［管理番号:4894］
性別:女性
年齢:67歳
初めて質問させていただきます。
田澤先生のこのサイトを見て非常に
助けられています。
　本当にありがとうございます。
母が乳がんと診断されました。
術前はステージ２ｂ、腫瘍の大きさ
２．５～３ｃｍ、リンパ節転移２個、ｋｉ６７　３％　ルミナルａ
針生検では解らず組織診での結果です。
田澤先生のお考え、本人の希望もあり手術先行で左胸筋温存乳房切除腋窩郭清の手術が終わりました。
術後直後の主治医の話は思ったよりリンパが腫れていたとのことでした。
リハビリも終え退院しております。
病理結果が出て、ステージ３ａ、腫瘍の大きさ２，９ｃｍ、リンパ節転移５個、腫瘍の活動性のグレードが２～３、エストロゲンレセプター陽性、プロゲスタンレセプター陽性、Ｈｅｒ２タンパク過剰発現ではない、脈管侵襲陰性でした。
ルミナルａで間違いないでしょうか？
病理結果にｋｉ６７が書いてなかったのですがルミナルｂに変わったりするのでしょうか？
主治医から再発率も非常に高いといわれ抗がん剤（ＥＣ)，放射線ホルモン療法をお勧めしますと言われ、決定は患者さんでしますとのことでした。
（病理結果に手書きで放射線治療は強くお勧めしますとかかれてありました）
１番気になるのがやはり抗がん剤（ＥＣ）で、本人もしたくない（放射線治療も副作用がひどいと勘違いしてやりたくないと思っていた）と考えています。
現在の母の状況、年齢で３ａ、ルミナルａだとして
抗がん剤がどれほど再発率を下げ生存率を上げるのか？
主治医は少しでもできることがあればやってみる価値はあるというような考えのようです。
抗がん剤、放射線、ホルモン療法３つとも治療した場合と、放射線ホルモン療法の２つだけの場合、再発率、生存率、今の母の現状でどれだけ違いがあるのでしょうか？また田澤先生ならどういう治療をお考えになられますか？抗がん剤を使うのでしょうか？３日後には考えを主治医に聞かせてほしいと言われています。
長くなりましたがよろしくお願いします。
お忙しいところ本当にありがとうございます。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「ルミナルａで間違いないでしょうか？」「病理結果にｋｉ６７が書いてなかったのですがルミナルｂに変わったりするのでしょうか？」
⇒「術前」のＫｉ６７＝３％という記載から判断するに「luminalA」となります。
　本来は「手術標本全体で術後に評価すべき」ですが、Ｋｉ６７の評価を「術前にしか行わない」という方針なのでしょう。
　♯さすがに、サンプリングだとは言え「３％」であれば、「病変全体でも、かなり低い」と考えてもいいとは思います。
「病理結果に手書きで放射線治療は強くお勧めします」
⇒リンパ節転移４個以上だから、推奨されます（推奨度Ａ）
「抗がん剤がどれほど再発率を下げ生存率を上げるのか？」
「再発率、生存率、今の母の現状でどれだけ違いがあるのでしょうか？」
⇒再発率は８％、生存率は６％の違いがあります。
　♯ただし、上記数値はルミナール全体なので
　　ルミナールＡでは（実際には）この数値は縮小し、Ｂでは拡大します。
「また田澤先生ならどういう治療をお考えになられますか？抗がん剤を使うのでしょうか？」
⇒下記理由より、抗癌剤はあまり勧めません。
　１．（リンパ節５個とはいえ）ルミナールＡには抗癌剤は効きにくい
　２．６７歳という年齢