[管理番号:3444]
性別:女性
年齢:女性
田澤先生初めまして。
今年の6月末に乳癌と診断されてからいつもこちらで勉強させて頂いております。
7/末に右乳房全摘手術+再建を行いました。
[針生検の結果] ホルモン受容体陽性、しこりの大きさ2cm、
核グレード1、KI67 5%
[マンモトーム生検] エストロゲン受容体+(8/8)、プロゲステロン
受容体+(
受容体+(8/8)HER2陰性-、KI6726%
[術後病理検査] 組織型 浸潤性小葉癌
浸潤がんの最大径 11.2cm×7cm×2.2cm
リンパ節転移の数 0/1(遊離細胞+)
核グレード 2
エストロゲン受容体+(8/8)
プロゲステロン受容体(8/8)
HER2陰性1+
KI67調べていないとのこと
1yo,v0
病期T3、N0、M0
との診断があり、小葉癌とはいえ浸潤径の大きさに愕然となりました。
核グレード2も上がってしまいました。
リンパ転移がなかったことは唯一救いでしたが・・・
質問① 田澤先生、この検査結果をご覧になり、抗がん剤は必要と思われますか?担当医からは抗がん剤の話を次回したいとのことでした。
しこりの大きさと核グレード2ということでやっておいた方が安全とのことした。
ただ、私は抗がん剤にはかなり抵抗があり出来れば避けたいのですが、ホルモン療法のみでも大丈夫でしょうか? また、ホルモン療法のみと化学療法をプラスした場合の再発率を教えて下さい。
質問② ホルモン療法に加え、放射線治療も必要でしょうか?
担当医は全摘したがしこりが大きいので念の為、2次再建後胸全体と周辺全てやった方がいいとのことでした。
私は放射線治療に関してはリンパ節など周辺の照射は納得できるのですが、シリコンが入ってるところに当てて良いのか不安があります。
ただ、病変が皮膚近かった為その近辺は切除してるそうでしたので胸を照射せず万が一癌が残っているのも不安で迷っています。
質問③ どう考えても浸潤癌の最大径11cmというのは小葉癌が大きくなりやすいとはいっても不安で仕方ありません。
やっぱり予後の良し悪しに関係するのでしょうか?
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
(質問者もご存じのように)小葉癌は浸潤径が大きくなりがち(バラバラっとしているため)です。
乳管癌の11cmと同様に考えてはいけません。
「質問① 田澤先生、この検査結果をご覧になり、抗がん剤は必要と思われますか?」
⇒必要ないと思います。
手術標本で「Ki67を測定していない」というのが納得できませんが、「針生検の結果からは、おそらくluminalA」だと推測しています。
「担当医からは抗がん剤の話を次回したいとのことでした。」「ただ、私は抗がん剤にはかなり抵抗があり出来れば避けたい」
⇒それであれば、是非「担当医を説得するためにも」Oncotype DXをお勧めします。
「また、ホルモン療法のみと化学療法をプラスした場合の再発率を教えて下さい。」
⇒残念ながら、現在NewAdjuvant.comが接続不能です。
OncotypeDXをすると、それらがより正確な値として解りますよ。
「質問② ホルモン療法に加え、放射線治療も必要でしょうか?」
⇒一応の基準としては「腫瘍径5cm以上」というものがあります。
ただし、「小葉癌での5cm以上」としてのエビデンスは当然ありません。
シリコンであれば照射に支障なしとの見解が多いようです。
「質問③ どう考えても浸潤癌の最大径11cmというのは小葉癌が大きくなりやすいとはいっても不安で仕方ありません。やっぱり予後の良し悪しに関係するのでしょうか?」
⇒おそらく、あまり影響しないと思います。
実際には、臨床的(画像判断での)「2cm」相当と同等でしょう。