[管理番号:1769]
性別:女性
年齢:42歳
はじめまして。42歳の乳癌患者ですが、LH-RHについて迷っています。
3月末に自分で右乳房にしこりを発見し、
4/(中旬)に胸筋温存乳房切除、腋窩リンパ節郭清の手術を受けました。
病理結果は
湿潤性乳管癌、硬癌>充実腺管癌パターン
脂肪湿潤あり、リンパ管侵襲あり。duct内進展なし。
構造異型3+核異型3+分裂像3=9でグレード3
Ki-67 37%
リンパ節転移 センチネル2個+郭清レベルⅠに3個で合計5個
ER/PgR 陽性/陽性
ステージⅡb、ルミナールBとの診断でした。
5月~11月までEC+weekly PTXの抗がん剤、
その後、現在は放射線治療に通院中です。
次回からいよいよホルモン治療(TAM)が始まるのですが、
LH-RHの注射(リュープリン)も追加するべきか迷っています。
主治医は最初は考えてくれていた様子ですが、35歳以下という指針があるので
必要ないかなとおっしゃっていました。主治医を信頼しています。
ただ希望されるなら、できるように準備はしておきますとのことでした。
実際、私より年上の方でも注射されている方はいるそうです。
ネットで見ていても、40歳以上で注射されている方がたくさんいらっしゃるので
正直、自分でも迷っています。
身内はできることならやってもらいたいようですが、私としては無駄な治療は受けたくありません。
元々、子宮筋腫(検診で指摘・小2個)があるので
ホルモン剤の影響は気になります。
抗がん剤を始めて2ヶ月後で生理は止まっています。
先生なら、どうお考えでしょうか?
お忙しいところ申し訳ありませんが、ご教示ください。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
術後にアンスラ+タキサンやったのですね。
「抗がん剤を始めて2ヶ月後で生理は止まっています。」
⇒現在は「化学療法閉経」されていますね。
42歳という年齢からは、「化学療法閉経からの月経回復」も「これから」起こりえると思います。
私の患者さん達にも全く同様なケースがあります。
SOFT試験の結果を受け、「適応は明瞭」となっています。
つまり「抗がん剤を終了後に月経が回復した」方には「有効」なのです。
○「化学療法閉経の方」には、まずは「タモキシフェン」単剤とします。
そして、「月経回復の兆し」が出た時点で「LH-RHagonist」の併用を開始します。
回答
「子宮筋腫(検診で指摘・小2個)があるのでホルモン剤の影響は気になります」
⇒LH-RHagonistは「子宮には抑性的」に働きます。
「先生なら、どうお考えでしょうか?」
⇒TAM単剤で、様子をみて「月経回復の兆候」が有る場合に「LH-RHagonist」を併用
開始します。
質問者様から 【質問2 】
化学閉経後6年以上の生理について
性別:女性
年齢:48
病名:乳癌
症状:化学閉経後の生理
投稿日:2022年1月25日
6年前に丁寧なご回答をいただき、本当に感謝しています。
先生のご教示は心強く、不安を一掃させてくれました。
おかげさまで現在まで再発もなく、前向きに治療できています。
2015年4月に手術、抗がん剤~放射線を終了して、
現在はホルモン剤の服用中です。
2015年11月~2020年3月まで ノルバデックス
2020年4月~2021年1月(現在) アリミデックス
手術当時は42才、現在は48才です。
抗がん剤を始めて2ヶ月後から化学閉経の状態が続いていたので、
リュープリンを始めることなく、ホルモン剤のみで治療してきました。
ところが、6年以上たった今になって生理のような症状がありました。
年齢的にはまだ閉経にならずとも、おかしくないのかなと思います。
毎年、子宮がん検診を受けています。
エコーで小さなポリープや筋腫は指摘されましたが、
問題はないと言われています。
昨年10月に婦人科で確認していただいたところですが、
出血が止まったら、念のため受診しようと思っています。
婦人科的に問題がなければ、やはり生理なのかと思います。
来月に主治医を受診するので、その時に報告します。
前回、先生に月経回復の兆しが出た時点でリュープリンの併用をとご教示いただきましたが、6年以上たった今でも同じでしょうか?
内服も現在のアリミデックスからノルバデックスに戻るのでしょうか?
お忙しいと思いますが、ご回答いただけると幸いです。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは田澤です。
「前回、先生に月経回復の兆しが出た時点でリュープリンの併用をとご教示いただきましたが、6年以上たった今でも同じでしょうか?
内服も現在のアリミデックスからノルバデックスに戻るのでしょうか?」
⇒勿論!
Tamoxifen + LH-RHagonistへ変更しましょう。