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オンコタイプdxについて

[管理番号:3864]
性別:女性
年齢:65歳
田澤先生 いつもお世話になっております。
乳がん告知をされてから、このサイトにたどり着き、乳がんに対し全く無知だったので
とても心の支えになっています。
どうぞ宜しくお願いいたします。
これまでの経過を下記にまとめましたので、先生のご意見をお聞かせください。
手術後 (術前の検査数値)
組織型:浸潤性小葉ガン
大きさ:34×29mm  (術前17.2×13.6×13.5mm)
組織学的波及度:f(+)、s(-)、p(-)、
脈管侵襲:ly(-)・v(+)
切除断端:陰性
病期:stageⅡA、(pT2 N0)
her2遺伝子:増幅無し
ki67:検査なし (術前43%)
1か月前、左乳房温存手術をしました。
術後の2週間後に胸がパンパンに腫れ、体液?を抜いてもらい、腫れもひいていますが、傷口が未だ開いており、消毒している状態です。
主治医から、このような経過は稀とのことで、徐々に塞がっているので心配しないように言われております。
そのことで、治療開始が遅れることも心配ですが、抗がん剤治療を受けるか非常に迷っています。
できれば受けたくないです。
主治医から、TC抗がん剤治療(4クール)+放射線治療+ホルモン治療を提示され、藁をもつかむおもいで、オンコタイプdxの検査を依頼しましたが、結果は更に1か月後です。
①オンコタイプdxの結果、低~中間リスクは抗がん剤治療を受けない予定ですが、高リスクになった場合、抗がん剤治療をしないことで、この数値で再発や転移の割合はどの程度なのでしょうか?
抗がん剤要否でで、どの程度の差が生じるのか不安です。
②またオンコタイプdxの低・中・高とは、どのようなことなのでしょうか?
例えば、高に近い中と、低に近い中とは違うと思いますが、数値は
は、でないのでしょうか?また、ki67の数値の変化はあるのでしょうか?
③術後の腫れ、と癌細胞の因果関係?のようなものは、全く無いのでしょうか?
④やはり、治療の説明をきいたうえで、最終決定は本人の選択なのでしょうか?それとも、田澤先生は、説得されるのでしょうか?
どうぞ宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「①オンコタイプdxの結果、低~中間リスクは抗がん剤治療を受けない予定ですが、高リスクになった場合、抗がん剤治療をしないことで、この数値で再発や転移の割合はどの程度なのでしょうか?抗がん剤要否でで、どの程度の差が生じるのか不安です。」
⇒それは、オンコタイプのレポートに数字が出てきます。
 ホルモン療法だけの場合の10年再発率「Tam Alon」
 ホルモン療法+抗癌剤での10年再発率「Tam + Chemo」
 ○この差「Tam + Chemo」-「Tam Alone」が「抗ガン剤による上乗せ効果」となります。
「数値は、でないのでしょうか?」
⇒上記コメント通り「上乗せ」の数字が出ます。
「また、ki67の数値の変化はあるのでしょうか?」
⇒ありません。
 OncotypeDXは「Ki67も含めた16癌関連遺伝子」の増幅をまんべんなく見ているのです。(Ki67だけで判断しているのではありません)
「③術後の腫れ、と癌細胞の因果関係?のようなものは、全く無いのでしょうか? 」
⇒全くありません。
「④やはり、治療の説明をきいたうえで、最終決定は本人の選択なのでしょうか?
それとも、田澤先生は、説得されるのでしょうか?」

⇒当然、ご本人です。
 あくまでも再発予防は、「自分のために行う」のです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

抗がん剤治療を受けなかった場合
「管理番号:3864」オンコタイプdxについてで、早速に回答して頂き有難うございました。
「最終決定は本人の選択」とのことは、頭では分かっておりますが、オンコタイプdxの結果が、高リスクの範疇であったときの、心の準備として再度質問させてください。
①主治医から提示されている、TC抗がん剤治療(4クール)+放射線治療+ホルモン治療が最善なのでしょうか?また、放射線治療やホルモン治療の内容?はどのようなものなのでしょうか?田澤先生のご意見をお聞かせください。
②TC抗がん剤治療を受けたときと、受けなかったときの、放射線治療、ホルモン治療の内容や回数が違うのでしょうか?
③たぶん、今のところオンコタイプdxの結果がどうであれ、抗がん剤治療はしたくない方向です。
結果まで1か月の間に、先行してホルモン治療治療をした方がいいのか?
 傷口がふさがるまで、待っていたほうがいいのか? 何か治療として受けていた方いいことがあるのか?待っている1か月は長いです。
どうぞ宜しくお願いたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「Oncotype DXの結果がハイリスクだった場合」など、「あまり仮定ばかり」で物事を考えるのは良くありません。
1歩1歩立ち止まって、考えることも必要です。
「放射線治療やホルモン治療の内容?はどのようなものなのでしょうか?」
→放射線治療は「温存乳房照射」
 ホルモン療法は「閉経後のもの:アロマターゼインヒビター(アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾールのどれか)」
「TC抗がん剤治療を受けたときと、受けなかったときの、放射線治療、ホルモン治療の内容や回数が違うのでしょうか?」
→変わりません。
 この質問内容から推測するに、質問者は「局所療法と全身療法をきちんと分けて理解されていない」ようです。
 乳癌の治療は「局所療法」と「全身療法」に完全に分けて考え、それぞれは全く独立しているのです。
 ○局所療法 「全摘」or「温存+(温存乳房)照射」
 ○全身療法 「ホルモン療法」or 「ホルモン療法+化学療法」
 ♯局所療法をどうしたから、全身療法をどうするではなく、全く独立しているのです。
「結果まで1か月の間に、先行してホルモン治療治療をした方がいいのか?
 傷口がふさがるまで、待っていたほうがいいのか? 何か治療として受けていた方いいことがあるのか?」

→抗ガン剤するにしろ、しないにしろ…
 ホルモン療法はするのだから、「ホルモン療法を開始」しておいても何ら問題ありません。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

「管理番号:3864」オンコタイプdxについて
田澤先生、いつもお世話になっております。
「オンコタイプdx」をよく理解しないまま、先生に質問してしまいましたが、分かり易く説明していただき有難うございました。
感謝しております。
報告です。
その「オンコタイプdx」の結果、スコア15でした。
(こんな大逆転ってあるのでしょうか?)今日その説明を主治医から受けてまいりました。
これでスッキリと抗がん剤不要、放射線とホルモン治療に専念したいと思っております。
だが喜んだあと、冷静に考えますと、病院で種々の検査したデータでは、抗がん剤必要のグループに入っているとの説明を受けました。
どうしても抗がん剤治療を受けたくない理由として、更に今日ある、乳がん検査の中では精度が高い?と言われている「オンコタイプdx」に望みを掛け、スコア30以上なら抗がん剤を受け入れる覚悟でした。
(主治医は、検査費用が高額なので、患者から希望があれば検査をするというスタンスです。)
結果、抗がん剤治療を受けなくともいい数値になり、身体的・精神的苦痛から解放されたことは、高額費用には代えられないと思っております。
これまでに癌告知を受けてから、検査・入院・手術・交通費等費用がかさんでいるうえに、保険外診療の45万円の「オンコタイプdx」は、かなり躊躇する額です。
どの様な結果が出ようとも、誰でも、今受けることができる最先端?の重要な検査の費用を、保険内で賄えるシステムの構築を早急にお願いしたいことを、今回のことで強く思った次第です。
(ネットでもある様に、抗がん剤は製薬会社との・・・・もあるのかな?)
質問です。
①部分切除後、8週間過ぎても傷口が塞がらず、早く放射線治療をしないと、小葉癌が拡散してしまうような感じがして、心配でなりません。
これから骨密度、血液検査等をして、放射線科の医師の治療を受けると、1か月以上先の様です。
主治医は、2週間後ぐらいには、傷口が塞がりその後で大丈夫と言いますが、不安なのです。
本来はいつ頃までに放射線治療開始するべきなのでしょうか?そのスケジュールで大丈夫ですか?
どうぞ宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
オンコタイプ結果良かったですね。
抗癌剤は勿論不要ですし、再発率も低くて安心されたことでしょう。
「①部分切除後、8週間過ぎても傷口が塞がらず、早く放射線治療をしないと、小葉癌が拡散してしまうような感じがして、心配でなりません。」
⇒心配ありません。
 術後照射はあくまでも「予防照射」なのです。
「本来はいつ頃までに放射線治療開始するべきなのでしょうか?」
⇒術後5カ月以内に開始すればいいのです。
「そのスケジュールで大丈夫ですか?」
⇒大丈夫です。