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抗がん剤の使用について

[管理番号:3015]
性別:女性
年齢:58歳
58歳、女性です。
右の乳がん(右外下)で全摘、再建しました。
浸潤がん(3.7cm)非浸潤がん(5.4cm)リンパ節転移無し
核グレードは3、トリプルネガティブです。
ステージはIIAです。
悪いところはとりきれた、ということでしたが、浸潤がんなので、全身に回っている
可能性のあるがんの芽を摘むために抗がん剤をするといわれています。
私としては、リンパ転移もなく 仕事を続けたいので、副作用の可能性のある抗がん剤はしたくないと考えています。
抗がん剤は幹細胞にはきかないと聞きますし。
後は自己管理したいと考えていますが、田澤先生の場合もこのような場合、抗がん剤はしたほうが良いとお考えになりますか。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
乳癌の診療(乳癌にかかわらず、癌であるかぎり)では「再発予防が重要」なのです。
「リンパ節に転移が無かった」は全くその事とは無関係です。
 
○逆にいうと(手術してみたら)「リンパ節転移があったから」リンパ節を治療するために「抗がん剤」をしなくてはならないという考え方も誤りです。
 リンパ節に転移があったとしても、「それは取っている」ので、あくまでも「全身のケアのため」に治療は行うのです。
 「リンパ節転移の有無」は術後療法とは無関係です。
 効果が期待できる治療をする。
 トリプルネガティブのように「ターゲットがない」場合には、(癌である以上、一般的に効果が期待される)「通常の抗がん剤をすべき」なのです。
 
「後は自己管理したいと考えています」
⇒自己管理とは?
 再発は「どんなに生活態度に気をつけても」それとは無関係です。
 
「田澤先生の場合もこのような場合、抗がん剤はしたほうが良いとお考えになりますか。」
⇒トリプルネガティブである以上、「術後補助療法として(通常の)抗癌剤を行うべき」です。