[管理番号:4695]
性別:女性
年齢:43歳
33歳の時、4x5センチのしこりを葉状腫瘍と言われ、全麻で摘出したら、病理の結果は、乳管内乳頭腫で戻ってきました。
その後、年一回、マンモ、エコーでフォローを受けていました。
昨年6月頃、しこり摘出と同じ箇所と思われる場所に、
しこりができてきたのを自覚し、9月にいつもの乳腺外科を受診しました。
再発と考えられるが、2カ月後に来るように言われ、12月に受診し、再発だろうから摘出した方がいい、となり、入院施設のある病院を紹介されましたが、そこのドクターが、過去の手術の肉芽形成で、悪いものではないから、身体に傷をつける必要はない、2カ月後に念のためおいで、と帰されました。
現在43歳です。
今年3月、別の病院を受診する機会が
あり、乳腺外科の診察を受けたら、葉状腫瘍だと言われ、手術することになりました。
針を刺したら、良性で
結果がきました。
大きさは2センチ+αと言われます
が、自分の触った感じだと、3センチくらいあるような気がします。
ドクターに、マージンをとって手術してください、と言ったら、患部が乳頭に近く、皮膚表面に近いから、完璧をめざしたいなら、それなら全摘もありうる、乳頭を残すか残さないかも考えて、と言われました。
自分で触った感じだと、33歳の時のしこりと違い、触った感じが、表面がでこぼこで硬く、皮膚表面に近いのも感じます。
質問したいのは、しこりの下側(身体に入っている側)はマージンが取れますが、しこりの上側(皮膚表面側)はマージンが取れないのではないか、と思うのです。
約10年たっての再発です。
子供もいますので、今後、再発させないためには、全摘もありうるのでしょうか?
それとも、良性とでているので、可能なかぎりのマージンをつけたしこりのみの摘出でいいのでしょうか?(皮膚側はマージンなしで大丈夫?)
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「昨年6月頃、しこり摘出と同じ箇所と思われる場所に、しこりができてきたのを自覚」
「再発と考えられるが、2カ月後に来るように言われ」
⇒そもそも、この「2カ月」の意味が不明です。
(国会議員でもないのだから)「問題を先送り」にする意味が全く解りません。
「12月に受診し、再発だろうから摘出した方がいい」
「そこのドクターが、過去の手術の肉芽形成で、悪いものではないから、身体に傷をつける必要はない、2カ月後」「今年3月、別の病院を受診する機会があり、乳腺外科の診察を受けたら、葉状腫瘍だと言われ、手術することに」
⇒何とももはや…
この現状を見ると、皆さんが「必要以上に」誤診を心配しているわけも解る気がしますね。
「マージンをとって手術してください、と言ったら、患部が乳頭に近く、皮膚表面に近いから、完璧をめざしたいなら、それなら全摘もありうる、乳頭を残すか残さないか」
⇒勿論、画像を見ていませんが…
(その医師には)おそらく、誤った理解がありそうです。
葉状腫瘍(しかも良性)であれば(癌とは異なり)浸潤はないのです。
あくまでもマージンは「周辺の乳腺の」マージンでいいのです。
例えば…
奥に存在して(大胸筋に接していたとしても)「大胸筋を取る必要がない」のと全く同様に「皮膚を取る必要」など全くありません。
それと同様に(皮膚や乳頭に近いからという理由で)「皮膚や乳頭を取る」など全く不要です。
「しこりの上側(皮膚表面側)はマージンが取れないのではないか、と思う」
⇒必要ありません(上記)
「良性とでているので、可能なかぎりのマージンをつけたしこりのみの摘出でいいのでしょうか?(皮膚側はマージンなしで大丈夫?)」
⇒その通り。
全く議論の余地がありません。
質問者様から 【質問2】
前回は、回答ありがとうございました。
今月、部分切除で、術前に良性と言われた葉状腫瘍を摘出をしました。
術前の説明で、過去にも摘出していて、一部、皮膚との癒着が見られるから、皮膚も一部は取ります、とのことでした。
2.7センチのしこりで、一部にマージンをつけ、手術直後の説明ては、悪いものではない印象だし、取りきれました、とも言われました。
術後の病理の結果で「良性のしこりの中に、一部、癌細胞が見られる。
浸潤はしていないようです。
ただ、乳頭付近に向かって、異形性の細胞も見られる。
葉状腫瘍は見られない。」ときました。
3月に、脇の下のしこりを訴え、針を挿して調べたところ、維持なしできました。
再度、脇の下のしこりが消えていないので、エコーで診ても
らったら、「一番大きな腫れているリンパは、問題ない形だろうと。た
だ、他のリンパに、一部、血流?血管?が見られ、あやしい。」
主治医も、最初は、放射線は・・・くらいでしたが、脇の下をみて、腋窩の追加の手術を言われました。
再度、MRIを撮ることになりました。
子供も小さいので、即座に、全摘を希望しました。
質問したいのは、胸のしこりだけみると、非浸潤癌の診断ですが、非浸潤で、脇の下に異常が見られることがあるのでしょうか?
この段階だと、私は、ステージ2bでしょうか?
今の胸のしこりがなくなった状態で、脇のリンパを取り、乳癌のさぶタイプは判明するのでしょうか?
また、ステージ2bだと、抗がん剤治療も考えなくてはならないでしょうか?
まとまりのない文章で、すみません。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「「良性のしこりの中に、一部、癌細胞が見られる。」「浸潤はしていないようです。」「脇の下をみて、腋窩の追加の手術」
⇒どうにも「理解不能」ですが…
病変全体を摘出して「非浸潤癌」だったわけですから(腋窩リンパ節転移を疑って)「腋窩を手術する必要」は全くありません。
「胸のしこりだけみると、非浸潤癌の診断ですが、非浸潤で、脇の下に異常が見られることがあるのでしょうか?」
⇒ありません。
「この段階だと、私は、ステージ2bでしょうか?」
⇒違います。 0期です。
「今の胸のしこりがなくなった状態で、脇のリンパを取り、乳癌のさぶタイプは判明するのでしょうか?」
⇒非浸潤癌にサブタイプは不要です。
「また、ステージ2bだと、抗がん剤治療も考えなくてはならないでしょうか?」
⇒「摘出生検で(良性腫瘍の中に)たまたま非浸潤癌が見つかった」程度で「ステージ2とか抗癌剤とかを想像」する必要はありません。
★過剰治療とならないように、気を付けましょう。
質問者様から 【質問3】
前回は、回答ありがとうございました。
今月、部分切除で、術前に良性と言われた葉状腫瘍を摘出をしました。
術前の説明で、過去にも摘出していて、一部、皮膚との癒着が見られるから、皮膚も一部は取ります、とのことでした。
2.7センチのしこりで、一部にマージンをつけ、手術直後の説明ては、悪いものではない印象だし、取りきれました、とも言われました。
術後の病理の結果で「良性のしこりの中に、一部、癌細胞が見られる。
浸潤はしていないようです。
ただ、乳頭付近に向かって、異形性の細胞も見られる。
葉状腫瘍は見られない。」ときました。
3月に、脇の下のしこりを訴え、針を挿して調べたところ、維持なしできました。
再度、脇の下のしこりが消えていないので、エコーで診てもらったら、「一番大きな腫れているリンパは、問題ない形だろうと。
ただ、他のリンパに、一部、血流?血管?が見られ、あやしい。」
主治医も、最初は、放射線は・・・くらいでしたが、脇の下をみて、腋窩の追加の手術を言われました。
再度、MRIを撮ることになりました。
子供も小さいので、即座に、全摘を希望しました。
質問したいのは、胸のしこりだけみると、非浸潤癌の診断ですが、非浸潤で、脇の下に異常が見られることがあるのでしょうか?
この段階だと、私は、ステージ2bでしょうか?
今の胸のしこりがなくなった状態で、脇のリンパを取り、乳癌のさぶタイプは判明するのでしょうか?
また、ステージ2bだと、抗がん剤治療も考えなくてはならないでしょうか?
まとまりのない文章で、すみません。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「「良性のしこりの中に、一部、癌細胞が見られる。」「浸潤はしていないようです。」「脇の下をみて、腋窩の追加の手術」
⇒どうにも「理解不能」ですが…
病変全体を摘出して「非浸潤癌」だったわけですから(腋窩リンパ節転移を疑って)「腋窩を手術する必要」は全くありません。
「胸のしこりだけみると、非浸潤癌の診断ですが、非浸潤で、脇の下に異常が見られることがあるのでしょうか?」
⇒ありません。
「この段階だと、私は、ステージ2bでしょうか?」
⇒違います。 0期です。
「今の胸のしこりがなくなった状態で、脇のリンパを取り、乳癌のさぶタイプは判明するのでしょうか?」
⇒非浸潤癌にサブタイプは不要です。
「また、ステージ2bだと、抗がん剤治療も考えなくてはならないでしょうか?」
⇒「摘出生検で(良性腫瘍の中に)たまたま非浸潤癌が見つかった」程度で「ステージ2とか抗癌剤とかを想像」する必要はありません。
★過剰治療とならないように、気を付けましょう。
質問者様から 【質問4】
被包性乳頭癌について
性別:女性
年齢:43歳
先月の部分切除の結果により、今月、全摘し、病理の結果が出ました。
調べても、あまり検索にヒットせず、先生の説明がわかりやすいので、質問させてください。
先月の病理の結果は、encapsulated papillary carcinoma(noninvasie
intracystic carcinoma)でした。
組織所見は、中枢乳管の著名な拡張があり、拡張した乳管内に向かっての乳管上皮の増生です。
fibro vascular coreを有してのpapillary proliferationですが、cribriformの形態をなしての増生も加わっております。
上皮細胞には強い細胞異型はありませんが多層化、重積性などが見られ、腺腫の域を超えております。
また周囲には小型の乳管内での上皮細胞のcribriform、solidあるいはlow
papillary proliferationよりなるDCISも存在しております。
浸潤性の増生はありませんが、嚢胞内増生をも交えての腫瘍最大割面は2.7cmx1.6cmです。
腫瘍の頭部および乳頭側断端なはatypical ductal hyperplasiaが存在しております。
局所再発の可能性を否定できませんので、十分follow upください。
間質性分の腫瘍化はなく、phyllodes tumorは存在しておりません。
免疫染色で嚢胞内増生の異形乳管上皮はα-SMAはcore部の平滑筋に陽性ですが乳頭状増生の枝をなす細胞にはp63をめ含め陰性で、筋上皮の関与はなく、またCK5/6も陰性のことから癌病変と判断されます。
頭部に存在するADH病変も嚢胞病変と同様な染色体度ですので、癌病変と判断されます。
全摘しての病理結果は、組織診断は、DCIS、BT+AXです。
所見は、広範なmastopathyが存在しております。
また前回手術部の異物反応の存在する部位付近(C.D領域)に乳管内充実性増生あるいはcribriformの増生をしめすDCISが存在しております。
腫瘍病変は完全に取り切れております。
level 1のリンパ節はintactです。(0/3)
以上が、2回分の病理所見です。
リンパは、センチネルから1個、レベル1から2個です。
脇の下のエコーで、腫れていたり、小さくても形が二層性に見えにくく、血流が見えるリンパがあり、レベル1からも検査に出しました。
3月に、別のドクターにも脇の下で触る部分があり、エコーで診てもらい、針を刺して問題なしと出たのですが、触る部分が続くので、再度、訴えました。
質問したいのは、被包型乳頭癌が新WHO分類においての分類と出ていて、調べてもあまりヒットしません。
全摘しているのだから、悪性度とかを考えず、根治でよいのでしょうか? 主治医は、次回は一年後の受診と言います。
薬なしで無治療となります。
ホルモンレセプターは陽性、HER2は陰性、K67は12%でした。
また、2回とも、葉状腫瘍と言われ、病理の結果が別な診断でくるのは、似ている形態?なのでしょうか?
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
術前に腫瘍を摘出(外科的生検に相当)して「非浸潤癌」なのに「腋窩リンパ節を摘出するとは!!!」
明らかな過剰診療。
質問者の納得の上で行われているのだから問題はないようですが、本来は「腋窩に手をつけてはいけない」のです。
「encapsulated papillary carcinoma(noninvasie intracystic carcinoma)でした。」
⇒特に珍しい癌ではありません。
私のように「乳頭分泌で乳管腺葉区域切除」を沢山していると、かなり頻繁に出くわします。
つまり「乳管内病変として乳管内乳頭腫と併存することが多い」乳癌と言えます。
ここで思いだしてもらいたいのは
質問者が「33歳の時、4x5センチのしこりを葉状腫瘍と言われ、全麻で摘出したら、病理の結果は、乳管内乳頭腫」「しこり摘出と同じ箇所と思われる場所」とありますが、おそらく同一乳管に(其の当時から)併存していたことが推測されます。
質問者様から 【質問5】
複雑な症例なのでしょうか?
性別:女性
年齢:43歳
以前、『葉状腫瘍について』というタイトルで相談しました。
その節は、ありがとうございました。
良性の葉状腫瘍の診断で摘出し、病理検査でDCISとなり、翌月に全摘しました。
最終病理検査もDCISで、全摘により以後無治療の経過観察です。
対側の胸に対し、一年後に診察の経過観察です。
退院後、しばらくしてから、気持ちが沈み、インプラントでの再建を考え、主治医に相談に行きました。
『最初の診断と違って癌がでて、全摘した中からもDCISが出て、複雑な症例なのだから、あせらず、しばらくは再建は待ったらどうか?』と言われました。
全摘して、次回の診察は一年後であり、無治療なのに、複雑な症例とは、どういう意味なのでしょうか?
全摘したのに、局所再発や遠隔転移を起こしやすいタイプのDCISなのでしょうか?
1回目と2回目の手術のあいだに、胸のMRIを撮りましたが、癌の広がりというか、結果はわからない、と言われました。
乳がんは、5年たっても、一区切りではないと感じます。
私のタイプの癌は、いつまで再建を待てばよいのでしょうか? 複雑な症例なのでしょうか?
田澤先生から 【回答5】
こんにちは。田澤です。
たまたま見つかった非浸潤癌で全摘したのだから根治です。
再建を待つ理由は全くありません。
「複雑な症例なのだから、あせらず、しばらくは再建は待ったらどうか?』と言われました。」
⇒意味不明です。
全く根拠がありません。
「乳がんは、5年たっても、一区切りではないと感じます。」
⇒誤解です。
非浸潤癌で全摘なのだから根治です。
再発など気にしないで暮らしましょう。
「私のタイプの癌は、いつまで再建を待てばよいのでしょうか?」
⇒全く待つ理由がありません。
「複雑な症例なのでしょうか?」
⇒単純明快です。
「非浸潤癌で全摘したのだから根治」それだけです。
質問者様から 【質問6】
針を刺してから、手術までの安全な期間
性別:女性
年齢:43歳
再度、質問させてください。
最初が、エコーとマンモで、葉状腫瘍の診断で経過観察されました。
今年の3月下旬、腫瘍に針を刺して検査しました。
局所麻酔していない
ので、組織診ではなく、細胞診なのだと思います。
良性の結果だったたので、腫瘍の切除手術が6月半ば、その病理検査の結果、DCISが出て、7月半ばに全摘しました。
全摘後の病理もDCISでした。
私の 病理は、encapsulated papillary carcinomaでした。
これは、嚢胞内乳頭癌の解釈でいいのでしょうか?
それでしたら、嚢胞に針を刺したのは、癌をまき散らすことになりませんか?
針を刺してから、全摘まで約3ヶ月半ありました。
撒き散らされた癌が、乳腺内の血管やリンパ管を通って、全身にいってしまったということは、考えられますか?
全摘をより局所再発はないにしても、撒き散らされた癌で、将来、遠隔転移とかありますか?
針を刺しても、1ヶ月以内に手術すれば問題ないという記事を見ました。
私は、手術まで3ヶ月半ありました。
そのことに気付いてから、不安でしょうがありません。
田澤先生から 【回答6】
こんにちは。田澤です。
冷静に成りましょう。
私の回答は以前から何度も回答しているように、『単純明快です。 「非浸潤癌で全摘したのだから根治」それだけ』です。
「摘出生検で非浸潤癌」なのに腋窩リンパ節生検をしたり、「おかしなコメント」をしたりと、担当医達に振り回されて(無駄に)混乱させられていることを悲しく思いますが、物事は単純明快なのです。(針の散布など、結果として全摘しているのだから想像する必要は全くありません)
余計な心配をせずに乳がんのことは忘れてしまいましょう(根治です)