)でした。
マージンは完全切除。
外科の話では、7mmでトリプルネガティブという結果はTumor Boardでも討議したが、微妙な結果でオンコロジーデパートメントと患者の話し合いに委ねられる。
私の場合は過去に化学療法を行っているので同じ化
学療法を行う選択肢はなく(副作用が強すぎるため?)、1やらない、2その中間の化学療法を行う、しかない。
遺伝子検査も行い、全て(9遺伝子)ネガティブでした。
質問
1)補助療法に関するご意見をお伺いしたいと存じます。
すべきでしょうか?
2)今回の右側再発は新規乳がんという事だと思いますが、他臓器の心配もすべきでしょうか?
宜しくお願い致します。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「1)補助療法に関するご意見をお伺いしたいと存じます。すべきでしょうか?」
⇒そもそも7mmの場合にはトリプルネガティブでも「化学療法を考慮する(つまり必須ではない)」にとどまります。
質問者の場合には過去に化学療法をしているので、(上記と考え合わせ)「無治療」とします。
「2)今回の右側再発は新規乳がんという事だと思います」
⇒100%その通りです。
「他臓器の心配もすべきでしょうか?」
⇒7mmの癌で…
100%不要です。