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病理結果についてお教えください。

[管理番号:4914]
性別:女性
年齢:46歳
失礼いたします。
ID番号○○の○○と申します。
診察・治療でお世話になり、ありがとうございます。
手術後の病理検査結果についてお伺いしたいことがあってQ&Aに質問させていただきました。
所見の追加報告に「腫瘍成分の中には乳管癌とみなされる成分も存在することにより、Vimentin陽性の乳管癌であり、一部成分はCK5/6陽性であることより、basal-
like phenotypeへの分化を示すものと考えらえます」と記載があります。
そこで
①私のサブタイプはluminalBであるが、腫瘍の性質はbasal-like phenotype ということでしょうか?
②basal-like phenotype は抗がん剤が効きにくく転移再発しやすいのでしょうか?ステージ1Aとありましたが完治は難しいのでしょうか?どのように現在の病状とこれからの見通しを理解すればよいか教えてください。
③私の抗がん剤をしない場合とした場合の再発率・10年生存率を教えてください。
告知から3か月ほどで6㎏の体重減少があります(3食食べています)
また、左人差し指付け根付近に1か月程痛みがあり、ここ1週間ほど頭痛と目のかすみがあります。
全身にピリピリとした痛みが走ったりしています。
これらは気にしなくてもよい症状でしょうか?正直、とても不安になっています。
質問が多く申し訳ありません。
大変お忙しいところすみませんが、何卒よろしくお願いいたします。
(とても個人的な質問ばかりを記入してしましましたが、この質問は非公開にできるのでしょうか?もし出来るのなら非公開でお願いします)
 

田澤先生からの回答

ご本人の要望通り、非公開で本人のみに伝えることができますか?
「個人情報を消して公開」とします。 QandAの主旨をご理解ください。

「①私のサブタイプはluminalBであるが、腫瘍の性質はbasal-like phenotype ということでしょうか?」
⇒全く違います。
 「分化を示すもの」というだけで、事実は「完璧なluminal type」です。
「②basal-like phenotype は抗がん剤が効きにくく転移再発しやすいのでしょうか?」
⇒上記のとおり(basal-likeではなく)普通のluminal typeです。
 そもそもbasal-likeが根治が難しいなど、basal-likeの方に失礼です。(サブタイプで予後を議論するのは私の最も嫌いな事である事は、ご存じないですか? このQandAを読み進めれば理解できる筈です)
「ステージ1Aとありましたが完治は難しいのでしょうか?」
⇒全く「奇想天外な発想」です。
 ステージ1は(サブタイプとは無関係に)90%以上は根治します。
「どのように現在の病状とこれからの見通しを理解すればよいか教えてください。」
⇒早期癌であり、luminal Bなので、ホルモン療法+抗癌剤を行うという「極めてシンプル」なものです。
「③私の抗がん剤をしない場合とした場合の再発率・10年生存率を教えてください。」
⇒もしも、その数字に興味があれば、OncotypeDXをしてください。
 何故かというと…
 NewAdjuvant.comで計算すると
             再発率    10年生存率
 ホルモン療法単独    12%     94%
 ホルモン療法+化学療法  8%     95%
   となります。
  ただし、この数値はluminalAとBが、混じった数値なので、このソフトでの「化学療法の上乗せ(4%)」は「ルミナールAの人にとっては過大評価となる」し、
「Bの人にとっては過小評価」となるのです。
   私の感覚では(化学療法による)上乗せは  ルミナールAでは0%   ルミナールBでは10%  これが全体として今回の数値(4%)となると理解しています。
    ♯これは、実際にOncotypeDXをしてみると解ります。
 
「これらは気にしなくてもよい症状でしょうか?正直、とても不安」
⇒全く無関係です。
 普通の早期乳癌です。
 10年前なら、「早期乳癌、リンパ節転移なし」として「化学療法の話がでることは一瞬たりともない」ような、そんな話なのです。