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乳管癌の切除に関しまして

[管理番号:3859]
性別:女性
年齢:53歳
はじめて質問をさせて頂きます。
いつも先生の質問コーナーを拝見して、勇気を頂いております。
 
私は53歳の主婦です。
先月早期乳管癌で追加切除致しました。
 前回の手術は部分切除で、乳管に広く進展しており、断端陽性とのことで、追加切除となりました。
 
 ● この時点での病理結果です。
 ① ほとんどが非浸潤癌だが、一部浸潤あり。
浸潤部分0.5ミリで1ミリ以下。
 ? ホルモン陰性。
 ③ ハーツー陽性(+3)
 ④ グレード3
 ? 脈管侵襲なし
 ? リンパ管侵襲なし
 ⑦ Mib1 40
 主治医の先生は、取り残し部分はほとんどなく、断端陽性ではあるが、今回の手術で取りきれている可能性もあるため、もう一度迅速病理をしながらの温存手術をすすめてくださいましたが、乳管内に広く進展していることと、一部微小浸潤していることもあり、全摘手術をお願い致しました。
 ● 追加切除後の病理結果
 ① 大部分の病片は前回の手術で切除されており、残存部分は全て非浸潤癌。
 ? 非浸潤癌のため、今回は免疫染色はしていないが、病片の真ん中は壊死しており、めんほう状になっている。
 
 今後は無治療となり、主治医からは「治ったんじゃないの」とのコメントがありました。
 ここで田澤先生に質問させてください。
①  前回の手術でセンチネルリンパ節1個を取り、微小転移もありませんでしたが、前回から追加手術まで1ヶ月も経過しております。
リンパ節の転移がセンチネルの先に進展することはないのですか。
 ? また、前回は微小浸潤0.5ミリがあり、全てが非浸潤がんというわけではありませんでした。
この先、この浸潤部分が再発転移を脅かすことはありませんか。
(微小浸潤のため組織型は調べられない)
③ 非浸潤部分がめんほう状になっていることで、主治医からは、「比較的再発しやすいが、全摘しているので可能性は低い」との説明がありました。
ホルモン陰性、グレード3、ハーツーも+3ということで、決しておとなしいとは言えない性質なので、心配しています。
日頃、田澤先生のQ&Aを拝見する中で、非浸潤部分の組織型を気にする必要はないとのことで理解しているつもりですが、皆さん、グレードが低かったり、非コメド型だったりと、大人しいタイプの方が多いような気がします。
私のようなタイプも、
非浸潤部分の組織型なので同じように考えてよいものでしょうか。
 大変お忙しい中、このような質問を先生に伺うのは心苦しいのですが、 先生の心強
いお言葉を頂ければ、もやもやした気持ちも落ち着くような気が致します。
 何卒、よろしくお願い申し上げます。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「微小浸潤で全摘」は「限り無く根治」となります。
余計な心配をしないようにしましょう。
「①  前回の手術でセンチネルリンパ節1個を取り、微小転移もありませんでしたが、前回から追加手術まで1ヶ月も経過しております。リンパ節の転移がセンチネルの先に進展することはないのですか。」
⇒ありません。
「前回は微小浸潤0.5ミリがあり、全てが非浸潤がんというわけではありませんでした。この先、この浸潤部分が再発転移を脅かすことはありませんか。」
⇒ありません。
 確率的に(ゼロでは無いにしても)限り無くゼロです。
「③ 非浸潤部分がめんほう状になっていることで、主治医からは、「比較的再発しやすいが、全摘しているので可能性は低い」との説明」
⇒誤りです。
 正確には「コメド壊死を伴う非浸潤癌」は(再発し易いのではなく)「浸潤癌になり易い=浸潤癌を伴い易い」ということです。
 全摘しているのだから「気にする必要は全く」ありません。
「ホルモン陰性、グレード3、ハーツーも+3ということで、決しておとなしいとは言えない性質なので、心配」
⇒無駄な心配です。
 非浸潤癌は「全摘したら根治」なのです。
「日頃、田澤先生のQ&Aを拝見する中で、非浸潤部分の組織型を気にする必要はない」
⇒その通りです。
「私のようなタイプも、非浸潤部分の組織型なので同じように考えてよいものでしょうか。」
⇒その通りです。
 「コメド壊死型」は『放っておけば浸潤癌になりやすいので危険』と認識しましょう。
 「摘出」することでリスクはなくなります。