[管理番号:3518]
性別:女性
年齢:51歳
先生、初めまして。
5月に乳がんと診断されて以来、こちらで勉強させて頂いております。
今月初旬に右乳房部分切除術およびセンチネルリンパ節生検を行いました。
後日の病理検査結果は
診断 : 浸潤性乳管癌(硬癌)
大きさ: 1.0cm
リンパ節転移: センチネルリンパ節 1個摘出中
1個に転移あり
グレード: グレード2
断端: 非浸潤癌が広がっており、一部(内部)で
露出あり 断端陽性
エストロゲンレセプター: 陽性
プロゲステロンレセプター: 陽性
HER2蛋白: 陰性
という内容でした。
* 乳房の断端陽性の部分に関しては、
追加の切除(部分もしくは全摘)、もしくは部分照射を追加した温存乳房照射のいづれか
* 腋窩リンパ節転移に関しては、
追加の腋窩リンパ節郭清、もしくは腋窩に対する放射線治療のいづれか
の選択を次回まで決めるよう言われました。
担当医の説明は、放射線照射でも効果は期待できるが
確証がなく、
(リンパへの照射はここ最近増えてきたので 5年10年後のデータがない)、
手術は治療的目的の他に、転移の有無を調べる診断的目的 の結果を得られるので、より確実のような印象でした。
断端陽性に加え、丈夫でしょうと言われていたリンパ節に 転移があり非常にショックでした。
今後の生活、子供達の将来の事を考えると
不安が募る一方、より確実な方法で治療を進めていこうと
気を取り直しているのですが、是非先生に進言頂きたく思いました。
先生、乳房・リンパいずれも放射線治療よりも再手術
(するのであれば乳房は全摘を考えております)した方が
宜しいでしょうか?
腋窩リンパ廓清は、 むくみや痛み・挙手障害など術後の
後遺症を考えると躊躇しておりますが、転移状況を知る
意味でも廓清した方が良いのでしょうか?
先生からの助言を頂きたく質問した次第です。
宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
○センチネルリンパ節生検は「術中迅速診断」していないのですね?
通常は、(事前に取り決めをしておき)「術中迅速診断の結果で、そのまま郭清を追加する」ことになります。
「先生、乳房・リンパいずれも放射線治療よりも再手術 (するのであれば乳房は全摘を考えております)した方が 宜しいでしょうか?」
⇒(断端に関しては、その程度が不明なのですが)
やはり、確実なのは「追加切除(部分切除もしくは全摘)」となります。
また「センチネルリンパ節は肉眼的転移(2mm<)」なのですか?
そうであれば、当院では「追加郭清」しています。
「 腋窩リンパ廓清は、 むくみや痛み・挙手障害など術後の 後遺症を考えると躊躇しております」
⇒上手に手術をしてもらえば大丈夫です。
「転移状況を知る 意味でも廓清した方が良いのでしょうか?」
⇒肉眼的転移(2mm<)であれば、「局所再発を防ぐ目的で」郭清すべきでしょう。
(ただし、浮腫を来さない様に、ある程度加減すべきです 画像上明らかな転移が有るケースと同様にすべきではありません)