[管理番号:4664]
性別:女性
年齢:40歳
田澤先生、はじめまして。
中学生と高校生の子供を、母乳とミルクの混合で育てました。
近親者に乳がんはいません。
(別のガンはいます。)
一昨年の7月に乳がん検診を受けました。
検査結果では触診・マンモは異常なし。
エコーで乳腺嚢胞が2つとの診断。
今年の2月の乳がん検診、検査結果では触診・マンモは異常なし。
エコーで腫瘍があると言われ、乳管内乳頭腫が2つとの診断。
大きさは共に1cm以下でした。
場所は乳頭直下とそこから少し離れた所の2つです。
診断書では前回の嚢胞と同じ場所にしるしがあるのですが、医師は同じ場所とは言いませんでした。
目立った分泌物がないので(ちっちゃい白いカスの様な、皮の様なものが所々にたまに付いてますが)次の検診まで経過観察で良いです。
でも分泌物が出たらすぐに受診して下さいと言われました。
私自身乳管内乳頭腫について色々調べていくうちに、詳しい検査も何もしていないのにこのままでいる事に不安を覚え、検診を受けた病院ではなく近くの大学病院の乳腺外科を受診しました。
そこでも触診・マンモは異常なし。
エコーでも乳管内乳頭腫で悪性の所見はないとの事でしたが、心配だったのでその日のうちに細胞診をしました。
乳頭腫から9時の方向(という言い方をしてました)に針を刺して吸った?
ところ、嚢胞?腫瘍?が消えた様で、濃縮嚢胞と言っていました。
その後の検査結果では、1つ(9時の方向)は濃縮嚢胞。
もう1つ(乳頭直下)は炎症を起こしていると言われましたが、悪いものは何も出なかったから特に問題ないです。
との事でした。
ちなみに大きさははっきりした数値は言われませんでした。
「小さいですよ」とだけです。
もし次にする検査としては、メスで切って腫瘍?を取って調べる(組織とは言いませんでした)でも、分泌物がない事と、悪性の所見がない事からこれ以上の検査はしなくても大丈夫と言われました。
結果を聞く前までは、摘出しようと思っていたのですが、その場では怖気づいてしまって、「少し考えます。」と言って帰って来てしまいました。
長くなってしまいましたが、田澤先生に質問したい事は、私の様な状態をどう思われますか?
分泌物がない乳管内乳頭腫について、調べてもあまり症例が出てこないので、決断し切れなくてどうしたら良いのか迷っています。
考えすぎてよく分からなくなってしまいました。
また、乳頭直下の腫瘍が炎症していると言われたのも気になります。
炎症は治りますか?と聞いたら、治るかもしれないし、そのままかもしれないと言われました。
これがきっかけで炎症性乳がんになる事はありえますか?
やはり心から安心したいです。
背中を押して頂けると幸いです。
どうか宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「もし次にする検査としては、メスで切って腫瘍?を取って調べる」
⇒誤りです。
今回は細胞診のようですが、次の検査としてはバネ式針生検となるでしょう。
しかも(超音波で見える以上)「マンモトーム生検を行えば、(外科的生検などしなくても)100%の確定診断」となります。
「私の様な状態をどう思われますか?」
⇒私が大学病院の医師の細胞診の結果を鵜呑みにはできませんが…
細胞診の結果が正しいと仮定すれば、「このままでもいい」し、100%確定診断を
つけたいのであれば「マンモトーム生検を行えば済む」だけの話です。(外科的生検など無用です)
「乳頭直下の腫瘍が炎症していると言われたのも気になります。」
⇒細胞診で「炎症細胞」が出たのでしょう。
それであれば、(乳管内乳頭腫ではなく)肉芽腫性乳腺炎かもしれません。
♯おそらく、其の医師の頭の中には「肉芽腫性乳腺炎の概念そのもの」が無いので、そのような中途半端なことを言っていると想像します。
「これがきっかけで炎症性乳がんになる事はありえますか?」
⇒10000%ありません。
質問者は「大きな勘違い」しています。
「炎症性乳癌に炎症なし」
炎症性乳癌とは(本物の炎症ではなく)あくまでも癌細胞がリンパ管を閉塞することにより(見た目が)「あたかも炎症があるかのように真っ赤となる」から着いている名前です。
つまり「名づけ方がそもそも間違い」なのです。
★よくある「○○ガエル」と名前がついているのに実は「カエルではない」みたいな、動物いますよね?そんなイメージです。
質問者様から 【質問2】
田澤先生、こんにちは。
この度はお忙しい中でのご返信、本当にありがとうございます。
最初の質問からだいぶ空いてしまいましたが、また相談に乗って下さいませ。
大学病院では、切って腫瘍を出すと胸が変形するのと、マンモグラフィーをする度に(検査結果が?)引っかかると言われ、いざとなると急に怖くなってしまったのですが、そこまでしなくてもマンモトームをすればはっきり分かるのですね。
肉芽腫性乳腺炎について、初めて聞く病名なので先生のコラム等拝読し勉強させて頂きました。
再発しやすく珍しい厄介な病気なのですね…。
膿は今はまだ出ていませんが、もしこの病気だとしたら、今後その様になるのでしょうか?またそれ以外で個人的に心配な事があります。
基本的な治療法としてはステロイド投与が有効だそうですが、私はアトピーなんです。
アトピーの症状は今は軽い方なので、ステロイド(塗り薬)は痒みが強い時のみで常用はしておりません。
皮膚科には去年まで通院してました。
肉芽腫性乳腺炎の治療での継続したステロイド投与による皮膚への影響(湿疹が一時的に治まる?)そしてやめた後のリバウンドがとても不安です…。
アトピーと肉芽腫性乳腺炎、どちらも持っている方は今までいらっしゃいましたか?
でもそれは今から心配しても仕方ないので、実際に診断を受けてから考えようと思います。
炎症性乳がんについても、実際の炎症とは無関係という事も理解しましたし、何より先生の力強いお言葉に救われる思いです。
田邊先生は肉芽腫性乳腺炎や乳管内乳頭腫についてもとてもお詳しいので、是非とも先生に確定診断をお願いしたいと考えてるのですが、診て頂けないでしょうか。
宜しくお願い致します。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
ご自分の状況を理解することで(炎症性乳癌?)などという余計な心配から解放されたようで、嬉しく思います。
やはり、「診察する側の医師自身が理解していないと、患者さんを安心させる事ができない(逆に無用な心配を与えることになる)」肝に銘じてほしいものです。
「肉芽腫性乳腺炎の治療での継続したステロイド投与による皮膚への影響(湿疹が一時的に治まる?)そしてやめた後のリバウンドがとても不安です…。」
⇒短期間の投与で「ゆっくりと漸減」するので大丈夫でしょう。
「アトピーと肉芽腫性乳腺炎、どちらも持っている方は今までいらっしゃいましたか?」
⇒いらっしゃっいましたが…
上記のように無関係です。
○それよりも糖尿病の方の方が厄介です。(ステロイドで糖尿病が悪化するので使えない)
この場合には「volume reduction(マンモトームで削る/手術で摘出)」のみで治療していくことになります。
「是非とも先生に確定診断をお願いしたいと考えてるのですが、診て頂けないでしょうか。」
⇒市川に予約するといいでしょう。
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