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鎖骨下リンパ節の切除について

[管理番号:4052]
性別:女性
年齢:30歳
こんにちは
初めて質問します。
ご回答よろしくお願いします。
11月の初旬に乳がんとわかりました。
その後、CTや骨シンチ、MRIの検査を受け、来月中旬に左乳房全摘?腋高郭清の手術を受けることが決まっています。
その後、抗ガン剤等の治療になります。
腫よう経は、最大41mmとのことでした。
鎖骨下リンパ節も腫れており、転移が考えられるとのことです。
担当医は鎖骨下リンパ節の切除を迷っていると言っていました。
私は、転移が考えられるなら切除でも構わないと思っているのですが、先生はどのように思われますか?
お伝えする情報が少なければ申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
手術は経験がものをいいます。
「鎖骨下領域の郭清」は少々「コツ」が必要な手技です。
専門的な内容で恐縮ですが、大胸筋を持ち上げながら(大胸筋の裏にある)「小胸筋を剥がして、テープをかけ、外側へ引っ張りながら」その『(小胸筋より奥にある)
リンパ節を重要な血管(腋窩静脈)を損傷しないように剥がしてくる』操作は「技術(慣れ)を要する」のです。
この操作ができない乳腺外科医が増えてきている理由としては、現在の「何でもかんでも、術前抗がん剤を行う」風潮にあります。
本来(抗癌剤施行前時点で)「転移が存在していたリンパ節は、手術で郭清しなくてはならない」のですが、『抗ガン剤で小さくなってしまうと、見て見ぬふりをする
(鎖骨下領域の郭清に自信がなくて、つい避けてしまう)』医師が増えてしまっているのです。
「担当医は鎖骨下リンパ節の切除を迷っていると言っていました。」
⇒迷う余地はありません。
 鎖骨下領域は「郭清しなくてはならない領域」です。
 おそらく「鎖骨下領域の郭清に自信がない」ので「放射線照射でごまかす」気ではないかと思われます。(誤った治療です)
「私は、転移が考えられるなら切除でも構わないと思っている」
⇒当然切除すべきです。
 「取り残し」することにより「局所再発のリスク」が(当然)高まります。
「先生はどのように思われますか?」
⇒鎖骨下領域は郭清すべきです。
 ○(鎖骨下領域の郭清に慣れていない)医師は(鎖骨下も郭清すると)「腕が挙がらない」とか「リンパ液が増える」とか(将来的な)「浮腫みのリスク」など並べ立てるかもしれません。
  全くの間違いです。
  少なくとも、当院では普通に「3泊4日」で退院するし(腕が挙がらないなどの)問題点も全くありません。