[管理番号:4621]
性別:女性
年齢:41歳
はじめまして。
2児の母です。
今年の2月に検診のつもりでマンモグラフィ検査を受けました。
その結果カテゴリー3-2「左側に局所的非対称性陰影を認める」と診断され、その後エコーを受けました。
昨日結果を聞きに行ったのですが初めに先生から聞いた結果は異常なしとのことでした。
ですが私が「たまに左側に違和感とゆうかひっぱる感じがする」と言ったところその場でもう一度エコー検査となり検査黒くうつってる部分があるのでMRIしましょうと言われ、一瞬頭が真っ白になりました。
一時は異常なしとの判断だったのにと思い「1回目エコーで異常なしとなったのはどうしてですか?」
と質問したところ脂肪の可能性もあるので脂肪と判断したのでしょうと言われモヤモヤしました。
マンモグラフィ・触診・エコー検査までの先生と、今回結果を聞いた先生が違うので先生の考え方の違いでしょうか?
MRIがまだ先なので不安で不安で左胸の違和感も強くなってきてしまいました。
MRI結果となるとやはり乳ガンが疑わしいのでしょう?
長い文章になり申し訳ありません。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
そもそも(厳しい様ですが)この診療そのものが正しくありません。
ポイントは2つ
①「マンモグラフィーでFAD(focal asymmetric density局所的非対称性陰性)」
は非常によくある所見で、「その99%が、結局正常」と診断されます。
要は、マンモでは「乳腺の重なりが除外できない」⇒「エコーでは正常と判断できる」ということです。
②「エコーで黒く写っている」という時点で、それは「組織検査するか、(良性の可能性が高いので)経過観察とするか」という判断とすべきです。
つまり質的診断(癌の可能性についての評価)はエコーで行うべきもので、それで良性と判断できない場合には(MRIではなく)「組織検査すべき」なのです。
ここで「MRIを撮影」することにより「MRI的免罪符」が発生してしまう事にご注意ください。
是非『今週のコラム 56回目 超音波で異常所見があるのに、MRIで異常がないから大丈夫。など、とんでもない診療です。』をご一読ください。
「MRIがまだ先なので不安で不安で左胸の違和感も強くなってきてしまいました。」
⇒それは「不安によるストレスによるホルモン刺激症状」です。
そもそも「左側に違和感」というのは「癌を疑う症状」では全くなく、(質問者の年齢では非常によくある)「卵巣が不安定となり、ホルモンバランスが崩れる」ことから来るのです。
「MRI結果となるとやはり乳ガンが疑わしいのでしょう?」
⇒全く無関係
単に、この担当医は(面倒な生検などを検討する事は避け)「MRI的免罪符(MRIで異常が無いから、経過をみましょう)」の使い手だということです。