[管理番号:3876]
性別:女性
年齢:53歳
田澤先生、よろしくお願いいたします。
薬の効果のことでお聞きします。
①術前、術後の薬物療法に差はないとのことですが、術前で腫瘍がある方が効きが悪いということはないのでしょうか?
濃厚療法であるドーズデンス化学療法でも、効果が高いとされていますし、
RDIでも予定量の85%以上投与することで、効果が出るとされています。
見えるがんが50、見えないがんが50あるとすれば、手術などで見えるがんが無くなれば、がんの総量も減るはずです。
少ないガンの方が薬も行き渡るので、効果も大きいのではないでしょうか?
②薬によっては生涯投与量が決まっているものがあるということが回答に出ていました。
総量決まってない薬であれば、途中で休薬、減薬をした場合、例えば、12ヶ月の期間を15ヶ月に増やすとか投与回数を増やすなどで、効果を補強できるのでしょうか?
前述のRDIでは、85%を下回ってくると効果が薄くなってくる傾向があるとされています。
長くダラダラやるのがいいとは思いませんが、どうでしょうか?
③ステージ4だと5年生存率が30%くらいと出ています。
ステージ4で、薬物療法や手術でがんが消えてしまった場合、低ステージで手術してがんが消えてしまった場合、見かけ上はどちらもがんはないのですが、
その後同じように補助療法をしますが、再発や生存率はどうでしょうか?
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「少ないガンの方が薬も行き渡るので、効果も大きいのではないでしょうか?」
⇒理屈では、そのようにも思えますが(個々の症例の中ではそのようなケースもあるかもしれませんが)、実際(統計学的)には差がでていません。
「総量決まってない薬であれば、途中で休薬、減薬をした場合、例えば、12ヶ月の期間を15ヶ月に増やすとか投与回数を増やすなどで、効果を補強できるのでしょうか?」
⇒これは「再発治療」の話ですか?
再発治療には「決まった投与期間や投与回数」はありません。 病状に応じて投与期間などは変わります。
○もしも「術後補助療法」であれば… (ご本人が希望されれば)総投与量を同じ様にすることはできます。 ただし、そのようにしてもRDIは保たれないので実際の有効性については不明です。
「再発や生存率はどうでしょうか?」
⇒全く異なります。
遠隔転移巣が(薬物療法で)「見掛け上(画像診断での検出範囲内で)消失」することと、原発巣を手術により「物理的に撤去」することは「全く次元の異なる」話です。(統計の数字を確認するまででも無い話しです)