[管理番号:2923]
性別:女性
年齢:51歳
母の化学療法について教えて頂きたいと思います。
4月の中旬に左の胸を部分切除しました。
検査の結果がわかりましたので質問させて頂きます。
浸潤性乳管癌:硬癌
f(+) ⅰnsitu(+)大きさ1.8cm 病期1
切除断端:癌陰性 リンパ節転移なし
・グレード3・増殖マーカー ki67指数20-30%早め(高増殖
・ホルモン受容体(強陽性)
・エストロゲン8/8・プロゲストロン7/8・HER2依存性陰性1
術後の治療
・温存乳房照射
・全身:くすり(タモキシフェン)抗がん剤CT療法をするか?
先生はグレードが気になるのでしたほうがよいと言われました。
家族はしたほうがよいと思いますが母はしたくないといいます。
先生は化学療法をしたほうがいいとおもいますか?
した場合の再発率はどのぐらいでしょうか?
母は肝臓の検査で肝血腫の疑いで要検査で胃炎と逆流性食道炎があり不安があります。
他に方法があればしりたいと思います。
わからないことばかりで何をしてあげたらいいのか悩みます。
少しでも母の気持ちが楽になればと思います。
先生宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
pT1c(18mm), pN0, luminal type
一昔前(10年前)ならば、「抗がん剤をしましょう」とはならなかったのですが、今では「サブタイプの概念」から「化学療法も一度は検討して方針を決めるべき」となります。
○Ki67(20-30%)はグレーゾーンとなりluminalA(ホルモン療法単独)かluminalB(ホルモン療法+化学療法)なのか、「境界域」となります。
「先生は化学療法をしたほうがいいとおもいますか?」
⇒私ならば「勧めません」
統計ソフトからは「上乗せが僅か4%」だからです。
○2つのアプローチがあります。
「臨床因子」からの統計アプローチと「遺伝子検査」からの統計アプローチです。
前者はNewAdjuvant.comというソフトですが、そこでは「抗がん剤の上乗せは4%」となります。
後者は「OncotypeDX」を始めとする検査ですが、非保険適応なので40万以上かかります。
「した場合の再発率はどのぐらいでしょうか?」
⇒16%です。
ホルモン療法単独では20%となります。
「母は肝臓の検査で肝血腫の疑いで要検査で胃炎と逆流性食道炎があり不安があります。」
⇒「肝血管腫」ですね。
全く問題はありません。
○糖尿病や心疾患が無ければ「化学療法」には問題ありません。(勧めているわけではありませんが)