[管理番号:2689]
性別:女性
年齢:45歳
初めまして。
2年半ぶりにうけたマンモグラフィーで石灰化と腫瘤がみつかり、
そのあとエコー、細胞検査、針検体、CTで乳がんの告知をうけました。
告知されたときは動揺して先生の説明にハイとしか答えられず詳しい内容を質問することもできませんでした。
容を質問することもできませんでした。
紹介状を書いていただき、そちらの病院で詳しく説明していただいて
自分がトリプルネガティブの乳がんであることがわかりかなりショックでした。
生検での結果は
TI1.8cmNOMO papER境界域PgR-HER2(1+)
ER(-0%)
PgR(-0%)
HER2(Score1+)
Ki-67 10%
ということした。
これからCT、MR、エコー、マンモグラフィーの検査をして治療方針を決定するといわれまし定するといわれました。
このような乳がんの場合、先生はどのような治療をおこなわれますか?
お忙しい中申訳ありませんがお願いいたします。
また1週間ほどまえから手の親指の指先が少しだけしびれている感覚がありますあります。
体重の減少もとまらなく、背中や肩が痛いと転移いているのではないかと不安と不安な日々です。
これは転移の症状でしょうか?
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
cT1c(18mm), cN0, cStage1ですね。
十分な早期乳癌です。
「triple negative」を気にしないようにしましょう。
「早期発見は最大の武器」なのです。
「このような乳がんの場合、先生はどのような治療をおこなわれますか?」
⇒「18mm」なので、(そのままで)十分に「温存可能」と思います。
「手術先行(MRIで温存可能と確認の上ですが)」⇒「術後化学療法」
(Ki67=10%と低値ですが、triple negative では抗ガン剤は絶対なのです)⇒(その後)「温存乳房照射」です。
○絶対に、この状況で「術前抗がん剤」をしない様にしましょう。
もしも質問者が「大学病院で診療している」とすれば、「トリプルネガティブでは術前抗がん剤をしましょう」とされるかもしれません(大学病院の医師は術前化学療法が大好きなのです)
その際には「目に見えない癌細胞をたたく」とか「効果が有る抗ガン剤が解る」みたいな無意味で(尤もらしい)理由をつけるかもしれません。
★術前抗がん剤の適応は、あくまでも「小さくして温存」だけなのです。
「1週間ほどまえから手の親指の指先が少しだけしびれている感覚」
「体重の減少もとまらなく、背中や肩が痛いと転移いているのではないかと不安」
⇒1000%転移ではありません。
(そのように心配する気持ちは重々解りますが)絶対に違います。
そんな早期乳癌では「遠隔転移などしない」のです。ご安心を。
質問者様から 【質問2】
こんにちわ
先日は御返事ありがとうございました。
そこでもう少しお聞きしたいことがあり送信したのですが、なんだか上手く送れていないかもしれないので、再度連絡させていただきました。
重複していたら申し訳ありません。
私が今通院している病院は大学と連携のある病院だと思うので、術前抗がん剤をすすめられる可能性はあります。
もしCT.MRでリンパに転移、浸潤範囲が大きかったなどの場合であれば、術前抗がん剤の方がいいのでしょうか?
私が温存を強く求めなく、全摘出でもいいなら術後抗がん剤でいいのでしょうか?
術前抗がん剤は抗がん剤の効きめがわかると言うことが言われていますが、その中には効かない場合もあり腫瘍が大きくなってしまう危険性があるんですよね。
もし、抗がん剤が効かないタイプだとすると術後抗がん剤では再発、転移がわかってからでないと効いてなかったのがわからないと言うことですか?
あとki67の数値が低いと抗がん剤が効きにくいという情報をどこかでみました。
では私の場合は効きにくいタイプなんでしょうか?
私はかなりひどい貧血と甲状腺に嚢胞があります。
こればこれからの治療に影響はありますか?
貧血は鉄欠乏せいといわれていました。
まだ検査をしている状態で、こうしている場合にも、
リンパに転移をしているのではないかと不安な毎日です。
昨日も寝てる時に腕がしびれてとても不安です。
お忙しい中申し訳ありませんが宜しくお願いします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
術前術後の抗がん剤について
「適応」 小さくして温存
○「最初に目に見えない癌細胞を叩いた方がいい」とか「効果の有る薬剤が解る」などの「尤もらしい理由」は誤りです。
理由①術前術後の抗がん剤は「術前に行っても、術後に行っても予後は変わらない」ことが解っている
②術前術後に用いられる抗がん剤は「アンスラサイクリンとタキサン」
(HER2陽性の際には、ここにハーセプチンも)しかない(つまり、効果が解っても解らなくても「使用する抗がん剤は一緒」)
★以上の事を理解せずに「無闇に術前抗がん剤を勧める」医師がいますが、私は一切認めていません。
私の印象では、「この様な医師」は(患者さんのためというよりは)「手術する際に、楽をしたいから」と言う理由で(おかしな理由をつけて)「術前抗がん剤を勧めている」ように思えます。
「もしCT.MRでリンパに転移、浸潤範囲が大きかったなどの場合であれば、術前抗がん剤の方がいいのでしょうか?」
⇒無関係です。
①まず、リンパ節転移ですが、これは(例え術前抗がん剤を行って小さくなったと仮定しても)「最終的に手術して郭清する範囲は同じ」なのです。
つまり、「術前抗がん剤で小さくなったから郭清範囲を小さくできる」わけではないのです。
②浸潤範囲ですが、「浸潤範囲が大きいから、このままでは温存できない⇒(術前抗がん剤をして)小さくして温存したい」というのであれば、『本来の術前化学療法の適応』となるので、それは正しい。
しかし、「もしも(いずれにせよ)全摘を望んでいる」とすれば、(手術で乳腺は全部摘出するのだから)「術前抗がん剤で小さくする」必要は全くありません。
「私が温存を強く求めなく、全摘出でもいいなら術後抗がん剤でいいのでしょうか?」
⇒その通りです。
「術前抗がん剤は抗がん剤の効きめがわかると言うことが言われています」
⇒冒頭でコメントした通り、「全くの無意味」です。
「効き目が解る解らない」は治療とは無関係なのです。(使用する薬剤が決まっているのに、何の意味があるのか?)
「効かない」からといって「適応外の薬剤」は決して使えない(保険上使えないし、効果も証明されていない)のです。
「効かない場合もあり腫瘍が大きくなってしまう危険性がある」
⇒その通りです。
「もし、抗がん剤が効かないタイプだとすると術後抗がん剤では再発、転移がわかってからでないと効いてなかったのがわからないと言うことですか?」
⇒(術前に行って)「抗がん剤が効かないタイプ」だと解ると、何か「いいこと」がありますか?
そんな「無意味」なことを「解る」よりも「やるべきこと(適応のあること)をやる」ことが大事なのです。(他に選択肢がないのですから)
♯「目に見える腫瘍が小さくならないこと」と「再発予防効果が全くないこと」は同一ではありません。
「あとki67の数値が低いと抗がん剤が効きにくいという情報をどこかでみました。」
⇒理論的に(抗がん剤のターゲットである)「DNA合成」や「細胞分裂の阻害」からすれば、(細胞分裂期に有る細胞の割合を示している)「Ki67」が高い方が「効き易い」だろうことは、誰にでも理解できることです。
実際に、「どの程度、リンクしているかは不明」ですが、「ひとつの指標」であることは間違いありません(ルミナールAとBをそれで分けている訳ですから)
「では私の場合は効きにくいタイプなんでしょうか?」
⇒可能性はあります。
「私はかなりひどい貧血と甲状腺に嚢胞があります。こればこれからの治療に影響はありますか?」
⇒dose denseでもないかぎり「貧血」は問題とはなりません。
「甲状腺嚢胞」は無害です。
「こうしている場合にもリンパに転移をしているのではないかと不安な毎日」
⇒お気持ちは解りますが…
全ての患者さんが「全く同じ」悩みをもっています。
「昨日も寝てる時に腕がしびれてとても不安」
⇒100%転移とは無関係です。
ご安心を。
質問者様から 【質問3】
こんばんは
いつも御返事いただきありがとうございます。
先生のご意見を聞いて、治療がまだ決まってなく不安な生活が少し落ち着けて助かっています。
またお聞きしたいのですが、
手術の際、温存と乳房摘出では見た目以外にこれからの生活に
何か違いは出てくるのでしょうか?
局所内再発はなくなりますよね。
先生は先日の質問の御返事で、
Ki67が10%と低値ですが、トリプルネガティブには
抗がん剤は必要言っておられたのは、
低値で他の人では必要ないけれどトリプルネガティブの治療ではしないといけないガイドラインということなのか、10%だとあまり効果がないけど抗がん剤をしないといけないのかどちらなんでしょうか?
低値にはあまり効かないかもしれないときいて、術後の治療は抗がん剤しかないのに…と思いすみません。
あと、今日MRをしたのですが、準備が出来て台を動かされて中に入った途端、ぐるぐると回った感覚になりその後は検査を続けられたのですが、検査後外に出される時もぐるぐるとなり乗り物酔いのような症状になりました。
造影剤の影響ではないようなんですが、相談したら磁気の関係かもしれたないと言われました。
こんなことはあるのでしょうか?
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「手術の際、温存と乳房摘出では見た目以外にこれからの生活に何か違いは出てくるのでしょうか?」
⇒「見た目」だけです。
「局所内再発はなくなりますよね。」
⇒その通りです。
「低値で他の人では必要ないけれど」
⇒これは完全な「誤り」です。
Ki67が低値だと「抗ガン剤が効かない=抗ガン剤が必要無い」などということは決してありません。
Ki67はただ単に「luminal typeで抗ガン剤を上乗せするかを区別する際に用いている」だけです。
○Ki67が低値でも「抗がん剤の効果はある」と思います。
たんに、その「効果の程度」が「もしかすると、Ki67高値のケースよりも弱いかもしれない」という程度です。
「低値にはあまり効かないかもしれないときいて」
⇒無責任な情報です。根拠薄弱です。
「その可能性がある」というだけの話です。
トリプルネガティブでは「ターゲットが他にない」以上、「抗ガン剤はすべき」です。
「中に入った途端、ぐるぐると回った感覚になりその後は検査を続けられたのですが、検査後外に出される時もぐるぐるとなり乗り物酔いのような症状」
「造影剤の影響ではないようなんですが、相談したら磁気の関係かもしれたない」
「こんなことはあるのでしょうか?」
⇒時々あります。
心配ありません。
質問者様から 【質問4】
こんにちわ
いつも質問に御返事いただき、本当にありがとうございます。
色々な不安が少し落ち着けます。
そこでまた教えていただきたいのですが、
今日、色々の診断結果が出たので、これからの治療方法についての説明がありました。
その結果、先に行っていた病院の針生検の組織も提出していたのですが、それを詳しく調べ直した結果、非浸潤ガンの可能性があると言われました。
これは良い方にとっていいのでしょうか?
1.8mmの腫瘍があるといわれ、病理検査ではトリプルネガティブと言われていたので、よくわからなくなってしまいました。
非浸潤ガンと言っても実際手術をして、それを調べなければ中に浸潤ガンがあるかもしれないともいわれましたが…
もし、浸潤ガンがあった場合はやっぱりトリプルネガティブなんでしょうか?
手術は範囲が結構広くなるようで、温存にすると形がイビツになると説明があり、私も温存にそれほどこだわりもないので、摘出でお願いしました。
手術までまだ20日ほどあるのですが、非浸潤ガンが浸潤ガンに進むことはありますか?
あとCTの結果、甲状腺の左右に腫瘍があるので、耳鼻咽喉科で診察をうけてほしいと言われました。
甲状腺は片方の嚢胞があるのはわかっていたのですが、また心配が増えてしまいました。
お忙しい中申し訳ありませんが、御返事お願いします。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
「病院の針生検の組織も提出していたのですが、それを詳しく調べ直した結果、非浸潤ガンの可能性がある」
「これは良い方にとっていいのでしょうか?」
⇒おめでとうございます。
もしも「非浸潤癌だった」ら、大変いいことです。
それであれば、尚更のこと「決して術前化学療法を選択すべきではない」となります。
(非浸潤癌にはそもそも抗がん剤の適応はないのです。その可能性が有る以上、決して抗がん剤を使用してはいけません)
「非浸潤ガンと言っても実際手術をして、それを調べなければ中に浸潤ガンがあるかもしれないともいわれましたが…」
⇒その通りです。
針生検は「あくまでもサンプリング検査」なのです。
「もし、浸潤ガンがあった場合はやっぱりトリプルネガティブなんでしょうか?」
⇒これは違います。
もしも「浸潤部分があった」場合には、その「浸潤部分のサブタイプは異なる可能性」があります。
「手術までまだ20日ほどあるのですが、非浸潤ガンが浸潤ガンに進むことはありますか?」
⇒ありません。
「半年間」ならば答えに模様ところですが「20日間」では「即答」します。
「あとCTの結果、甲状腺の左右に腫瘍があるので、耳鼻咽喉科で診察をうけてほしいと言われました。
甲状腺は片方の嚢胞があるのはわかっていたのですが、また心配が増えてしまいました。」
⇒余計な心配です。
甲状腺について「既に診てもらっている(そして甲状腺嚢胞と診断ついている)」のであれば、全く無用です。
質問者様から 【質問5】
おはようございます。
いつも御返事ありがとうございます。
先日、非浸潤ガンかもしれないと説明をうけ、田澤先生にも良かったと言っていただき、少し私の気持ちも落ち着けたのですが、疑問もありまた質問させてください。
非浸潤ガンはわたしのように1.8mmの腫瘍があってもありえるのでしょうか?
先日の診察ではMRでその横にもつながったようなものもあると言われました。
他の方の症状を読ませていただいたら、石灰化があって、
腫瘍は触れない非浸潤ガンというのを目にします。
針生検ではその腫瘍の中から採取したと聞いていました。
また針生検をしたらその針穴から非浸潤の状態が
浸潤になってしまったりすることはないのでしょうか?
それと先生は半年くらいは非浸潤から浸潤になるまで大丈夫と返事いただいたのですが、針生検をしたのはもう1ヶ月も前のことになりますし、その時にもう何ヵ月もたっている状況だったらと思うと不安になります。
最近、腫瘍のある部分に鈍い痛みを感じることがあります。
この痛みは浸潤にかわったのかなとか考えてしまって…
非浸潤かもと言われ、乳ガンであるにはかわりはないけれど、本当に気持ち的に落ち着けたのに、手術をしたら実は違っていたとなってしまったらと思うと色々と考えてしまい、何度も相談してしまい申し訳ありません。
宜しくお願いします。
田澤先生から 【回答5】
こんにちは。田澤です。
「非浸潤ガンはわたしのように1.8mmの腫瘍があってもありえるのでしょうか?」
⇒ありえます。
(と、いうか)現実にあります。
「また針生検をしたらその針穴から非浸潤の状態が
浸潤になってしまったりすることはないのでしょうか?」
⇒ありません。
「乳管の中の癌細胞が(遺伝子変異を起こして)浸潤能を獲得して、乳管の外へ浸潤すること」と「乳管に穴が開くこと」とは全く「別次元の話」なのです。
「最近、腫瘍のある部分に鈍い痛みを感じることがあります。この痛みは浸潤にかわったのかな」
⇒無関係です。
「手術をしたら実は違っていた」
⇒手術して「病変全体を隈なく評価」しなくては最終的には「僅かな浸潤部分が存在しているのか」までは解り様がありません。
ただし、「非浸潤癌の可能性がある」というだけでも「有利な材料」であることは間違いありません。
前向きに行きましょう。
質問者様から 【質問6】
こんにちは。
いつもご回答いただきありがとうございます。
またお聞きしたく宜しくお願いします。
4月末に乳房切除+センチネルで手術を終了しました。
手術を終えて少し安心しましたが、病理結果のことを考えるとまた色々と考えてしまいます。
当初、針生検で浸潤ガンだと言われていて
その後の現在通院中の病院で非浸潤ガンと言われて、
田澤先生にも良かったと言っていただいたのですが、
他の方の書き込みなどをみてもあまりそのような方はいないので、本当にそうなのか不安で仕方ないです。
針生検ではトリプルネガティブと言われていたし、Q&Aを拝見していたら、ER、
PgR、HER2は術後検査より術前検査の方が正確でki67は術後検査の方が有効と書かれていました。
病理結果で浸潤部分が
見つかればやはりトリプルネガティブと言う可能性は高いのでしょうか?
お忙しいところ申し訳ありませんが、宜しくお願いします。
田澤先生から 【回答6】
こんにちは。田澤です。
もう手術も終わった事だし、余計な心配などせずに「病理結果を待つ」方がいいようです。
「針生検ではトリプルネガティブと言われていたし、Q&Aを拝見していたら、
ER、PgR、HER2は術後検査より術前検査の方が正確でki67は術後検査の方が有効と書
かれていました。病理結果で浸潤部分が見つかればやはりトリプルネガティブと言う
可能性は高いのでしょうか?」
→前回、回答したとおり…
非浸潤癌の部分でサブタイプなど調べても無意味です。
○もしも「浸潤部分が存在」すれば、その部位のサブタイプこそ、「本当のサブタイプ」となります。
いずれ結果がでることなので、「あれこれ」心配するのは止めましょう。
質問者様から 【質問7】
こんにちは
いつも忙しい中、質問にお答えいただきありがとうございます。
術後の病理結果がでました。
非浸潤ガンとのことでした。
結果は
組織型 非浸潤ガン
リンパ節転移 なし
脈管浸潤 なし
切除断端 陰性
病期 TisN0M0 0期
浸潤径、悪性度、ER、PgR、HER2、
ki67は非浸潤の為結果はないとのことでした。
これからの治療は経過観察かノルバデックスの内分泌療法をとのことでした。
ノルバデックスについては副作用(子宮がん、血栓がおこりやすくなる、婦人科での検診をする必要があるなど)があるが、
再発の予防、対側の乳ガン発生予防の説明を受け、どうするか考えて結論を出してほしいといわれました。
非浸潤の結果を受け、片方の乳房はなくなったけど、これから新たに再出発と考えられるようになったので、再発は怖いし、片方も乳ガンになるのも怖いし、でも副作用のことを考えると踏みきれずです。
ノルバデックスを服用するかしないでの再発、反対側への発生率はかなりかわるのでしょうか?
ER、PgRの値がわからないので私が受容できるか?
服用しても効果がみられないのではないのか?
色々考えてしまいます。
田澤先生はどうお考えになられますか?
宜しくお願いします。
田澤先生から 【回答7】
こんにちは。田澤です。
「非浸潤癌」とても良かったです。
乳房全摘されているようなので、これぞ「根治」となります。
一切の治療は不要です。
そもそも今回の担当医の「説明自体が明確に誤り」です。
○それにしても「術前化学療法しなくて本当に良かった」ですね。
「これからの治療は経過観察かノルバデックスの内分泌療法をとのことでした。」
⇒無治療です。
迷う必要はありません。
「対側乳癌の発生予防」では「子宮体癌のリスク」とバランスしません。
○その考え方では(乳癌の有る無しにかかわらず)「全ての健常人にも(乳癌の発生予防として)ノルバデックスを勧める」ことになります。
馬鹿げています。
「ノルバデックスを服用するかしないでの再発、反対側への発生率はかなりかわるのでしょうか?」
⇒まず、「根治だから再発は決してありません」
体側乳癌の発生予防は「子宮体癌のリスク」と決してバランスしません。
質問者様から 【質問8】
こんにちは
お忙しい中、いつもお返事いただき本当にありがとうございます。
非浸潤の場合、乳房全摘で根治と言っていただきよかったです。
私の担当の先生がノルバデックスの話をされたのはすすめられたのではなく、
選択肢の一つとして説明されたように思います。
もし先生ならどうされるか聞いたら、自分なら服用しないと言っておられたので。
やはり、対側乳ガンの発生よりも子宮体がんのリスクの方が大きいってことですよね?
このまま定期的に検診を受けると言うことでいいのでしょうか?
食事や生活で気をつけた方がいいことはあるのでしょうか?
当初、トリプルネガティブと言われて、治療も覚悟をしてたので、術後根治となっても何もしなくてもいいのかと思い不安になり、色々と聞いてしまって申し訳ありません。
あと非浸潤だったので、浸潤径、悪性度、ER、PgR、HER2、ki67の値は記入がなかったのですが、そのようなものなのでしょうか?
宜しくお願いします。
田澤先生から 【回答8】
こんにちは。田澤です。
「やはり、対側乳ガンの発生よりも子宮体がんのリスクの方が大きいってことですよね?」
⇒もともとタモキシフェンの目的(適応)は「乳がんの治療」であって(対側乳癌への)「予防ではない」のです。
本来の目的でないこと「だけのために」投与した薬剤で「癌のリスクが上昇する」なんて、絶対にあってはならないことなのです。
○表現を変えれば「適応外使用を行った薬剤の有害事象で亡くなる」ようなものです。
「このまま定期的に検診を受けると言うことでいいのでしょうか?」
⇒その通りです。
「食事や生活で気をつけた方がいいことはあるのでしょうか?」
⇒特にありません。
「あと非浸潤だったので、浸潤径、悪性度、ER、PgR、HER2、ki67の値は記入がなかったのですが、そのようなものなのでしょうか?」
⇒浸潤径…浸潤していないので「当然ゼロ」です。(記載する必要はありません)
HER2, Ki67…これは「浸潤癌にしか適応」がありません。
ER, PgR…測定してもいいですが、「どうせ無治療」なのだから無意味です。
悪性度…これは「low grade, intermediate, high gradeと3段階あるはず」です。