[管理番号:1490]
性別:女性
年齢:48歳
初めて投稿します。
よろしくお願いします。
3年ぶりに婦人科検診をうけ
10/16に早期乳がんの疑いと診断されました。
検査結果のみ郵送で超音波も技師のかたで
医師からの直接の説明はありません。
マンモ 結果 右 内側上部に腫瘤(単発・微細分養状・カテゴリー4)
精密検査 必要
超音波 結果 右 内側上部に乳癌の疑い(13×13×12ミリ)カテゴリー5
精密検査 必要
腫瘍マーカ CEA:0.9 CA19-9:4.0 CA125:7.5
結果異常なし
☆ 3年前2012/9月の全身PET検査及びエコー診断時は
右側:外側中央に分葉形の無エコー
腫瘤5mm程度 乳腺嚢胞(良性病変)
左側:異常所見なし
もちろんPETも異常なしでした。
現在閉経前です。
以上のような経過で現在
お世話になった知り合いの医師のいる大学病院で10/21水曜に精密
検査(生検など?)
の予約をしましたが
手術後ドレーン不要.入院日数3泊4日(フルタイムの仕事をしています
ので
最短の欠勤におさえたい)
など患者の負担を最低限にしていただける
また数多い患者さんに誠意ある対応をなさる先生のブログに
たどり着き先生にお願いしたいという気持ちを抑えられずに
メールしました。
今とても不安なので心配な点をお聞きしてよいですか?
1. やはり マンモ カテゴリー4 超音波 カテゴリー5 で
は癌に間違いないのでしょうか?
2. 超音波が カテゴリー5 とういうことは 星芒状の硬癌
の可能性が高くリンパにも転移している予後の悪い癌? インターネッ
トの見過ぎで混乱しています。
先生のブログでは硬癌は予後は良いと書いてありましたような?
3. 貧乳なのですが乳房は温存したいのですが この場所でこの
大きさでは
温存できる可能性はどのくらいでしょうか?
4. 乳癌が1センチになるのに10年はかかるというのに3年の間に
1センチを超えてしまい進行癌なのでは?心配ばかり募ります。
3年前の右の乳腺嚢胞(良性)は位置がちがいますが今回そちらが記載
ないということは
それが悪性に変化してしまったということでしょうか?
5.もし、先生にお願いできれば最短でいつごろ手術可能でしょうか?
また私の場合今後はどのような治療になっていくのでしょうか?
6. 生検の結果 癌のタイプなどわかりましたらまたメールさせ
ていただく
もしくは手術の日程までにセカンドオピニオンさせていただくことは
可能でしょうか?
夫や子供達もおりまた仕事もしており家族が予想以上に落ち込んで動揺
していて
家族の前では早期大丈夫よと明るくふるまっていますが頭がおかしくな
りそうです。
先生のご経験からわかる範囲で現在の私の病状を診断していただけると
ありがたいです。
可能であれば都内ですので本日にでも先生のところへ伺いたい、何時間
でも待ってでも診察していただきたいのですが
知り合いにお願いしてしまった手前それも出来ず
後悔ばかりです。
インターネットの普及により情報がたくさんはいり
混乱し不安ばかりが募ります。乱筆乱文お許し下さい。
先生のブログのみを閲覧するようにすれば、なんとか今を乗り切れそうで
毎日何回もみています。
何卒よろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「手術後ドレーン不要.入院日数3泊4日」
御評価いただいてありがとうございます。
ひとつ、付け加えることがあるとすれば、私は決して「自分の宣伝のために、無理してたどり着いた術式」という訳では無く、
「正確な手術(出血もリンパ漏れもない)⇒ドレーン不要」
「ドレーンを入れない⇒痛みが少なく、腕のリハビリも不要⇒短期入院」
と「自然な流れ」となっているのです。
患者さんの「体の負担を極力なくす」当たり前のことですが、その結果なのです。
回答
「1. やはり マンモ カテゴリー4 超音波 カテゴリー5 では癌に間違いないのでしょうか?」
⇒間違いないと思います。
マンモグラフィーのカテゴリー4だけなら、「70%程度」というところですが、
超音波でのカテゴリー5は「100%ほぼ間違いなし」と言えます。
♯超音波でのカテゴリー5は「診断結果に絶対の自信がなければ、つけません」少しでも「良性の可能性」を残している場合には、「カテゴリー4」となるのです。
 
「2. 超音波が カテゴリー5 とういうことは 星芒状の硬癌の可能性が高く」
⇒確かに、「硬癌」が最も「画像上、識別容易=カテゴリー5を付けやすい」と言えます。
「充実腺管癌」や「乳頭腺管癌」では比較的4を付けやすいとは言えます。
ただし、「カテゴリー5=硬癌」とは飛躍しすぎています。
 
「リンパにも転移している予後の悪い癌? インターネットの見過ぎで混乱しています」
⇒(ご自身も自覚されている様に)ネットの見過ぎです。
実際には「硬癌がリンパ節転移を起こし易い」ことなどありません。
そもそも組織型で「予後を占う」等、全く無意味です。
 
「先生のブログでは硬癌は予後は良いと書いてありましたような?」
⇒「硬癌が予後が良い」とは書いていない筈です。(組織型で予後を論じるのは無意味)
私が「組織型で連想すること」は
①充実腺管癌は「増殖能力が強い=比較的核グレードが高く、トリプルネガティブやHER2タイプが多い」
♯ただし、だからと言って「充実腺管癌が予後が悪い」などと言うつもりは全くありません。
②乳頭腺管癌は「ルミナールタイプ」が多い。
ただ、「乳管内進展が多く」温存には注意が必要
③粘液癌や小葉癌は予後が大人しいタイプ(核グレードが低い)が多い
♯小葉癌は「(乳腺内に)多発し易い」
④硬癌は「乳管内進展が比較的少なく」温存手術の際に「比較的安心」
★おそらく、これらの中の(特に④の)コメントからの連想ではないでしょうか?
 
「3. 貧乳なのですが乳房は温存したいのですが この場所でこの大きさでは温存できる可能性はどのくらいでしょうか?」
⇒「内側上部」で「13mm」ならば、まず温存可能でしょう。
♯ただし、MRIでの拡がり診断にて確認が必要ですが。
 
「乳腺嚢胞(良性)は位置がちがいますが今回そちらが記載ないということはそれが悪性に変化してしまったということでしょうか?」
⇒位置が違うので、「別物」だと思います。
 
「もし、先生にお願いできれば最短でいつごろ手術可能でしょうか?」
⇒相談させてください。
QandAで相談させてもらった方用の枠もあります。
秘書へ問い合わせてください。
「また私の場合今後はどのような治療になっていくのでしょうか?」
⇒乳癌治療は「局所療法+全身療法」です。
このうち、全身療法にかんしては、全く不明(組織検査をすると、サブタイプが解ります)
○局所療法
「乳房温存術+術後放射線」もしくは「乳房全切除」
○全身療法
サブタイプによってきまります。
◎サブタイプとは?
組織検査(針生検や手術標本)などで以下の3点を調べます。
エストロゲンレセプターの発現(ER)
プロゲステロンレセプターの発現(PgR)
HER2蛋白の過剰発現の有無(HER2)
⇒これらの組み合わせで
●luminal type:(ER陽性、PgR陽性、HER2陰性) ホルモン療法が有効(更に増殖指数Ki67の値が低いAと高いBに分けます)
♯luminalA(Ki67低値)ではホルモン療法単独を、luminalB(Ki67高値)には(ホルモン療法に加え)化学療法も行う事が多い
● HER2 type:(HER2陽性のもの) ハーセプチンという分子標的薬と通常の抗癌剤の組み合わせを行う
●トリプルネガティブ:(ER陰性、PgR陰性、HER2陰性)通常の抗癌剤を行う
●トリプルポジティブ:(ER陽性、PgR陽性、HER2陽性)ホルモン療法と分子標的薬と抗癌剤の全てを行う
※正式名称はluminal B(HER2タイプ)と言います。
「6. 生検の結果 癌のタイプなどわかりましたらまたメールさせていただくもしくは手術の日程までにセカンドオピニオンさせていただくことは可能でしょうか?」
⇒どちらでも、可能です。
この「QandA」もしくは「秘書へのメール」どちらでも対応できます。
「先生のご経験からわかる範囲で現在の私の病状を診断していただけるとありがたいです」
⇒「腫瘍径13mm」ならば、全く問題ありません。
「リンパ節転移の状況」は不明ですが、「腫瘍径13mm」ならば「リンパ節転移の可能性は低い」と思います。