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抗がん剤治療『 「OncotypeDXによる分類」と「ER, PgR, HER2, Ki67の免疫染色による(簡易的)サブタイプ分類」と「本来のサブタイプ分類(intrinsic subtype)」の関係』

[管理番号:3301]
性別:女性
年齢:36歳
 
 

質問者様の別の質問

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管理番号:3155「抗がん剤を迷ってます

 
 
先生おはようございます。
何度も何度もスミマセン…
先生のQ&Aにはいつも励まされてます。
また質問なんですが…
昨日から鎖骨と胸の間ぐらいに湿疹?汗疹?みたいな出来物があるのに気付きました。
3つぐらい…かなり小さく汗疹にも見えるのですが…
もしや皮膚転移?再発?と気になりだし寝れなくなりました。
皮膚転移?再発などはありえますでしょうか?
またオンコタイプDXなのですが…先生は中間リスクになった場合
抗がん剤はなしでいいとおっしゃってましたが…高リスク近くの中間リスクだった場合は考えた方が良いですか?
またオンコタイプDXで低リスクになった場合術後の病理結果のki67は気にしなくても大丈夫なんでしょうか?
また先生はルミナールbの方に抗がん剤適応ですって言ったQ&Aもチラホラ目にするのですが…やっぱり癌の大きさグレードERなどその方の結果を見ておっしゃってるのですよね?
ルミナールbでも色々な結果で変わってくると理解してよろしいでしょうか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「昨日から鎖骨と胸の間ぐらいに湿疹?汗疹?みたいな出来物があるのに気付きました。
3つぐらい…かなり小さく汗疹にも見えるのですが…もしや皮膚転移?再発?と気になりだし寝れなくなりました」
⇒術後、それ程間が無いのですよね?
 そもそも皮膚転移は「かなりの局所進行乳癌」でしかおこりません。
 質問者のような早期乳癌で「皮膚転移など、私は一度もみたことがありません」
 御心配なく。
 
「またオンコタイプDXなのですが…先生は中間リスクになった場合抗がん剤はなしでいいとおっしゃってましたが…高リスク近くの中間リスクだった場合は考えた方が良いですか?」
⇒中間リスクでは(高リスクに近いとか何とか無関係に)化学療法による上乗せは殆どありません。
 
「またオンコタイプDXで低リスクになった場合
術後の病理結果のki67は気にしなくても大丈夫なんでしょうか?」
⇒その通りです。
 
「また先生はルミナールbの方に抗がん剤適応ですって言ったQ&Aもチラホラ目にするのですが…やっぱり癌の大きさグレードERなどその方の結果を見ておっしゃってるのですよね?ルミナールbでも色々な結果で変わってくると理解してよろしいでしょうか?」
⇒質問者は勘違いしています。
 そもそも本来の「intrinsic subtype」とは「496個もの遺伝子の発現パターンによる分類」なのです。
 それを「ER, PgR, HER2, Ki67(の免疫染色)」で「代用」したものが実際の臨床現場で使用されています。
 つまり「ER, PgR, HER2, Ki67(の免疫染色)」によって「luminalB」と診断しているのは(実際は)「間違い」であり、それで時々「luminalB(like)」という表現を用いるのです(つまり○○様ですね)
 そこに(僅か21遺伝子ではあるが)遺伝子検査により(「ER, PgR, HER2, Ki67(の免疫染色)」よりは)より本来の「intrinsic subtypeに近付けた」検査として位置するのが「OncotypeDX」なのです。
 ○つまり「ER, PgR, HER2, Ki67(の免疫染色)」だけしか行っていなければ(これが通常の状態です)それで解る範囲で判断すべき⇒Ki67により「luminalA とBを分ける」
  しかし、ここでOncotypeDXを行ったのであれば、その結果の方を優先すべき⇒
『「ER, PgR, HER2, Ki67(の免疫染色)」ではluminalBと判断されても、OncotypeDXで低リスクもしくは中間リスクとなればluminalA(化学療法による上乗せ効果がない)と判断すべき』なのです。