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胸のしこりについて

[管理番号:17]
性別:女性
年齢:29歳
私は学生の頃から右側の胸にしこりがあり、初めて検査に行ったのが大学生の頃でした。そのしこりは特に悪性ではなかったのですが、大きくなる可能性もあると言うことで(葉状性?)摘出していただきました。
その際に左にもしこりがあると診断されており、そちらも陽性で特に摘出はしませんでした。
昨年子供を産み今7ヶ月で授乳中なのですが、沿い乳をしていたところ、昔検査で見つかったしこりとまた別と思われるしこりを、左胸の乳輪の右側に発見しました。触ると固くてすぐそばにあり、一見しこりが小さく当たるのですが、よくよく触ってみると奥に大きい感じで梅干しの種以上の大きさの様に思います。
すぐに検査しに行った方がいいでしょうか?
それとも少し様子を見てみても大丈夫でしょうか?よろしくお願いします。

A.回答

こんにちは。田澤です。
回答へ行く前に、状況確認をしましょう。

状況確認

  • 大学生の頃摘出した(良性ではあるが、大きくなる可能性もあると言われた)右のしこり
    ⇒線維腺腫もしくは葉状腫瘍 
     ※葉状腫瘍は確実に大きくなる。線維腺腫は(特に)若いうちは大きくなる可能性が大きい。と考えてください。
     
     
  • 大学生の頃から存在している良性であるが、摘出しなかった左のしこり
    ⇒線維腺腫と思います。
     ※葉状腫瘍であれば、もっと気になる位に増大しているでしょう。
     
     
  • 授乳中に新たに自覚した左乳輪右側の「梅干しの種以上の大きさの」しこり
    ⇒頻度の高い順で考えると

    ①milk cyst 所謂ミルクが貯まった「のう胞」で授乳中のミルクが一時的に貯まっている
    ②線維腺種 以前より左右にあった(右は摘出済)の線維腺腫がまたまたできた
    ③乳癌 確率的には高くはありません(20歳代での乳癌は全年齢の0.4%以下)
    ※但し、家族や近親者に乳癌や卵巣癌(子宮癌ではありません)の方がいらっしゃる時は要注意です。

 
 

回答

◎急ぐ必要はありませんが、都合のいい時に一度は超音波検査で確認してもらうべきでしょう。
上記で示したように、乳癌の可能性は決して高くはありません。
ただ、「授乳中は検査ができないのでは?」と誤解している方が多いのですが、そんなことはありません。
 
●妊娠中に「マンモグラフィーを撮れない」以外には制限は全くありません。勿論授乳中にマンモを撮ってもいいのですが、圧迫時にミルクがでることが心配ならば超音波をしてもらえば十分です。
超音波ではっきりした診断ができる筈ですし、診断が不明の際には是非、『針生検』を検討してください。授乳中でも問題ありません。
因みに左右に線維腺腫(もしくは葉状腫瘍)らしき腫瘍が多発していることは、癌のリスクとは関係ないので、そのこと自体は心配なさらないでください。