[管理番号:6800]
性別:女性
年齢:46歳
病名:浸潤性乳管癌
症状:胸の痛み
いつもたくさんの方々への先生の診断を拝見させて頂いております。
乳癌と診断された日からとても悩み、眠れない夜が続き、不安のせいか身体のあちこちが痛み出し、転移の心配や、小さな子供を守って生きていけないのかと涙が出たり、検診を受けていたのに運の悪い自分に悲しみでいっぱいでした。
たくさんの情報の中で田澤先生の乳がんプラザに出会えた事に本当に感謝しております。
たくさんの答えを知ることが出来て、不安な日々の中、本当に心が救われました。
先生のおかげで今は落ち着いて癌と向き合い、眠れたり、身体の痛みも減り、明るく過ごす事も出来ております。
本当にありがとうございます。
私の癌の診断は右胸で
大人しいタイプ
エストロゲン受容体+
プロゲステロン受容体+
HER2タンパクの過剰発現を認めませんとの事とのことです。
CT→肺、肝臓転移なし
骨シンチ→転移なし
リンパ エコー→転移なし
右胸の痛みで内科に行っても解決せず、
2年前にクリニックでエコーとマンモ→別の部分が疑いありで細胞診→嚢胞
1年前 クリニックでエコーとマンモ→1年前と別の部分を組織検査→嚢胞
今年6/(下旬) クリニックでエコーとマンモ→エコーで癌の疑い
17歳と18歳のとき、乳腺線維腺腫で両胸にシコリあり、当時は細胞診などがなかったのか2回ずつ取り除く手術をしていました。
7年前の検診では石灰化で要検査で今のクリニックで診て頂いて経過観察でした。
今年のエコー画像を先生が診て、驚いた様子で、去年はなかったよねと看護師さんに先生が聞いていたところ、去年はうつっておらず、2年前にはしっかりうつっていました。
2年前のクリニックの技師さんはすごく丁寧で、去年は大学病院の先生が手伝いにみえていて、正直とても雑で、心配になりスタッフにこっそりもう一回エコーをとってもらえませんかとお願いしたのですが、お医者様なので大丈夫ですと言われて諦めたのを覚えています。
私の県ではとても評判の高いクリニックで混みすぎているので手伝いのお医者様が診る事もあります。
6/(下旬)先生が乳腺線維腺腫の手術痕のひきつれの可能性もあるから心配しないでとおっしゃいましたが様子から癌だと感じました。
エコー画像も2年前とそっくりな画像でブロッコリーのような、煙のような、キノコ雲のような画像で、インターネットでも浸潤癌として載っているものにそっくりでした。
①乳腺線維腺腫の手術痕は癌の所見と似ているのでしょうか。
紹介で7/(中旬)大学病院のMRI検査
→7/(下旬)結果 乳癌疑い
→7/(下旬)クリニックで組織検査
→8/(上旬)結果と病院選び →紹介で8/21〇〇病院 エコー
→9/(上旬) 〇〇
病院 骨シンチとCT
→ 9/(中旬) 〇〇病院 結果
→9/(下旬) 〇〇病院に全摘か温存の返事予定
→9/(下旬) 〇〇病院 入院予定
→9/(下旬) 〇〇病院 手術予定
7/(中旬)乳房MRIでは1.1cm
8/(下旬)のエコーで1.6cmなので実際は2cmくらいだろうとおっしゃいました。
②大きくなるのが早いのか、MRIとエコーではどちらが実際の大きさに近いのでしょうか。
右胸に他に2箇所疑わしい所見があるが、組織検査をしていないので、
温存する場合は手術中に調べて、多発の癌だった場合は全摘に変更するとのお話でした。
温存した場合は乳管内進展を手術中に検査する事になるので100%取りきれるとは言えないので再発の可能性が残るとのお話でした。
初めから全摘にするか9/(下旬)にお返事しなくてはならず、迷っています。
③田澤先生でしたら私のような患者の場合、初めから全摘されるか温存予定から手術されるかどちらをおすすめされますでしょうか。
主治医の先生はどちらとも言えないとおっしゃいました。
健康診断で追跡中のものがあります。
右肺中葉に5mmの小結節
右肝臓に小嚢胞
甲状腺左葉に6mmの高エコー結節
子宮に小筋腫複数
頚管に小嚢胞
左卵巣に機能的嚢胞
胆嚢ポリープ数個
④健康診断で追跡中のもので乳癌手術で関連のあるものはございますでしょうか。
田澤先生に手術していただけたらと思いましたが、私の地域からは遠く、子供を置いて行く事や、これ以上待つことへの不安や手術する〇〇病院の先生もとても親身になってくださる良い先生なので今後の治療も考えて諦めました。
お忙しい中、長文で大変申し訳ございません。
手術も迫っているため田澤先生のご意見を伺いたく細かく書いてしまいました。
長文でごちゃごちゃしてしまいましたので、お伺いしたいものを①~④と記入させていただきました。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
2年前にもあった…
というのは、極めて残念なことですが、逆に言えば「2年前からあったのに」2cm程度ということは「非常に大人しい」ということです。
「①乳腺線維腺腫の手術痕は癌の所見と似ているのでしょうか。」
→線維腺腫に限らず…
手術痕は(当然)不整形となるので、迷うケースは少なくありません。
「②大きくなるのが早いのか」
→冷静に考えればわかることです。
2年前からあるのに「大きくなるのが速い」筈がありませんよね?
「MRIとエコーではどちらが実際の大きさに近いのでしょうか。」
→少なくとも病変の拡がりは「MRIの方を信じるべき」
ただし、MRIの拡がりは「非浸潤部分も当然含む」ので「浸潤径」は、また別の話となります。
「③田澤先生でしたら私のような患者の場合、初めから全摘されるか温存予定から手術されるかどちらをおすすめされますでしょうか。」
→私であれば…
術中ではなく、術前に(疑うべきものは)組織診をしてしまうので画像診断で決めてしまいます。
MRIを見ていないので想像に過ぎませんが…
温存可能なように思います。
「甲状腺左葉に6mmの高エコー結節」「子宮に小筋腫複数」「頚管に小嚢胞」「左卵巣に機能的嚢胞」「胆嚢ポリープ数個」「④健康診断で追跡中のもので乳癌手術で関連のあるものは」
→一つもありません。(全て「どうでもいい」「経過をみるようなものではない」ものです)
ご安心を。
質問者様から 【質問2 リンパ節微小転移 郭清なし】
性別:女性
年齢:46歳
病名:右乳がん
症状:1.6cmの腫瘍とリンパ節微小転移3つ
前回、2cmの乳がんで全摘か温存かで相談した者です。
その際は手術日が近い時の相談にすぐにお答え頂いて大変感謝しております。
心を落ち着かせる事が出来ました。
ありがとうございます。
その後、MRIとCTの結果から乳管内進展が広い事や、乳頭に近いため乳頭を残す事が難しい可能性があるとの担当医からのお話があり、迷いましたが全摘を選びました。
現在術後入院中です。
腫瘍は見た目で1.6cm
同時に切除された他2つの腫瘤はまだ悪性腫瘍か不明
手術中のセンチネルリンパ節生検で2mmの微小転移が3つ担当医の判断で郭清なし
乳がんプラザや他のサイトも検索してみたところ、微小転移は郭清を省略との考えが広まっているとの事で、それは理解出来たのですが、どの情報も乳房温存で放射線治療とホルモン療法というものの情報ばかりでしたので、まだ採った乳房の検査中で治療法はわかりませんが、全摘でリンパ節に微小転移2mmが3つの場合、
①田澤先生でしたらホルモン療法の他に放射線治療もされますでしょうか。
ホルモン療法だけで良いでしょうか。
放射線療法の場合はどの部位にされますでしょうか。
②ホルモン療法でがん細胞が「エストロゲンが食べられなくなって増殖出来なくなります」と乳がん診療ガイドラインにありましたが、増殖の抑制だけで、がん細胞をなくす作用はあるのでしょうか。
③田澤先生でしたらこのような微小転移の場合、腋窩リンパ節郭清されますでしょうか。
どうぞ田澤先生のご意見をお聞かせ下さいますようよろしくお願い申し上げます。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
○まずは『今週のコラム 144回目 肉眼的転移では 追加郭清>郭清省略なのです』
をご一読ください。
「①田澤先生でしたらホルモン療法の他に放射線治療もされますでしょうか。」
→しません。
「ホルモン療法だけで良いでしょうか。」
→サブタイプが決まっていないのでは?
ルミナールBなら抗がん剤もします。(Ki67でグレーゾーンならOncotypeDXします)
「増殖の抑制だけで、がん細胞をなくす作用はあるのでしょうか。」
→よく考えればわかると思いますが…
現実に再発率を減らしていることを、よく考えましょう。
「③田澤先生でしたらこのような微小転移の場合、腋窩リンパ節郭清されますでしょうか。」
→しません。