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妻の治療について

[管理番号:2976]
性別:女性
年齢:50歳
 いつも拝見させていただいています。
 お忙しい中恐縮ですが妻の右、左乳がんについてご質問させてください。
H27.6月から左乳房をホルモン治療をしていて1年も経過せずに左乳房に発症しました。
転移ではないと言われていますが右はホルモン感受性が弱いのに、ホルモン治療(リュ-プリン注射+ノルバティクス服用) 
+放射線治療との診断で、化学療法(抗がん剤)は必要がないのか悩んでいます。
(Drはリスクが0でないので勧められないとのことです。)
私も妻も、できるだけ生存率を上げ、再発率を減らしたいので(抗がん剤をやったほうがよいのか、ホルモン治療はこれでよいのか)
先生としての今後の治療方法についてのご意見をお聞かせください。
病理検査の結果を記述します。
性別:女性 50歳
1)右乳房
 H27.7月 温存手術 リンパ節転移なし
〔経緯〕
 ◎針生検
 invasive ductal carciinomo
 ER+(90%)PgR+(90%)HER2(2-)
 ◎術時
 デ-タ-はいただいていませんがDrから聞いている のはHR2陰性、ki67 10% 
 ◎診断はルミナ-ルAでホルモン治療(リュ-プリン注射+ノルバディクス服用しましたがH27.11月から子宮がんの
 副作用が怖くてアリミディツクスへ本人希望で変更しました)+放射線治療
2)左乳房
 H28.4月 温存手術 リンパ節転移なし
〔経緯〕
 ◎針生検
 invasive ductal carciinomo,scirrhous type scspected
 ER+(40%程)HER2(2+)
 ◎術時
 8×7×.5cm部分切除、核異型2、分裂像1でnuciear grade1
 標本上で直経度8mm断端は陰性。
MIB1 1%以下
 ◎診断はルミナ-ルAでホルモン治療(リュ-プリン注射+ノルバディクス服用)+放射線治療
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「H27.6月から左乳房をホルモン治療をしていて1年も経過せずに右乳房に発症しました。」「転移ではないと言われています」
⇒お気持ちお察しします。
 ただ、「左と右は全く別物」です。
 転移では決してありません。乳房の「右と左は点と地ほども遠い」のです。
 
「ホルモン治療(リュ-プリン注射+ノルバディクス服用しましたがH27.11月から子宮がんの 副作用が怖くてアリミディツクスへ本人希望で変更しました」
⇒閉経前にアロマターゼインヒビターへ変更してはいけません。
 適応外です。
 「LH-RHagonistとエキセメスタン」の閉経前投与のデータはありますが、あくまでも欧米でのデータであり、そのままあてはめてはいけません。
 
「◎診断はルミナ-ルAでホルモン治療(リュ-プリン注射+ノルバディクス服用)+放射線治療」
⇒pT1b(8mm), pN0, luminalA(HER2 2+は当然FISHしてますよね)
 本来ならタモキシフェン単独ですが…
 左乳癌の病理が不明ですが、左は「LH-RHagonistを併用した方がいいようなリスクがある」のでしょうか?
 ○いずれ再発ではないので、「全く別個」に治療は考えましょう。
 ルミナールAでこの病理結果であれば「化学療法は無用」です。