[管理番号:2711]
性別:女性
年齢:53歳
はじめましてよろしくお願いします。
平成26年3月に乳頭から分泌がありすぐに乳腺専門のクリニックでマンモとエコーで17ミリ??13ミリのしこりがあり細胞診カテゴリー3b そして針生検(バネ)の結果入管内乳頭腫と診断されました。
その後経過観察平成26年12月エコーのみ、しこりの大きさがそのままなので大丈夫とのこと次、半年後に診断してそのままなら次は1年後で大丈夫とのことでその時に分泌が毎日あり何回か出血した事をつげるが大丈夫とのことでした。
平成27年12月しこりが大きくなっていて細胞診、針生検後25ミリ??11ミリで乳頭腺管ガンとなりました。
ER陽性10%以上高度PgR陽性10%以上高度HER2スコア1?その後セカンドをしたクリニックに転院しました。
転院したために術日が5月(中旬)日になりました、しこりもMRIで3センチになりましたが他にも二個しこりがあるので今週、細胞診をする予定です。
リンパはMRIでは腫れてるがエコーでは大丈夫とのことでした手術は全摘予定、現在ノルバ服用転移が心配です大丈夫でしょうか
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「平成26年3月に乳頭から分泌」「その時に分泌が毎日あり何回か出血した事をつげるが大丈夫」「平成27年12月しこりが大きくなっていて細胞診、針生検後25ミリ??11ミリで乳頭腺管ガンとなりました。」
⇒ため息がでます。
願わくば、このブログを読んでいる方達には「同じ様な診療をされても、疑問をもって、自らが正しい診療を求める」様に思います。
「リンパはMRIでは腫れてるがエコーでは大丈夫とのことでした手術は全摘予定、現在ノルバ服用転移が心配です大丈夫でしょうか」
⇒経過を考えると「是非、大丈夫であってほしい」と思います。
実際は「センチネルリンパ節生検」を行わなければ解らないことです。
質問者様から 【すぐに追加質問2】
ノルバは最初のクリニックで1月(下旬)日から飲んでます
リンパは最初のクリニックでは大丈夫と言われましたが転院してMRIでは腫れてるその後先生がエコーして腫れてないねとのこと、確認します。
最初は温存希望でしたがしこりが3個もあり全摘にすることにしました
1番大きいのはガン確定でしたが他のはどうしてガンとわかるんですかと聞いたので細胞診しましょうになりましたが、針生検のほうが良いと思いますか?
早く手術してほしいのですがその日しか出来ないとのことです
後1ヶ月半待つ間に転移しないか、とても不安な日々を過ごしてます
来週造影CTと骨シンチがあります、その検査でリンパ転移分かりますか?
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
少し前に回答しましたが、「追加質問だけ」に回答します。
「1番大きいのはガン確定でしたが他のはどうしてガンとわかるんですかと聞いたので
細胞診しましょうになりましたが、針生検のほうが良いと思いますか?」
⇒そう思います。
細胞診が上手く採れるのか心配です。
「早く手術してほしいのですがその日しか出来ないとのことです後1ヶ月半待つ間に転移しないか、とても不安な日々を過ごしてます」
⇒これは皆さん共通の悩みです。
状況的には(長い経過からは)そんな「短期間は状況に影響ない」と思います。
「来週造影CTと骨シンチがあります」
⇒無駄な検査です。
是非、今週のコラム6回目「 無駄どころか有害なのです」を参照してください。
「その検査でリンパ転移分かりますか?」
⇒画像診断は「エコーで十分」です。
いずれにせよ「センチネルリンパ節生検」するわけですから。
質問者様から 【質問3】
以前Q&Aで質問させて頂きました。
その節はありがとうございますた。
5月の手術に向けてノルバ飲みながら待機中なのですが、
田澤先生にお聞きしたい事があります
CTとMRIでリンパが腫れているがエコーでは腫れはないとのこと
私が手を使う仕事の為
センチネルリンパ節で転移があっても郭清しないで
センチネルリンパ節のみ
その結果、転移してた場合3カ月か6カ月エコーで経過観察して腋窩が
肥大してきたら、その時に郭清する
と言う話し合いをしているのですが
まだ手術までに時間があるのでよく考えてきて欲しいと言われています
全摘で二時再建の予定ですので照射したくないです
部分切除ならリンパ節転移二個までなら照射すれば大丈夫ですが
全摘で照射は再建が難しくなるので躊躇しています
でも、もしリンパ節に転移があり、そのまま放置するのも怖いのですが
郭清して浮腫になるのも怖いのです
全摘の手術は1週間、リンパ郭清するならそれ以上の入院になるそうです。
どうしてもリンパ郭清の手術の精度が心配です
リンパが腫れてから郭清するのは無謀だと思いますか?
その時は田澤先生に郭清して欲しいのですが
遠方の為入院となると大変だと思うのですが・・・
リンパ郭清は全身麻酔ですか?
何日ほど入院すれば大丈夫ですか?
本当は乳房切除手術も先生にお願いしたかったのですが
大分時間が経っていますので早く腫瘍を取り除きたいので
今の主治医のもとで手術するしか方法はないのです
毎日リンパ転移していたら郭清どうするのか?
考えても答えは出ないのです
どうすればいいのですか?
主治医からはアメリカではリンパ郭清しない人も
多い予後は同じだと言われました
実際リンパ節転移で癌を残したままでどんどん鎖骨上または反対側まで
転移しないかなど考えてしまいます
リンパ節が腫れてる場合はエコーでは何ミリから確認できるのですか?
リンパ節転移があった場合、腋窩に照射か、郭清どちらの方法がいいのですか?
照射する場合の範囲は?
主治医はリンパ節転移3個あれば郭清と抗がん剤と言っています。
いろいろと質問してしまい、まとまりのない文章になりましたが
事前にどのように腋窩郭清するのか取り決め段階ですので
申し訳ありませんがよろしくお願いします。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
センチネルリンパ節の取り扱いですね。
事前に取り決めをしておくことが重要です。
私の感覚では「画像所見から、(センチネルリンパ節生検をせず)ガッチリ郭清しなくてはならない」状況では、(精度の高い手術でも)「リンパ浮腫が回避できない」ケースはあります(それでも実際はそれ程多くは無いです)が、
そもそも「画像上、リンパ節転移を疑わない様なケース」では(つまり、センチネル寝るリンパ節に肉眼的転移陽性なので郭清を追加するレベル)「追加郭清しても浮腫とはならない」と思っています。
それよりも「不適切に術後照射が腋窩にかかる」場合や、(不適切な腋窩郭清後の)「腋窩リンパ節再発」の方が、よっぽど「患肢浮腫のリスクが高い」と考えています。
「私が手を使う仕事の為センチネルリンパ節で転移があっても郭清しないでセンチネルリンパ節のみその結果、転移してた場合3カ月か6カ月エコーで経過観察して腋窩が肥大してきたら、その時に郭清」
⇒確かに、それも「一つの考え」です。
それを否定するつもりはありませんが…
その後の経過観察で(万が一)「腋窩リンパ節郭清を要する事態」となった場合の「追加郭清が、(センチネルリンパ節生検後に行う)追加郭清とは同等にはならない」ことは留意しないといけないでしょう。
○その違いは(現時点の)「エコーでリンパ節腫大を認めない場合の追加郭清」と比較して「エコーで明らかに転移を疑うリンパ節腫大を認めてからの追加郭清」は、どうしても『周囲の組織を破壊する様な操作にならざるを得ない』のです。
勿論、結局「リンパ節が腫大せずに経過」した場合には、「追加郭清しなくて良かった」となるので、「一長一短がある話」となります。
「リンパ郭清は全身麻酔ですか?何日ほど入院すれば大丈夫ですか?」
⇒全身麻酔です。
前日入院、翌日退院なので2泊3日となります。
「毎日リンパ転移していたら郭清どうするのか?考えても答えは出ないのです。どうすればいいのですか?」
⇒冒頭でもコメントしたように、「画像上リンパ節転移が明らかではない」状態であれば「追加郭清」したとしても「浮腫は回避」できると思います。
「癌を体内に残してしまうかもしれない」という考え方には、逆の意味で「勇気がいる」ように思います。
「リンパ節が腫れてる場合はエコーでは何ミリから確認できるのですか?」
⇒3mm位から認識はできますが…
そのリンパ節が「転移によるもの」なのか「反応性」なのかの鑑別まで考えると「5mm」位です。
「リンパ節転移があった場合、腋窩に照射か、郭清どちらの方法がいいのですか?」
⇒郭清の方がいいです。
「照射する場合の範囲は?」
⇒(全摘後であれば)通常は「胸壁+鎖骨上」となりますが、「腋窩郭性なし」であれば「腋窩も照射野に加える」こととなります。