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脇のしこりについて

[管理番号:1966]
性別:女性
年齢:45歳
 
以前のQ&Aを見させていただきました。
管理番号588「乳頭分泌液」の方と同じよ
うな症状(右胸の乳頭を押すと、一か所からわずかに黄色みがかった透明な分泌液が出る)に昨日気づきました。
乳頭分泌物に関しては、6年前くらいにやはり同じ右乳頭(同じ個所?)から乳白色の分泌液が出ることに気づき、当時の住まい(東京)のクリニックで分泌物を検査していただいたことがあります。
 
分泌物以外の症状ですが、右の脇の奥にわずかに痛みのあるコリッとしたしこりがあります。
脇のしこりについては、両脇とも若いころから時々(触ると多少痛みを感じる)しこりを触れることがあったため、最近も気になってはいましたが病院を受診するまでには至りませんでした。
 
しかし、分泌物が出るという症状がありましたので急に不安になり、すぐに地元の乳腺外科クリニックを受診しましたが、マンモグラフィとエコーのみで「何も問題ないです」「分泌物はよくあること」と言われ、分泌物の検査さえしていただけませんでした。
乳頭分泌物について詳しく診ていただける病院を探すのは地元では難しそうなので、そちらに伺えればと思っておりますが、今ある症状(脇のしこり)については緊急を要するものでしょうか?
 
お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
 
「右胸の乳頭を押すと、一か所からわずかに黄色みがかった透明な分泌液が出る」
「当時の住まい(東京)のクリニックで分泌物を検査」
⇒単孔性分泌のようですが、「絞れば毎回出る」ようであれば「乳管造影が必要」です。
 単孔性分泌は「乳管内病変のサイン」なのです。
 本当に、「乳管内病変なのか?」それがポイントです。それには「乳管造影」しかないのです。
 「分泌液の検査」とありますが、これは「無意味」です。
 たとえば「血性」であることが解ったとして、「次の展開」はどうなのでしょうか?   結局「あー、血性ですね。気をつけましょう」で終わりです。
 
 また「分泌物CEAが高い」として「将来的に、腫瘍が見つかるかもしれませんよ。(今は超音波では解らないけど) 気をつけてください」で終わりです。
 

「右の脇の奥にわずかに痛みのあるコリッとしたしこり」「今ある症状(脇のしこり)については緊急を要するものでしょうか?」
⇒心配ありません。 緊急を要するものではありません。
 皆さん、「脇の下のシコリ」というと、随分神経質になるようです。(ネット等の情報を見てしまうと仕方が無い事かもしれませんが…)
 まず「胸に明らかなシコリを触れない限り、転移性リンパ節など考える必要はない」ことを認識してください。
 
 「脇の奥のシコリ」として質問者が心配しているのは「転移性リンパ節」でしょうか?
 ⇒それであれば、心配ありません。
 「腋窩リンパ節」は正常な状態でも「僅かに、コリッと」触知することはあります。
 問題となる様な「転移性リンパ節」は「僅かに、とかコリッと」とかではなく、「硬く、ゴロリと」触れるのです。
 ○質問者が触知しているのは、まず、間違いなく「正常の構造物(正常リンパ節や血管など)」です。
 
 それとも質問者が心配しているのは「腋窩に潜む、得体のしれない腫瘍」でしょうか?
 ⇒それも心配ありません。
 そのような「得体のしれないもの」は腋窩にはできませんし、まして「僅かにコリっとした」ものに「悪性は無い」のです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

お忙しい中、ご回答ありがとうございます。
 
単孔性分泌については、別の方への回答で「乳管内乳頭腫か乳癌」の乳管内病変が疑われるということで、何らかの病名がつく?ことに動揺しまして、私も乳管造影をして診断していただかなければと思っております。
さらに、脇にしこりを触れるので、どんどん悪いほうへ考えてしまっていましたが、先生からご回答いただき、不安な気持ちが消え心が落ち着きました。
ありがとうございました。
 
脇のしこりについて、もう少し質問させてください。
脇のしこりは自分ではリンパ節が触れていると思っているのですが、風邪をひいたり胸が張っているようなこともないのに、脇の違和感や圧痛、リンパ節が普段より大きく(リンパが腫れているように)感じたりすることが時々あります。
もし脇のリンパ節が腫れているとしたら、どのようなことが考えられますでしょうか?又、腫れが気のせいだとしたら、どのような変化があったら注意したほうが良いでしょうか?
 
過去のQ&Aも見させていただいておりますが、自分の症状に当てはまるものを全て確認できてはいませんので、質問が重複していたらすみません。
 
先週、こちらのサイトを知ったのですが、今までネットであれこれ調べて益々不安になっていた自分はなんだったんだ、と思いました。
ネットで質問などしたことがなかったのですが、今回、先生から大変分かり易い納得できるご回答をいただき、このサイトに出会ってよかったと思いました。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
 
「脇のしこり」については「ネットなどで、情報が独り歩き」しているのでしょう。(私は、そんな内容を見た事が無いので知りませんが…)
 
実際には、我々乳腺外科医は「腋窩リンパ節」を「検診レベル」では全く意識しません。
その意味では、検査技師さんが「検診エコーの際」に腋窩のリンパ節「正常構造12x8mm」みたいな記載があると、「必要無いのにな…」といつも思います。
 
「脇のしこりは自分ではリンパ節が触れていると思っているのですが、風邪をひいたり胸が張っているようなこともないのに、脇の違和感や圧痛、リンパ節が普段より大きく(リンパが腫れているように)感じたり
することが時々あります。もし脇のリンパ節が腫れているとしたら、どのようなことが考えられますでしょうか?又、腫れが気のせいだとしたら、どのような変化があったら注意したほうが良いでしょうか?」
⇒「反応性」腫大の原因としては「腕の使い過ぎや怪我」などです。
 原因が解らない事も多いですが、全く気にする必要はありません。
 
○「脇のしこり」について、あまりにも「不必要に心配」している人達があまりに多い事に気付いていました。(一度、ブログで「気にし過ぎです」とコメントした事がありました)
 「胸にしこりが触れない」状況で「転移性のリンパ節の心配」などする必要は全くありません。