[管理番号:2955]
性別:女性
年齢:48歳
こんにちは。
田澤先生。
いつもブログ拝見させて頂いております。
4月に右側全摘したものです。
乳頭はそのまま温存しております。
同時に1次再建しました。
乳頭に近かったので手術後に乳頭は考えることになっていました。
病理結果は
癌の大きさ1.5
顔つき 3
リンパ節転移 10個ほど取りましたが転移はありませんでした。
当初エコーで怪しいと言われていましたが大丈夫でした。
ER陽性 P&R陽性 HER2 3+
ステージ1でした。
治療は
AC4クール
タキソール+ハーセプチン 12回
ハーセプチン 残り1年
ノルドデックス 5年~10年
の治療を考えております。
抗がん剤の副作用等考えております。
又、再発等のリスクも不安です。
顔つきも悪いようで…
全ての治療をすることになり不安になっております。
アドバイス等宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
グレード3について、無用な心配をされているようです。
pT1c(15mm), pN0(事前に「センチネルリンパ節生検を行わない取り決め」をしていたのだと推測しますが、結果として転移が無いのに、郭清されてしまったことは残念に感じます)
○あくまでも早期癌ですから心配ありません。
このような早期癌の場合には(質問者が予定されているような)「アンスラサイクリン+タキサン+ハーセプチン」というgolden standardではなく、
非アンスラサイクリンレジメン(アンスラサイクリンを用いないレジメン)も適応だと思います。
(参考に)
非アンスラサイクリンレジメン
①パクリタキセルとハーセプチンを毎週投与(12回)⇒ハーセプチン単剤(14回)
これは、(質問者が予定されている)スタンダードレジメンとは異なり「AC療法を行わない」やり方です。
「最初の12回の毎週通院」は「通院は大変」ですが、「副作用は格段に楽」です。
その後のハーセプチン単剤には副作用はありません。
②ドセタキセル+エンドキサン+ハーセプチン(4回)⇒ハーセプチン単剤(14回)
これは、「全て3週毎通院」となります。
①と比較すると「通院回数が少ない」ことが利点ですが、「副作用は①よりは、やや強い」と言えます。
効果に関しては①との直接比較はありませんが、「パクリタキセル(毎週12回)=ドセタキセル(3週投毎投与4回)」と考えると②の方が「エンドキサン分」上乗せされると思います。
③ドセタキセル+カルボプラチン+ハーセプチン(6回)⇒ハーセプチン単剤(12回)
これも「全て3週毎通院」となります。
カルボプラチンが唯一乳癌の適応を通る使い方です。
「治療はAC4クール タキソール+ハーセプチン 12回 ハーセプチン 残り1年 ノルドデックス 5年~10年」
「抗がん剤の副作用等考えております。」
⇒不安であれば、ACを抜いた①も検討すべきでしょう。
これであれば、殆ど副作用なく(広範に痺れがでますが)安心して行えます。
「又、再発等のリスクも不安です。」
⇒心配無用です。
あくまでも早期乳癌です。
抗HER2療法は再発率を更に半分にします。
質問者様から 【質問2】
先日は回答ありがとうございます。
病理結果です。
Invasive ductal carcinoma,solid tubular carcino carcinoma,right breast,surgery(right breast,solid tubular tubular carcinoma,tf3,na2,mc3,id15X13mm , pt1c,f, pt1c,f,ly0,v0,margin is free)
15X13mm大の腫瘍性病変が見られ内部では小胞巣から小集塊を形成する
異型乳管上皮が増殖湿潤を示す。
腺管形成は不明瞭で核異型も中程度(na2)認める。
核分裂像高倍率25視野で28
視野で28個(mc3)。
腫瘍一部で脂肪組織に湿潤示す。
結節外にも浸潤像が見られ
像が見られる。
明らかな血管侵襲及びリンパ管侵襲は見られません。
皮膚側断端陰性0.5mm深部断端陰性8mm頭側断端陰性62mm尾側断端陰性45mm
45mm内側断端陰性45mm外側断端陰性110mm
乳管の拡張が見られアポクリン化生が見られる。
小さなFibroadenomaも見らも見られます。
No neoplastic lesion involveg,lymph node,surgery(s (sentinel0/1,Lexel 1(0/10)
センチネルリンパ節1個及びLevel1のリンパ節10個提出。
いずれも著変に乏しいリンパ節で腫瘍性病変及び悪性とする所見は見られません
少し不安になったので記入させて頂いております。
治療日が近いので再度アドバイス願います。
宜しくお願い致します。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
pT1c(15mm), pN0
抗HER2療法の絶対的適応がありますが、リンパ節転移もなく非アンスラサイクリンレジメンの適応だとは思います。
その他、特に追加することもないように思います。