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腫瘍径の誤差

[管理番号:3206]
性別:女性
年齢:52歳
半年前 エコー マンモの検診をし異常なしでしたが
半年後 右胸にしこりをみつけ
受診 注射器でやる細胞検査でクラス5で乳癌と診断されました
始め受診した病院では腫瘍径13㎜から15㎜
紹介された大学病院では17㎜
ただ大学病院は手術が早くて8月と言われたため
別の病院を受診
昨日乳房温存手術を終えリンパ節転移なしでした
ただ 受診から手術まで半月ほどだったため
マンモトームなどの検査はせず 術後の病理検査待ちです
手術が先になってしまいましたが
エコーでは16㎜術前MRIでは20㎜
そして手術中に摘出した腫瘍回りを検査し
たら少し癌細胞があったため 追加でとりましたとのことでした
長くなりましたが
半年で15㎜進行が早いんですか?
腫瘍径はエコーやMRIでの誤差はありますか?
手術で追加で腫瘍回りをとったって事は浸潤が広かったのでしょうか。
センチネルリンパは人によってちがうけど一つで転移なかったと言われました。
手術が終われば又違う不安があり気持ちがしんどいです。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「半年で15㎜進行が早いんですか?」
⇒大きな「勘違い」です。
 質問者は「半年前のエコーで異常無」から「半年後に15mm」で「そのように想像されている」ようですが…
 ①半年前のエコーの時点で「全く無かった」ことはありえまえん。
 3mm以下ならば「所見としては捉えられない」可能性も十分にあります。
 ②本来「チェックされるべき 5mm程度だった」が見逃されていた可能性さえあります。
 ①にしろ②にしろ「半年前にはゼロだった」訳では決してありません。
 
「腫瘍径はエコーやMRIでの誤差はありますか?」
⇒大いにあります。
 そもそも「腫瘍」は立体的であり「不規則な形(完全な球形ではないわけです)」なので「計り方」でいくらでも誤差がでます。
 MRIでは(超音波では見えない拡がりを捉える目的なわけだから)当然「超音波よりも大きく」なりがちです。
 
「手術で追加で腫瘍回りをとったって事は浸潤が広かったのでしょうか」
⇒術中の「断端迅速診断」でのことです。
 「癌の拡がりが(思っていたよりも)大きかった」ということになりますが、それは「浸潤とは限りません。むしろ非浸潤癌としての拡がりが(思っていたよりも)大きかった」と言う可能性の方が大きいです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

こんにちは その節はご回答下さりありがとうございました
術後 20日ほどたち 術前とかわらない毎日をすごいておりますが 病理検査結果がで
て気持ちが落ち込んでしまいましたすみませんが質問させてください
☆腫瘍径(顕微鏡でみた癌の大きさ浸潤経)3センチ
☆リンパ節転移個数/リンパ節摘出個数0:1
☆ホルモンレセプター
エストロゲン80〜90
プロゲステロン70〜80
☆グレード3
☆腫瘍の周囲に広域な脈管浸潤あり(リンパ管)
☆HER2スコア0
☆ki-67…30
主治医の先生からパクリタキセル12回
後放射線…フェマーラ5〜10年と言われました(7年前に子宮筋腫で子宮全適してます)
パクリタキセルは毎週大変だけど副作用が緩やかかなっと…
長くなりましたが
・パクリタキセルはアルコールが関係してるんでしょうか?アルコールが全然だめでアレルギーがあるかは調べたことはないですが…化粧品などアルコールが入ってるものは痒みがでたりします
・私はルミナールBですよね
・抗がん剤は12回でいいんですか?
抗がん剤は組合せたほうがいいとネットに出てたり3ヵ月×3ヶ月でやられてる方もいらっしゃいますよね
・私はグレードや脈管浸潤がとても気になり不安です
断面は陰性です
腫瘍も始めは13㎜…早期なので根治もできますよいわれ良かったっと思ってたので
手術までの間に誤差はあるとは言え ショックで 脈管浸潤も広域とあり
自分で始めはステージ1か2aと思っていましたが ステージは変わりますか?
本当は抗がん剤もしたくはないんですが3月に姉が大腸がんでなくなり
姉の始めの手術後予防治療は?と聞いたら転移もなくキレイに取りきれてるとの事で手術後予防治療もなく安心していましたが
2年後から再発を繰り返し亡くなったため少しでもリスクを下げれるならと思ってます
私より大変な方もたくさんおり
それでも根治されたかた
再発せず元気に過ごされてるかたが殆んどであるって頭では分かっていますが 心がついていけず 毎日くるしく不安で私も根治できるんでしょうか?
長々すみませんでした
主治医の先生を前になかなか聞けず
又 先生の回答の暖かさ的確さに甘えさせて頂きます
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
pT2(30mm), pN0, pStage2Aとなります。
「・私はルミナールBですよね」
⇒Ki67=30%はグレーゾーンです。
 はっきりとluminalBとは判断できません。
 ただし、Oncotype DXをしないかぎり、Ki67とか、その他の参考所見(核グレード
など)で判断するしかありません。(luminalB寄りというところでしょう)
「・抗がん剤は12回でいいんですか?抗がん剤は組合せたほうがいいとネットに出て
たり3ヵ月×3ヶ月でやられてる方もいらっしゃいますよね」

⇒luminal typeで行う抗がん剤ではTC(3週間に1回を4回)が一般的でしょう。
(アンスラサイクリン+タキサン 合計6ヵ月は過剰でしょう)
 (質問者が提案されている)weekly PTXは副作用が少ない「とてもいい」抗がん剤
ではありますが、標準ではありません。
 
「自分で始めはステージ1か2aと思っていましたが ステージは変わりますか? 」
⇒2Aです。

「私も根治できるんでしょうか?」

⇒勿論根治できる可能性の方が圧倒的に高いです。
 ○もしも「自分に本当に抗ガン剤の上乗せがあるのか?」と疑問に思うのであれば
「Oncotype DXすべき」です。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

こんにちは いつもありがとうございます
前回の質問させて頂き
病理検査結果ルミナールBとなり
抗がん剤の使用を悩んでおりましたが
田澤先生のご意見を聞き、オンコDXを受けようと決心いたしました
そこでもう一度ご質問させてください
・私のようにリンパ転移はなくても、脈管浸潤あり グレード3 のような場合 オンコDXで低リスクルミナールAとなる場合はあるのでしょうか?
田澤先生の回答で、脈管浸潤は局所再発因子だから抗がん剤より放射線っと言うご意見と遠隔転移因子とされてる時とあります
が どうしても脈管浸潤がきになります
・もうひとつ 前回パクリタキセル3ヶ月と申しましたが 私の勘違いでパクリタキセル3ヶ月 fec3ヶ月と病理検査結果に書いてあり 主治医の先生は私の場合リンパ転移はないから、TC3ヶ月でいいと思うけど…っと言われました もし オンコDXの結果 高リスクと出た場合 半年したほうがいいのでしょうか
今からオンコDXを出すため
7月(上旬)日に手術してから無治療になってます
大丈夫でしょうか?
そして自営業のため手術前とかわらずバタバタしていますが、痛みもほとんどないので大丈夫でしょうか?
からだは元気なんですが精神的に負けてしまいそうです
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「抗がん剤の使用を悩んでおりましたが田澤先生のご意見を聞き、オンコDXを受けようと決心いたしました」
⇒それは良かったです。
 「低リスクもしくは中間リスクなら化学療法は不要」です。
「私のようにリンパ転移はなくても、脈管浸潤あり グレード3 のような場合 オンコDXで低リスクルミナールAとなる場合はあるのでしょうか?」
⇒勿論です。
 「グレード」と「RS:recurrence score」は無関係であることがデータとしてあります。
 そもそも「脈管侵襲」は検討されてさえいません。(気にしない様にしましょう)
「もし オンコDXの結果 高リスクと出た場合 半年したほうがいいのでしょうか」
⇒TC3カ月です。
「今からオンコDXを出すため7月1日に手術してから無治療になってます大丈夫でしょうか?」
⇒全く問題ありません。
「そして自営業のため手術前とかわらずバタバタしていますが、痛みもほとんどないので大丈夫でしょうか?」
⇒その方がいいです。
 日常生活にまぎれて余計なことを考えずにすめば幸いです。
 
 

 

質問者様から 【質問4】

こんちは いつもご回答くださりありがとうございます
オンコDXの結果がでました
中間リスク 27スコア でした
中間リスクは化学療法なしと思ってましたが 10年再発リスク
ホルモン療法のみ 18%
ホルモン療法+化学療法上乗せ8%
3%や4%ぐらいならホルモン療法のみで行くつもりでしたが
8%は微妙に悩む数字となり
普通なら8%のために…っとなりますが乳癌と診断された者にとったら8%はとても大きな数字のような気がします
先生は8%の上乗せはどう思われますか?
10年再発率 10%となりますよね
ただ正直もう少し再発率が高いかなっと思っていた私にとっては
オンコタイプをした価値はあったかなっと思ってます
18%から10%に下がるならっと前向きになれたのも事実です
この数字は再発率的に高いですか?
漠然と再発や治療を不安に思っていましたが 自分の数字としてみてスッキリはしました
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
基本的に中間リスクでは上乗せ効果は「統計学的には有意差無」となっていますが、
個々の方の数字が明確に出ているのですから「その数字で判断」していいと思います。
「先生は8%の上乗せはどう思われますか?」
⇒たしかに質問者のおっしゃるように「微妙」な感じはします。
 あとは「副作用とのバランス」となるので、そこは「各自の生活スタイルとのバランス」となるでしょう。
 つまり、「今の生活スタイルを極力崩したくない」と考えるような方はホルモン療法単独だし、「家族の協力も得て、頑張る環境が自分も周辺も整っている」と感じている方は化学療法を選択することになるでしょう。
「18%から10%に下がるならっと前向きになれたのも事実です この数字は再発率的に高いですか?」
⇒10年再発率10%は十分に低い値です。
 私の印象では…
 質問者は「余計な心配」するより、化学療法を選択した方が(精神的にも)安泰な気がします。(あくまでもアドバイスですので、余計な事だったらすみません)
 ただアルコールに問題がありそうなので(アルコールを抜くことができる)ドセタキセルを用いたTCもご検討を。