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左上1センチしこりについて

[管理番号:3121]
性別:女性
年齢:36歳
こんにちは。
先日、会社の健康診断で要精密検査となり、近くの乳腺外科を受診しました。
結果、エコーには左上に1センチ位のしこりがあるとのことでした。
ただ、先生曰わく、触診で触れず、また乳頭から分泌物もでないので、半年後に再度、来院するように言われました。
(正直、要精密検査という言葉で慌てて、すぐに病院に行ったので、先生の言葉を聞き、勝手に焦ることはないと思い帰りました。
今、思い返しますと、先生に、乳癌ではないんですか?という質問には答えてもらえませんでしたので、更なる検査を臨むべきだったことを反省しておりますが。)
帰ってから、乳癌について調べていくうちに1センチ位のしこりであれば触診で触れるということが分かりました。
また、思い出してみると昨年の冬に乳頭から分泌液があり、また、左上胸が痛かった時期もありました。
首のリンパも腫れていたことを思い出しました。
おそらく1週間から10日で症状はおさまったと思います。
質問は、
Ⅰ、1センチの大きさがあっても触診では分からない乳癌はありますか?
Ⅱ、1センチ位だと初期のことが多いと言われてますが、乳頭から分泌液はとまりますか?
エコーにうつる位の大きさなら乳頭分泌はとまらない、と読みました。
もし今、1センチ位でも半年後には大きくなるし、不安になりました。
お忙しいところ、乱文で申し訳ありません。
もしお願いできましたら、ご回答を宜しくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「触診で触れず、また乳頭から分泌物もでないので、半年後に再度、来院」
⇒「触診で触れないから大丈夫」なんて「全くの論外」です。
 こんなことでは「非触知で見つけても無意味」となります。
 ○「非触知での診断」こそが「本当の早期発見」なのです。
 
「1センチ位のしこりであれば触診で触れるということが分かりました。」
⇒必ずしも、そうではありません。
 周りの(正常)乳腺とのコントラストが重要です。
 あの懐かしい「ウォーリーを探せ」を想像してみてください。
 例えるのなら「白地の布に赤いシミは目立つ」が「赤字の布に赤いシミは目立たない」ということです。
 
 ○具体的には
 ①乳腺の厚さ
  「厚い乳腺」の中の「1cmのしこり」と「薄い乳腺」の中の「1cmのしこり」では後者の方が「シコリが解り易い」ことは想像ができますか?
 ②乳腺の硬さ
  「硬い乳腺」の中の「硬いしこり」と「柔らかい乳腺」の中の「硬いしこり」では、後者の方が「シコリが解り易い」ことは想像ができますか?
「Ⅰ、1センチの大きさがあっても触診では分からない乳癌はありますか?」
⇒当然あります。
 (癌と同じくくらい)硬い乳腺(しかも厚い)の中に「1cmの同じ硬さの癌」がまぎれこんでいても「触診で区別する事は困難」となります。(良く想像してください)
 
「Ⅱ、1センチ位だと初期のことが多いと言われてますが、乳頭から分泌液はとまりますか?エコーにうつる位の大きさなら乳頭分泌はとまらない、と読みました。」
⇒何か勘違いをされている様です。
 そもそも、その「乳頭分泌とシコリ」の因果関係が不明です。
 乳頭分泌は「乳管内病変」以外の原因が圧倒的に多いのです。(単孔性で黄色、茶色、黒色、血性の場合は乳管内病変の可能性があります。 大事なことは「単孔性」です)