[管理番号:3108]
性別:女性
年齢:50歳
はじめまして。
2016年6月(上旬)日に乳がんと診断され、術前化学療法について、ぜひ先生のお知恵をいただきたく質問しました。
宜しくお願い致します。
非浸潤がんの可能性が高くリンパの転移もないと言われていたのですが、浸潤がんでステージⅢa、T3N1M0 グレード3。
また、
ホルモン感受性 +/-
HER2 +
Ki67 <10%
ルミナールB < HER2陽性
との診断でした。
来週、骨シンチと脳CTの予定です。
担当の先生からは、早い時期から術前薬物療法(抗がん剤7ヶ月プラスハーセプチン1年)を強くすすめられました。
術後薬物療法の場合は7月末に全摘手術の予定です。
就業していることもあり、術後薬物療法ではだめなのでしょうか?
抗がん剤に抵抗があるのですが、抗がん剤が良い治療法なのでしょうか?
また、この診断では予後がかなり悪いのでしょうか?
よろしければご回答の程お願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
術前抗がん剤の適応は「小さくして温存」です。
質問者は「変な理由(HER2陽性だと抗ガン剤が効き易いから。とか)」をつけて勧められているのでしょう。
「来週、骨シンチと脳CTの予定です。」
⇒無駄な被爆です。
もしも体のことを大事におもうのであれば、キャンセルしてもいいと思います。
♯トップページの「今週のコラム 6回目 無駄どころか有害なのです」を是非ご参照してください。
「担当の先生からは、早い時期から術前薬物療法(抗がん剤7ヶ月プラスハーセプチン1年)を強くすすめられました。」
⇒全く困ったものです。
術前抗がん剤の適応は本来「小さくして温存」です。
それを(本来の目的でもないのに)「無理やり、術前抗がん剤を勧める」ことには辟易しています。
「術後薬物療法ではだめなのでしょうか?」
⇒勿論、(小さくして温存したいという希望でなければ)手術先行でいいのです。
「抗がん剤に抵抗があるのですが、抗がん剤が良い治療法なのでしょうか?」
⇒本当にHER2が陽性ならば(HER2 3+もしくはFISH陽性)「抗HER2療法(ハーセプチン+抗がん剤)は必須」となります。
抗HER2療法は「再発率を半分にする」大変良い治療法です。
「また、この診断では予後がかなり悪いのでしょうか?」
⇒全くそんなことはありません。
抗HER2療法をきちんと行いましょう。