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放射線治療

[管理番号:2436]
性別:男性
年齢:36(67歳?)
はじめまして。
悩みに悩んで困っていたとき、こちらのサイトをみつけたので質問させてください。
父親なんですが男性乳ガンです。
67歳で8年前にも膵臓ガンを経験し、ステージ4でしたが手術、抗がん剤で奇跡的に現在まで転移もなくほぼ完治しました。
昨年乳ガンがみつかり、7月に手術。
ステージ3b 皮膚に少し腫瘍が顔を出してると言われました。
リンパ節転移2個
MIB-I 70% ホルモン陽性 HER2陽性
現在はEC療法が終わり、パクリタキセルとハーセプチンがあと1回です。
そこで、次からの治療がホルモン療法とハーセプチンなんですが放射線治療をするか悩んでいます。
普通ならリンパ節転移が2個なので放射線治療はしないみたいなんですが、父親の場合悪性度が高いのと皮膚に顔を出していたため、できれば放射線治療をしたほうがいいとの説明でした。
しかし、父親が以前にも膵臓ガンを患っておりもしかしたら遺伝子異常があるかもしれない。
その場合、放射線治療をすると将来的また二次発ガンになってしまう確率があるということなので先生たちも、放射線治療を決められず本人の意志に任せられることになりました。
父はここまで治療したからもう大丈夫だと放射線治療はしたくないと言ってたんですか、家族で話し合った結果やはり再発が怖いので放射線治療をしてもらう方向で準備をすすめてもらってます。
でも、いろいろネットなどでみていると放射線治療の副作用も怖いです。
父には、少しでも辛かったら途中でやめればいいからと言っていますが、やはり放射線治療はしたくないみたいです。
本人の意志を尊重するか、とても悩んでます。
ご助言いただけたら嬉しいです。
読みづらい文章で長々と失礼しました。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「ステージ3b 皮膚に少し腫瘍が顔を出してると言われました。」
⇒これには「からくり」があります。
 男性の場合は、そもそも「正常乳腺が周囲に無いし、皮下脂肪も薄い」ので、「あっという間に、皮膚浸潤」となりますが、「ステージが進んでいるわけではありません」
 
「現在はEC療法が終わり、パクリタキセルとハーセプチンがあと1回です。」
⇒抗HER2療法のgolden standardです。
 当然と言えます。
 
「普通ならリンパ節転移が2個なので放射線治療はしないみたいなんですが、父親の場合悪性度が高いのと皮膚に顔を出していたため、できれば放射線治療をしたほうがいい」
⇒私であれば、「男性乳癌で皮膚浸潤」は殆ど考慮しません(女性と同等には扱えません)
 
「放射線治療をすると将来的また二次発ガンになってしまう確率がある」
⇒考え過ぎです。
 「物凄く確率的に小さいことを議論している」としか思えません。
 
「父には、少しでも辛かったら途中でやめればいいからと言っていますが、やはり放射線治療はしたくないみたいです。」
⇒あまり悩む問題ではありません。
 ①放射線治療は通院は大変だが副作用は大したことはない
 ②2次発癌を恐れるのは(確率的に)考え過ぎである
 ③男性乳癌で皮膚浸潤する事自体は珍しくはないので、「潰瘍形成や広範囲の皮膚浸潤」などがなく、手術で十分に余裕をもって直上の皮膚を切除していれば放射線照射に拘る必要がない」
以上、①~③で考えるべきです。
私個人の意見では(患者さん自身が、放射線治療をしたくないということを考慮すれば)、放射線治療はなしでもいいと思います。(ただし、術前の皮膚浸潤が広範囲で手術で,きちんと取れていない危惧が有る場合を除く)