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転移について

[管理番号:2913]
性別:女性
年齢:42歳
田澤先生、本日はよろしくお願いいたします。
半年前に全摘手術を終え、ルミナールAのためホルモン治療中です。
リンパ節転移はありませんでした。
ゾラデックス三か月製剤を打っています。
タモキシフェンも服用中です。
脇のリンパ節に転移がなかった場合、鎖骨下や鎖骨上、顎の下などの部位のリンパに転移することはないのでしょうか?
数日前から疾患したのとは逆側の顎の関節(ちょうど耳の下あたりの顎の付け根)が痛み、骨転移か、リンパかと不安になっています。
そんなところに転移はしませんか?
90%近い確率で根治しますと主治医は言っています。
この90%という数字は、100人同じ状況の人がいたら10人は必ず再発するということでしょうか。
それとも100人とも再発しない場合もあり得ますか。
入学試験のように、90%合格と言われていたら余程のことがない限り合格するとは思いますが、その程度に考えていて良いのでしょうか。
生存率などは過去のデータを参考にしていると思いますが、今現在治療中で、10年治療を続ける私たちは、今後もっと予後は改善されていきますか?
不安になってしまい、的外れな質問をしてしまったかもしれません。
申し訳ありません。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「脇のリンパ節に転移がなかった場合、鎖骨下や鎖骨上、顎の下などの部位のリンパに転移することはないのでしょうか?」
⇒「顎の下(下顎リンパ節)」には転移しませんが…
 リンパ節再発というものはあります。
 
「数日前から疾患したのとは逆側の顎の関節(ちょうど耳の下あたりの顎の付け根)が痛み、骨転移か、リンパかと不安になっています。」
⇒ただの関節痛でしょう。
 
「そんなところに転移はしませんか?」
⇒その通りです。
 
「90%近い確率で根治しますと主治医は言っています。この90%という数字は、100人同じ状況の人がいたら10人は必ず再発するということでしょうか。」
⇒確率の教科書を読んでもらえばいいのかもしれませんが…
 90%の確率とは
 たまたま選んだ100人ではあれば10人ぴったりでは無く(20人かもしれないし、逆に5人かもしれません)
 ただし、母集団をあげていけば(つまり1億人を選べば)限り無く1000万人が再発するでしょう。
 
「それとも100人とも再発しない場合もあり得ますか。」
⇒たまたま選んだ100人という「小さな母集団」では、そのようなこともありえます。
 そのあたりの「バラつきを示す数学的考え方が標準偏差」なのです。
 
「入学試験のように、90%合格と言われていたら余程のことがない限り合格するとは思いますが、その程度に考えていて良いのでしょうか。」
⇒確率的には同じ事です。
 
「生存率などは過去のデータを参考にしていると思いますが、今現在治療中で、10年治療を続ける私たちは、今後もっと予後は改善されていきますか?」
⇒その可能性は高いです。
 そのための「医学の進歩」なのです。