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術前抗がん剤からの手術について

[管理番号:3972]
性別:女性
年齢:36歳
お忙しい先生に質問させて頂くことお許し下さい。
右浸潤性乳頭腺管癌 トリプルネガティブki-67 80%、リンパ節転移疑い
(エコーで脇~鎖骨まで数ヶ所あり)
術前抗がん剤のAC4回、パクリタキセル2回で、現在間質性肺炎の治療中です。
しこりは9月1.5cm、先日エコーでそれよりも小さく、リンパ節の影もほとんど見えなくなっていました。
主治医には、抗がん剤はもう使えないので中止し、手術を早める。
残った抗がん剤については、
術後するかしないか検討する、と言われました。
①肺炎になると手術を早めるしか方法はないのですか?
他の抗がん剤で術前をやりきることはできないのでしょうか。
②抗がん剤を途中でやめることが不安です。
術後やらない選択をしたら、
再発転移率を上げますか?
やるとしたら、どんな抗がん剤がありますか?
③温存希望ですが、上記の状態で温存を選択しても大丈夫でしょうか?
予後が不安です。
長くなってしまい、申し訳ありません。
宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「現在間質性肺炎の治療中です。」
⇒これは大変でしたね。
 こうなると「化学療法は当然、中止」です。
 間質性肺炎は重症化すると「命にかかわる」のです。
「主治医には、抗がん剤はもう使えないので中止し、手術を早める」
⇒当然です。
「残った抗がん剤については術後するかしないか検討する、と言われました。」
⇒安全性を考えて…
 私なら「中止」です。
「①肺炎になると手術を早めるしか方法はないのですか?」
⇒その通りです。
 命を危機に曝す事は決して行ってはなりません。
「他の抗がん剤で術前をやりきることはできないのでしょうか。」
⇒術前術後に使える抗癌剤の種類は決まっています。(アンスラサイクリンとタキサンだけです)
 パクリタキセルが駄目ならドセタキセルしかありませんが…(アブラキサンは適応外です)
 リスクは冒してはいけません。
「術後やらない選択をしたら、再発転移率を上げますか?」
⇒数字での違いは「それ程ない」です。
「やるとしたら、どんな抗がん剤がありますか?」
⇒ドセタキセルしかありませんが…
 
「③温存希望ですが、上記の状態で温存を選択しても大丈夫でしょうか?」
⇒十分小さいので適応があります。(それであれば、術前化学療法をした甲斐があったというものです)
 
 

 

質問者様から 【質問2】

乳房内再発後の抗がん剤について
性別:女性
年齢:37歳
お忙しいところ失礼致します。
面識のない私にも的確な解答をして頂き、本当にありがとうございます。
また質問させて頂く無礼をお許し下さい。
2017年1月に右乳房温存手術+リンパ節郭清をした後、放射線治療とゼローダ錠6クール中の5クールを終えた頃、7月に再発し、8月末に右乳房全摘手術+リンパ節(ロッター)郭清を行いました。
術後病理は前回と同じくトリプルネガティブの
ki-67が95%で、しこりは6㎜が3個、ロッターは16㎜でした。
今後の治療について、主治医側からドセタキセルを行うべきか否かを提案されましたが、まだ迷っていると言われました。
前回AC4クール+パクリタキセル2回で途中肺炎になったので、私も決めかねています。
再発予防のためにもドセタキセルは必要でしょうか?
先生のご意見をお願い致します。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
申し訳ありませんが…
私は適応外診療は認めておりません。
ゼローダは「手術不能または、再発乳癌」です。
決して術前化学療法で行ってはいけません(質問者には罪はないとは思いますが)
「再発予防のためにもドセタキセルは必要でしょうか?」
⇒間質性肺炎になったわけだから…
 私は決して勧めません。