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手術までの期間が長くて心配です。

[管理番号:2506]
性別:女性
年齢:36才
年末にシコリに気ずき、休日診療でエコーをすぐ見ていただき、良性だろうけど念の為詳しく調べて安心しましょうと言われて、年明け〈1/(上旬)〉紹介先の近所の病院に行きました。
その日は触診、マンモグラフィーのみで、エコーは予約とのことで、〈1/(中旬)〉にエコーをしました。
その時に7mmのしこりで悪性だろうとのことで、さらに針生検の予約を取り、〈1/(下旬)〉に実施しました。
その結果に2週間かかり〈2/(上旬)〉に「乳癌で浸潤性、8mmのしこりで早期」とのことで、まだ若いから再建もできる大きな病院に紹介します。
と言われて、〈2/(中旬)〉に行きました。
その日にまた〔技師によって見方が違うから〕との理由で、マンモグラフィーとエコーをしました。
次回の予約は、MRIとCTを3/(上旬)にしてその日に治療法を決めて、手術は1ヶ月先になるそうです。
詳しい癌の種類は調べてる最中です。
発見から手術までこんなに長くてリンパ転移などしないですか?
1月のエコーではリンパは大丈夫そうと言われました。
先生の所に転院したらもっと早く手術できますか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「8mmのしこり」
cT1b(8mm), cN0, cStageⅠ
十分早期です。
「MRIとCTを3/(上旬)にしてその日に治療法を決めて、手術は1ヶ月先」
「発見から手術までこんなに長くてリンパ転移などしないですか?1月のエコーではリンパは大丈夫そうと言われました。」
⇒その程度の期間では心配ありません。
 大丈夫です。
 
「先生の所に転院したらもっと早く手術できますか?」
⇒混雑しており(残念ながら)それより早くは難しそうです。
○十分早期だから、焦らずに治療しましょう。
 アドバイスがあるとすれば、
 無駄な被爆(CTは仕方がないとしても、骨シンチやPETなど)は、しないように気をつけてください。(担当医から提案があっても断るべきです)
 
 

 

質問者様から 【質問2】

先日はお忙しい中でのお返事ありがとうございました。
MRIとCTも終わり、温存でも全摘再建でも大丈夫だと言われました。
その後治療はホルモン療法のみで良さそうとのことでした。
子供が小さいので今後の命を最優先して全摘は決めていたのですが、インプラントか腹部切除か悩んでいます。
仕事、子供の世話にすぐ取り掛かれることを考えたらインプラントの方がいいのでしょうか?
再建の形状を写真で見させていただいた感想は腹切除で傷は残るが形状と温かみがありそうなのは腹部切除の方でした。
その場合、脂肪が少ないから切除範囲が広くなると思うと言われました。
自分で選択しなくてはいけないのはわかっているのですが、是非先生の御意見が聞きたくよろしくお願いします。
患者様によるとは思いますが、この先どちらの方が体に負担がかからない方法なのでしょうか?
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「仕事、子供の世話にすぐ取り掛かれることを考えたらインプラントの方がいいのでしょうか?」
⇒その通りです。
 手術侵襲による差は歴然です。
 
「この先どちらの方が体に負担がかからない方法なのでしょうか?」
⇒その観点からは「インプラント」となります。
 あくまでも「見た目の仕上がり」を重視する場合に「自家組織再建」の選択となるのです。 
 ♯正常部分にメスが入ることは「良く認識」しておいてください。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

病理結果について質問です。
4月に左胸全摘再建しました。
肉眼的検体17??16??4.5cm大、4.5??2.3cmの皮膚がついている。
割面CD
領域1.3??1.2??1.0cm大の境界不明な灰白色調充実腫瘍認める。
クロマチン粗造な不整形腫大核と好酸性の細胞質を持つ腫瘍細胞が索状から小胞巣状となり浸潤性に増殖してる。
乳管内成分もみられる。
腫瘍の一部は乳腺外脂肪織へ浸潤する。
腫瘍細胞のnuclear gradeは2相当。
estrogen receptor陽性70-80%.progesterone receptor陽性80-90%.her2陰性。
mib1陽性細胞20%。
腫瘍の広がり0.8??0.7cm。
リンパ菅侵襲中等度。
静脈侵襲明らかでない。
切除断端陰性。
リンパ節sn1/1+n2/15。
以上の事から担当医はホルモン療法に加えて抗ガン剤と放射線やるか考えますと言われました。
田澤先生でしたら抗ガン剤も放射線治療も行い
ますか?できれば抗ガン剤はしたくないのですが。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
pT1b(8mm), pN1(SN1個+追加郭清で2個=計3個), luminal(Ki67=20%)
「田澤先生でしたら抗ガン剤も放射線治療も行いますか?できれば抗ガン剤はしたくないのですが」
⇒私であれば抗ガン剤も放射線も行いません。
 放射線 これはリンパ節転移4個以上に行っています。
     追加郭清しており、放射線照射は「患肢浮腫のリスク」となります。
 抗ガン剤 ki67=20%であり「ルミナールA」と思います。 ルミナールAでは(たとえ、リンパ節転移があっても)「抗ガン剤の上乗せがない」ことがSABCS2015で発表されています。
 ○もしも質問者が迷うのであれば、OncotypeDXしてみてもいいでしょう。
 「今週のコラム30回目 実際はかなり多くのルミナールAがBと判定され無駄な化学療法をされている」を参照してください。