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再発防止のための抗がん剤治療について

[管理番号:4958]
性別:女性
年齢:45歳
田澤先生
術後の治療について悩んでおり、アドバイス頂きたく思います。
3月の健康診断で癌の疑いがあるということで、針生検検査を受け、ステージ1の癌だと判明。
5月に乳房温存手術、センチネル生検を受け、転移なく終わったのですが、
核異型度、組織異型度が高く、ki67もやや高い(ルミノールBと言われました)ことから、放射線治療、ホルモン剤投薬の前に、抗がん剤治療を
行なった方が良いのではと医師から言われています。
腫瘍内科の先生とも面談したのですが、やはり同様の内容で、絶対ではないけれど抗がん剤治療を勧めますとのことです。
腫瘍内科の医師は、自分の身内が私と同様のケースだったら、オンコタイプDX検査をする、もしその検査をしないのだったら、抗がん剤治療をすると仰ってました。
私は、費用の面からオンコタイプ検査はできないので、抗がん剤治療をやるかやらないかのどちらかです。
もし治療をする場合は、AC療法で、3週間おきに4回実施するとのことでした。
下記が病理結果となります。
そして、伺いたいことも下記にまとめましたので、お答えいただけると大変助かります。
組織型:  浸潤性乳管癌
リンパ節転移:陰性
転移リンパ節数:0
摘出リンパ節数:2
大きさ(浸潤径):1.2 x 1.0cm
核異型度(がんの顔つき):3
組織異型度(癌全体の顔つき):3
リンパ管/脈管侵襲:なし
ki67:29%
ホルモン感受性:あり
HER2/neu:なし
断端:陰性
①別の方のQ&Aで田澤先生が、グレードやルミノールよりもやはりステージが治療の上で基本的な指針となると仰っていたのを拝見しましたが、
それを踏まえると、抗がん剤治療は、今の私には過剰な治療となるのでしょうか。
②医師からは、抗がん剤治療をやるメリットは、目安として再発率が5%くらい減る、腫瘍内科の医師からは5~10%減ると言われましたが、田澤先生はどのようにお考えでしょうか。
また5%くらいの差について、抗がん剤をやる必要性としてどのようにお考えでしょうか。
③抗がん剤は、個人の感受性によっても効果や副作用が変わってくるという話を聞いたことがあります。
私は、もともと薬に対して嫌悪感があり、強い頭痛薬を服用した時は(もともと貧血症なので)貧血症状が起こったこともあります。
抗がん剤治療はやりたくない!という気持ちが強くあり、また不信感もあり、治療をするかどうかは私に任せると医師が仰るのならば、本当に必要な治療ではないのでは?と思っております。
そういった抗がん剤に対して、拒絶感を持ちながら、治療を受けると、
効果や副作用としてどう現れるのか?ということもとても不安に思っております。
以上となります。
長々と申し訳ありませんが、ご回答いただけますと大変心強く思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
ご本人は大きな勘違いをしています。
以下を十分に理解してください。
1.予後はステージと関係する。
2.サブタイプは治療法の選択のためにある。(予後とは全く無関係)
☆お解りいただけましたか?
 メール内容に『田澤先生が、グレードやルミノールよりもやはりステージが治療の上で基本的な指針となると仰っていたのを拝見』とありますが、『ほぼ180度近い大きな誤解』だということがご理解いただけましたか???
 決して「ステージで治療法を決める」ことはありません!!!
 治療法は(ステージが高いからとか、リンパ節に転移があるからではなく)「効くものを行う(これがサブタイプの意味です)」ということです。
「①別の方のQ&Aで田澤先生が、グレードやルミノールよりもやはりステージが治療の上で基本的な指針となると仰っていたのを拝見しました」
⇒大きな勘違いです。
 ステージと治療法は「全く無関係」です。
 ☆治療方針は(進行度とは全く無関係に)サブタイプでのみ決めるのです。
「抗がん剤治療は、今の私には過剰な治療となるのでしょうか。」
⇒全くの誤解です。
 「ステージ1だから抗癌剤をしない」などというのは15年以上前の考え方です。
 あくまでも「サブタイプに応じた治療」をすべきなのです。
「②医師からは、抗がん剤治療をやるメリットは、目安として再発率が5%くらい減る、腫瘍内科の医師からは5~10%減ると言われましたが、田澤先生はどのようにお考えでしょうか。」
⇒考え方を変えなくてはなりません。(上記医師達はルミナールAとBをごちゃ混ぜにしています)
 もしも質問者がルミナールAなら「化学療法による上乗せは0~2%程度」となり、ルミナールBであれば「化学療法による上乗せは8-12%」位となるでしょう。
 これらを区別せずに一緒にすると(腫瘍内科医のいうように)5~10%となるのです。
 ☆つまり、本来は(OncotypeDXすれば)「どちらなのか判明」するのです。
「また5%くらいの差について、抗がん剤をやる必要性としてどのようにお考えでしょうか。」
⇒実際は「それより高い」か「それより低いか」となります。(OncotypeDXする予定がないようですが、もしもすれば解ります)
「③抗がん剤は、個人の感受性によっても効果や副作用が変わってくるという話を聞いたことがあります。」
⇒それは当然です。
 その個人個人の効果をみるのがOncotypeDXなのです。(副作用はやってみなくては解りません)