[管理番号:4660]
性別:女性
年齢:44歳
田澤先生
はじめましてこんにちは。
2月中旬に、自分でしこりを見つけて3月末に左乳房温存手術をうけました。
昨日、術後の病理結果がでました。
わからないので教えてください。
がんの種類:浸潤がん(充実腺管癌)
大きさ:最大径 25mm、T2
リンパ節転移:なし、NO
ステージ(病期):Stage ⅡA、
増殖能:核グレード2
Ki67:20%(中)
ホルモン感受性:ER90% PgR 100%
HER2蛋白:陰性
脈管侵襲:リンパ管 ly1 、 静脈 V0
切除断端:陰性
局所治療: 手術+放射線25回
病理検査から再発予防として勧められる治療は、
①抗がん剤⇒ホルモン剤
②ホルモン剤のみ
※①を行うメリットは少ないがあるかもしれない。
ホルモン剤がよく効く結果だということでしたし、治療法は①をやっても数パーセントの違いかも?ということだったので②のホルモン剤(タモキシフェン)のみの選択をしてしまったのですが、数パーセントにかけて抗がん剤をやった方がよかったのか?
再発率を考えるとその選択でよかったのかと不安になってしまいました。
がんの種類の充実腺管癌とは?増殖能のグレード2やKi67:20%(中)や脈管侵襲:リンパ管 ly1 とはどういうことをいっているのか?よくわからず?
悪いのではないかと心配になります。
この結果は、早期と言えて根治するのでしょうか?再発、転移も心配です。
お忙しいところ申し訳ございませんがよろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「治療法は①をやっても数パーセントの違いかも?ということだった」
⇒このような説明の仕方は無意味だと思います。
実際にはKi67=20%は「ほぼルミナールA]と考えられるので「化学療法による上乗せは期待できない」と(私なら)します。
もしも「本当に?」と疑問になるのであれば「OncotypeDXをすべき」です。
「がんの種類の充実腺管癌とは?」
⇒乳癌の70%を占める「non specific type(通常型)」である浸潤性乳管癌は更に3つ(乳頭腺管癌、充実腺管癌、硬癌)に分類されますが、そのうちの「充実腺管癌」だというだけの話です。
「浸潤性乳管癌増殖能のグレード2」
⇒核グレードは「核異型」と「核分裂」の和で判定されるため中身が不明ですが…
「2」は中間です。
「Ki67:20%(中)」
⇒Ki67は「細胞分裂期にある細胞の割合(%)」を示していますが…
「20」は「(中)というよりは実際は(低)」です。
「や脈管侵襲:リンパ管 ly1 とはどういうことをいっているのか?」
⇒顕微鏡の所見で「リンパ管へ癌細胞が入る様子」を示しているだけです。
質問者は「リンパ節転移なし」なのだから、「全く無意味な所見」と言えます。
「早期と言えて根治するのでしょうか?」
⇒根治する確率の方が高いことは間違いありません。
質問者様から 【質問2 骨シンチについて】
性別:女性
年齢:45歳
田澤先生こんにちは。
いつも拝見させていただいています。
術後一年前にも質問させていただいたものです。
一年前、左乳房温存手術をしステージ2aグレード2で転移はなく、放射線治療後現在はリュープリンとタモキシフェンでの治療を行なっています。
先日、乳がんの一年検診を行いました。
検診結果がでたのですが、マンモ、CTは異常なしでしたが、骨シンチで第3肋骨に一箇所集積が見つかりました。
CTと照らし合わせて見てくれましたが、CTでは第3肋骨に異常所見は見つかりませんでした。
集積が骨の長軸方向にできているというのは骨転移なのでしょうか?半年前に、腫瘍マーカーをしましたが正常値でした。
担当医と放射線担当医は、大丈夫だと思うが。
とは言ってくれたのですが…半年後再検査と言われ、半年気になったまま過ごすのが怖く担当医に相談し肋骨のMRIの検査を受けることになりました。
MRIで、骨転移しているか?いないかがわかるのですよね?
1年で骨転移してしまったのか?それとも元々骨に転移していたのか?
と、検査と結果まで色々考えてしまい、食欲もありません。
見つかった集積で骨転移している可能性はどのくらいあるのでしょうか?
半年後再検査でも大丈夫ということはあまり気にしなくてもよいのかと思ってみたり…影が写っているのが消える可能性はあるのでしょうか?
影が写っているのがわかるのに半年後再検査ってそんなに待って、骨転移が広がるのでは?って思ってしまうのですが。
結果が出て、悪ければすぐに再検査や治療が始まるのではないかと思っているので、半年後再検査と言うならばそこまでひどくないのかな?とも、思ったり…
最近、肩甲骨の当たりを押すと痛むのもそれに関係しているせいなのか?悪い方にしか考えられず…
もし骨転移だったら、どんな治療をするのでしょうか?
生存率も下がるのでしょうか?
一年目で骨シンチで引っかかるって心配でたまりません。
お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
余計な心配をするよりは
MRIを撮影しましょう。
★実際のところ、肋骨であれば「単純写真を撮影」すれば大凡解ります。(単純レントゲンで異常無ければ安心していいと思います)
質問者様から 【質問3】
左腋窩リンパ節転移 術後の治療方法について
性別:女性
年齢:50歳
病名:乳がん
症状:左腋窩リンパ節転移
投稿日:2023年5月22日
田澤先生
こんにちは。
以下教えていただきたいと思います。
よろしくお願いします。
6年前、44歳の3月に左乳癌 2.5mmステージ2a リンパ転移なし
で温存手術をし、術後に放射線治療 25回を受け,その後タモキシフェ
ン服用10年のホルモン治療をしていました。
今年6年目の検診で左腋窩にしこりが見つかりました。
骨シンチ、
PET検査をし、他のところには再発・転移なし、左腋窩リンパ節転移
との診断を受けました。
5月に左腋窩リンパ節の切除手術を行い、今後は抗がん剤治療と放射
線治療とホルモン療法の予定です。
先日、以下病理結果がでました。
大きさ 最大径 25mm. T2
リンパ節転移 前回0/2→2/8 2個に転移あり
ステージ 2a →2b
増殖能 組織グレード 2
核グレード 2
Ki67 20%
ホルモン感受性 ER 90% PgR 10% HER2 蛋白 陰性
脈管侵襲 リンパ管 Iy 1 静脈 v 0
切除断面 陰性
今後の治療としてどちらがいいのか田澤先生のご意見をお聞きしたく、よろしくお願いいたします。
今後の再発、転移が心配なのでできるだけ最善の治療をしたいです。
①局所コントロールをしっかり行い、できることは全てやる(副作用
が許容範囲なら)
◯アンスラサイクリン系抗がん剤
◯タキサン系抗がん剤
◯TS-1(1年)
◯ホルモン剤(5から10年)
◯鎖骨上リンパ節領域への照射
②局所コントロールをしっかり行い、今回のプロファイルに対し妥当
と思われる治療を選んで施行
◯タキサン系のTC療法
◯ホルモン剤
◯鎖骨上リンパ節領域への照射
田澤先生ならどちらの治療をすすめますか?
②の場合、体調などを考慮して、アンスラサイクリン系抗がん剤を追加もできると言われました。
②の場合だった場合、追加をした方がいいのでしょうか。
1年前になかった腋窩のしこりが見つかったので、
今後のことを考えるとどれが1番いい選択なのかわからず先生のご意見をお伺いしたいです。
以下のことも心配なのですが。
1.腋窩再発は、局所再発ということでいいのでしょうか。
遠隔転移とは別?再発したと言うことは、予後は悪いのでしょうか。
2.遠隔転移は今のところないのですが、リンパ節に再発したという事はやはり、転移する確率も再発前よりは増加したと考えなければならないでしょうか。
6年間も体の中にガンがいたということは今は見えないだけで転移している可能性も高いのでしょうか。
以上、宜しく御願い致します。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
今後の治療としてどちらがいいのか田澤先生のご意見
⇒純粋な腋窩再発(局所再発)であり節外浸潤が無く、きちんとした手術が行われているのであれば術後照射は不要です。
私であれば(抗がん剤は患者さん自身のモチベーション次第ですが、必須ではなく)
CDK4/6阻害剤(+letrozole+LH-RHagonist)とします。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2023/5/31
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